226 文化祭終了
短め
「疲れた……」
校内に流れる文化祭終了のアナウンスを聞きながら、周は大きくため息をついた。
両親が退店した後クラスメイトにからかわれて散々な目に遭ったのだ。ただでさえ慣れない接客で神経を尖らせていたのに、クラスメイトまで楽しそうにからかってくるから肉体的な疲労より精神的な疲労が蓄積していた。
ただ、それももう終わりのようで、繰り返し流れる放送に肩の力が抜ける。
「おー。みんなお疲れ様ー! 忙しかったなあマジで」
客が居なくなった事と放送を確認した樹がへらりと笑ってクラスメイトに集合をかける。
短いようで長かった文化祭も終わりを迎え、皆達成感に満ちた表情をしていた。ただ、やはり疲労が見えるのは、明らかに自クラスが忙しかったからだろう。
「とりあえず、労いよりも先に片付けだぞー。ぶっちゃけ片付けが一番辛いからな、準備の時よりも労力が要る作業だから。ゴミとかは学校がまとめて処分するらしいしさっさとゴミをまとめろとのお達しだぞー」
「うげぇ」
「やだーめんどくさー」
片付けを持ち出された途端に意気消沈して気だるげな雰囲気を醸し出すクラスメイトの分かりやすさに苦笑しつつ、周もお片付けモードに移行して営業中に出たゴミを袋に突っ込みつつ彼の声に耳を傾けていた。
「まあまあ、これさえ終われば打ち上げ、明日は振り替え休日だぞ。諦めてキリキリ働くのじゃ」
「お前もなー」
「働いてますー指示してますー……いて、分かったからはたくなよ」
黒板の前で偉そうに胸を張る樹をクラスメイトが小突いている。樹は弄られるのも慣れっこなのかへらへらと笑って片付けに参加していた。
「打ち上げの会費は打ち上げ終わったら要求するからなー、昨日今日の文化祭で使いきったとか言うなよ」
「やべっ俺金あるかなあ」
「参加するって自分で名簿に書いただろー。足りないやつは誰かに借りるかオレに借金か好きな方を選べよー、利子はなんと驚き一日百パーだぞー」
「どんなぼったくりだ」
「それが嫌ならさっさと片付けるんだな、それで利子は手打ちにしてやろう」
「樹もやるんだよ」
クラスメイトに肩を叩かれつつさっさと終わらせて打ち上げだぞー、と拳を上げてクラスメイトを鼓舞している樹の姿に苦笑しつつ、沢山でた使い捨てカトラリーを袋に放り込む。真昼も同じように片付けながら、樹を眺めている。
「元気ですね、ほんと」
「それがあいつというか」
「打ち上げってどこ予定でしたっけ」
「カラオケ数部屋予約してるって言ってたぞ。その後の二次会も自由参加だ」
打ち上げは前もって出席の意を表明した人達のものとなっている。周は去年普通に欠席したのだが、今年は樹だけでなく真昼や千歳も居るし、クラスメイトとも親交を深められた気がしているので、やや気が引けるが参加する事になっている。
正直人前で歌うのは苦手なので出来れば聞き専で居たいが、樹に無理矢理マイクを握らされそうなのでどうしたものかと今から悩んでいた。
「うちに泊まる予定の母さん達には言ってるから多少遅くなっても大丈夫だけど、こう、やっぱ賑やかなの少し苦手かな。カラオケだけで今日は帰宅かねえ」
「私もそのつもりですよ。そもそも、晩ご飯は仕込んでありますし」
「有能な事で」
「帰った時の労力を減らせるなら、これくらいはしておきますよ」
晩ご飯の事もきっちりと考えてある真昼に感服しつつ、帰った時という言葉にひっそりと笑みをこぼすと、真昼は不思議そうに瞬きを繰り返す。
視線で何か面白い事があったのかと問いかけてきたが、無言の問いには答えずに笑みのまま肩を竦めて、掃除の方に意識を戻す事にした。
文化祭編はそろそろ終了です。これからは割とサクサク進めるつもりです。お泊まりつーはゆっくり描写しますが。
始めた当初は大体25~30万字くらいで完結を予定していたんですが……あれおかしいなもうちょっとで60万字達成しそうだぞ???
まあ100万字くらいまでには完結するんじゃないでしょうか。佐伯の長文癖が悪さしない限り。
あとサラッと樹の家族構成について修正しておきました。うっかりしててごめんね!





