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12話 宮本武蔵戦

「話は終わったか。あれで倒せるとは最初から思っておらんよ。―――その白波の装い、貴様が『剛鬼殺し』か。うむ、確かに強そうだ。後ろの雑魚に守ってもらった程度で、誤魔化せると思うか?」


 宮本武蔵は明らかに40歳は超えていた。彼の体の全盛期はこの齢という事か。


「さーて。何のことやら?それに、私は戦ってあげないよ。戦うのは彼女だ」


 月夜は適当に誤魔化す。


「まあ、変わらんよ。どっちを先に……」


 アリスが強襲を仕掛けるが、宮本は受け流す。流石だ。


「ヨモ君、君は見学だ。彼の動きを覚えるんだ。勉強だよ」


 勉強って……。

 二人の攻防はすさまじかった。

 マネできる気がしない。


 宮本はアリスの攻撃を流しつつ、一撃必殺の機会を覗っている。シールドごと斬れば、宮本の勝ちなのだ。正しい選択だろう。


 アリスは、宮本に溜めを作らせない様、シールドでガードしつつ、連続攻撃を仕掛けている。しかし、防御に徹した宮本を崩せる気がしない。


「どうなると思う?」

 月夜が俺の手を握って、問い掛ける。


「この状態が拮抗するんじゃないのか?」

 お互い決定打が無い。


「違うよ。銀波刀により、アリスちゃんの剣と盾はちょっとずつ切れている。頑張って5分だ」


 アリスの元に行こうとしたが、月夜が手を握ったまま離してくれない。振り払おうとするが、ビクともしない。


「何のつもりだ?」


「勉強だって。いいかい?アリスちゃんは初めて剣と盾のスタイルで戦っているんだ。それで剣豪と張り合っている。彼女だって成長中なんだ」


 よくよく考えると、宮本武蔵と戦える人間がパーティに3人いるのはチートだな。


「それでも、今、アリスが危ないのなら、助けに行く」


「どうなると思う?もう一度聞いてあげよう」

 月夜が恋人繋ぎに変える。正解を言い当てないと、離さないつもりらしい。


 そうこうしている間に、アリスは押され始めていた。

 剣が消耗し、受け止められる部分が減ってきたのだろう。宮本武蔵相手に、剣を守る余裕は無い。


 このままでは、アリスの剣が折れ、斬られる。

 しかし、そんな簡単な話ではないのだろう。月夜に見えているものは。


 よく見ると、アリスと宮本の中間に小さな水晶が生えていて、それがゆっくり大きくなっている。

 もしかして……。


「月夜、ここの水晶って最高でどれくらいの速さで動く?」


「地獄の罪人に不意に襲ってくる針の恐怖を味合わせないといけないからね。一瞬で10mぐらい伸びたりもするよ」


 その瞬間、宮本とアリスの間に、水晶の壁が出来る。

 あの、小さな水晶が一瞬で成長したのだ。


 水晶は間一髪で辛うじて避けたアリスの服を貫いた。怪我だけは防いだが、バランスを崩している。


 そして、それを狙っていた宮本の銀波刀の先が水晶を貫いて、アリスの頭に向かう。


 俺は間一髪で宮本の首を切り飛ばす。人間、勝利を確信した瞬間に隙が出来る。それはいくら剣豪でも一緒だったらしい。


 俺は左腕を抑える。月夜から逃げる為に、自分の手を切り落としたのだ。痛い。

 

「あ、ありがと……」


 アリスの震える声が聞こえた。強くても、女の子。怖かったのだろう。

 ようやくツンデレのデレの部分が始まるらしい。

 振り返ると、ほぼ裸のアリスと目が合う。

 そうだった。服破れてるんだった……。


 まずいと思ったが、もう遅い。

 俺の表情で、アリスは自分の状態を確認する。


 頭の中に浮かぶ選択肢を精査する。

 何もいい選択肢がでない。


 これだから童貞は!!


 思いっきり顔に手形を付けられた。


「ラブコメなら、私も交ぜてくれるかい?」

 月夜、ちょっと黙ってて……。







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