3話 少女の記憶
ここは、数十年前のヨーロッパ?
治安が良さそうでもない。
!!!!
急速に意識が少女に侵食されていく。
怖い。
自我が無くなっていく。
「あー、もう誰かから力ずくででも食べ物を奪わないと死んじゃう……」
私はナイフを持って立ち上がった。
そこで襲った男に返り討ちにされ、人生は急速に進み始めた。
その男は銀獅子と呼ばれるマフィアのドンでめちゃくちゃ強かった。
私は彼に戦闘の才能を見出され、鉄砲玉として雇われた。
戦闘訓練や戦いは非常にきつかったが、女なりに力が無くても戦う方法を身に付けていった。
次第に、私は彼を心酔するようになっていた。
ただ、路地裏で野垂れ死ぬしかなかった私にこれだけの力を与えてくれたのだ。
そして、彼に雇われて15年が経とうという時、敵対マフィアの罠にかかって死んだ。
硬い床で目を覚ます。
こんなに早く死んでしまうなんて。
彼の力にもっと彼の力になりたかった。
違う。
俺は四方田啓利だ。
ゆっくりと倒れた体を起こす。
そうだ。
俺は鬼に記憶(物理)をねじ込まれたんだ。
頭を触るが怪我はない。
ここは小さい洞窟だ。
しかし、扉が付いている。
「どうだい?記憶の世界は楽しかったかい?初めまして、月夜 夕だ。よろしくね」
高校生ぐらいの背の低い少女が入って来る。
綺麗な黒髪で、かなり可愛い。
無邪気さが残る少女だが、どことなく大人の女性の雰囲気を感じさせる。
麻の質素な服ではなく、真っ黒な生地に白い波模様の入ったTシャツのような物を着ている。
しかし、そのTシャツのサイズは明らかに大きく、ワンピースのようになっており、首を通す穴からは両肩が出ている。
「四方田啓利だ。よろしく」
月夜と名乗った少女は嬉しそうに笑う。
「よしよし。自分が何者かはちゃんと分っているみたいだね。良かった良かった。さて、早速だけど、私と戦ってくれるかい?それだと話が早いんだ」




