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255 何だか怪しい天使様

(5ヶ月も間が空いてしまいすみません;;)

 最近はバイトで日が暮れてから帰る事にも慣れていて、運動がてら夜道を軽く駆けながら帰っていた。


 流石にこの時間帯に制服でウロウロしていると補導されかねないので、バイト終わりはわざわざジャージに着替えてから反射たすきまできっちり身に着けている。この格好はあまりおしゃれとは言い難いが、安全のためなのだから仕方ないものだ。


 車や歩行者に気を付けながら小走りでマンションまでたどり着いた頃には、既に一日が後三時間強で終わる時間だった。

 今まで帰宅部だった分この忙しなさは不思議な感覚があるが、悪くない。


 これまでが緩すぎたのだ。真昼と知り合うまでは帰宅部のせいもありぐうたらしていたし、知り合ってからは一緒に勉強したりのんびりしたりして過ごす事が多く、予定も詰まっていなかった。


 こうしてスケジュールをきっちりと決めてその通りに動くというのは、やや窮屈さを感じるものの充足感もあった。


「ただいま」


 ほんのりとした気怠さを感じながら家のドアを開けて声を上げるが、家には明かりこそついていたが人の気配はしない。


 てっきり真昼が晩御飯を作って待っているのかと思ったが、靴を脱いで上がってリビングの方を見ても真昼は居ない。


 キッチンを覗くと、非常にいい匂いが漂ってきたしコンロには鍋が置いてあって蓋がなされている。

 中身の煮物はもう出来上がった様子で、どうやら晩御飯の準備はしてから家を空けたらしい。


 別に家に居なくてはならない訳ではないし自分の時間を大切にするのはよい事だと思っているが、珍しいな、という感想を抱いてしまう。


 帰る前に帰宅するとメッセージを入れていたが、もう一回メッセージを入れておいた方がいいか、と考えが浮かんだ瞬間、玄関の方からどこか急いだような解錠音が聞こえた。


「あ、周くん、お早いお帰りで……」

「今日は後片付け他の人がやるってさ。あと走るペース早めにしてきた。……ごめん、何か真昼も自分の事してたみたいだしゆっくりした方がよかったかな」 

「いえそんな事は! 早く周くんの顔見たかったですし!」


 若干慌てながら首を振る真昼の髪がさらさらと揺れるのを眺めながら小さく笑って「それならよかった」と返す。


 何とも可愛らしい事を言っている真昼には微笑ましさを強く感じるのだが、真昼は周の笑みを気にした様子はなくて微妙に居心地悪そうに視線を下に向けて小さく何か呟いた。


「真昼?」

「ああ、ちょっと考え事をしていたので、お気になさらず。周くんも帰ってきた事ですし、ご飯の準備しますね。お風呂に入っている間にご飯温めておきますから。お湯は溜めてますので」

「いつもありがとな。……ん?」


 いつもよりなんだかぎこちなさを感じる真昼に内心で不思議がりつつも真昼の横をすり抜けようとした所で、真昼からふんわりと甘い香りが漂った事に気付く。


 普段から真昼はほのかに甘いいい匂いがするのだが、今の真昼は漂う甘い匂いの質が違う。シャンプーや本人の匂いではなくて、甘い匂いが外からくっついたような、そんな香り。


 具体的な事を言えば、焼き菓子系の匂いだ。


「な、何ですか」

「……いや、いつもの真昼と匂いが違うなって。何かお菓子系の甘い匂いがする」

「えっ。……それはその、おうちで……おやつ、食べちゃったので」

「そうか? 真昼はあんまり食べない俺よりも食べないんだからあんまりご飯前に食べたらご飯食べられなくなるんじゃないのか?」


 基本的に間食は体型維持の目的で控えているらしいので、これまた珍しい。

 それに真昼は食が細いという訳ではないが、どちらかと言えば少食だ。おやつを食べて晩御飯をしっかり食べるというのは難しいのではないだろうか。


「た、食べられますので問題ないです。いいからお風呂に入ってらっしゃい、周くんは仕事帰りでお腹空いてるでしょう?」

「それはもうぺこぺこだけどさ」

「では、汗を流して気持ちよくご飯にしましょう。ね?」


 何かを誤魔化すように周の背を押す真昼に、周はやはり何かがおかしいなと思いつつも流されるように着替えを取りに部屋に向かった。

お久しぶりです。ようやく更新が出来ました。長い間滞っており申し訳ありません。

更新してない間にもろもろ告知や新情報がありまして活動報告に記載させていただいております。よろしければご覧くださいませ。

ここではとりあえず箇条書きにて記させていたたきます。


・3月発売予定のお隣の天使様4巻、通常版と特装版(アクリルキーホルダー付き)それぞれの表紙イラスト公開


・メロンブックスさんにてアクリルボード第二弾の発売決定&予約開始のお知らせ


・口絵2つの公開


イラストどれもこれもめちゃくちゃ可愛いのでぜひご覧いたたけたらなと思います(*'ω'*)

口絵のイラストよすぎてもらった時アアアアアって変な声が出ました。


4巻は書き下ろしが半分以上あってウェブ版既読の方でも楽しんでいただけるようになっておりますのでよろしければご購入頂けたら幸いです!


次は数日以内に更新が目標です(あくまで目標)

今後ともお隣の天使様にいつの間に駄目人間にされていた件をよろしくお願いいたします!

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『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5』 7月15日頃発売です!
表紙絵
― 新着の感想 ―
[良い点] 周くんと真昼ちゃんの日常が ほのぼのして、癒されます [気になる点] 無理なさらずに、執筆ください お待ちしております [一言] お帰りなさい 4巻ありがとうございます 楽しみです
[一言] 楽しみにしてました!
[良い点] 電子書籍から入り最近WEB版を読み終えたので更新歓喜! 電子書籍だとアクリルキーホルダー等の特典が付かないのがなぁ! はやく4巻読みたい!
感想一覧
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