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05・悲しいほどに正解ですよ

一週間ぶりの更新です。

今回は結構締め切り時間ギリギリでした(; ゜д゜)


あとPV数9万突破しました。

ありがとうございます<m(__)m>



天界、フィオナの実家―――


そこでナヴィ(猫Ver)は、自分の主人である

アルフリーダと対峙していた。


本来の役目である、直近の報告をするためである。


「ふぅん……バクシアで、ねえ。


 それで、誰を新しく眷属にするか決まったの?」


「そこはまだ選定中です。


 あ、そういえば―――

 そもそも眷属って、また追加出来るものなので

 しょうか?」


報告する中で、自分の疑問、そしてフィオナからの

依頼を兼ねた質問を主人にする。


「え? だって信者数が初期MAX以上に

 なったんでしょう?


 最初に規定されていたMAX超えを果たすと、

 その特典として眷属が増やせるはずよ。


 だから最初は初期のMAX値からさらに上を

 目指すよう、役所から指導されるんだけど」


「初期のMAX値……って、ルコルアへ行ってから

 少ししたくらいで、すでに2000名を突破して

 いましたから、その頃には眷属を追加出来たという

 事ですか?」


「そういう事になるわね。


 ……っていうか、ホントにあのコ、

 大事なマニュアルとか説明書とか読まないタイプ

 なんだから」


呆れるようにアルフリーダがため息交じりに語る。




「それでも何とかなってしまっていますからね」


「まあ実際、眷属に関しては私がほとんど経験も

 知識も無いから、教えてあげられる事が無いって

 理由もあるんだけど。


      ユニシス

 私の眷属、パパが最初で最後だしねー」


「……しかし、こうして見ますと―――


 アルフリーダ様がユニシス様一筋なのに対し、

 どうしてフィオナ様は目移りと言いますか、

 不特定多数を望むのでしょうか」


報告と疑問が一段落した事で、今度は従来からの

不可解な点が、つい口に出てしまう。


「ちゃうちゃう。


 アレはいろいろなコが好きなんじゃなくって、

 本当に自分が好きな人をまだ決められないだけ。


 つまり、まだまだ子供で迷っているだけよ」


「―――なるほど。


 しかしこれで、バクシアでの新たな眷属を

 決められそうです」


「ん。今後もしっかりあのコをサポートしてください」


「はい。お任せを」


そうして一礼をして部屋を出ようとしたナヴィの頭に、

ふと新しい疑問が頭をもたげる。




「そういえば、アルフリーダ様。


 よくユニシス様を若返らせたりしているそうですが、

 やはり最初に出会った時のユニシス様が

 一番お好きなのでしょうか?」


その質問に、アルフリーダはちょっと首を

左右に傾げ―――


「そんな事もないわよ?

 いつものあの人も大好きだし、時々は若い時も

 いいかなって思うだけで。


 今度、もっとダンディになったあの人も

 試してみようかな、お嬢様と執事プレイとか―――


 ってもう、何言わせるのよっ♪」


「(……アルフリーダ様が不特定多数を好きに

 ならないのは、好きな男(ユニシス様)を自由に

 カスタマイズ出来てしまうからじゃ……


 年下でも年上でも何でも)」


「どうしたの、ナヴィ?」


「いえ、何でもありません。


 それではそろそろ本編スタートしますね」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │

│ ■アルプの家          │




バクシアで一騒動あったその翌朝。


自分の初めての眷属の家―――

そこで女神は思案に追われていた。


「う~ん……


 同性の眷属って初めてなんですよねえ。

 別に絶対どうしても嫌ってわけじゃないんですけど。


 でも、ここまで逆ハーレムルートを築いてきたのに、

 今さら方針転換というのも」


そこへバクシアにいる母の従僕から神託が繋げられる。


(何をお悩みになっているんですか?)


「あ、ナヴィ。

 そりゃやっぱり、新たな眷属候補のあの姉妹に

 ついて―――」


(……どうせここまで逆ハーレムルートを

 築いてきたのに、今さら方針転換出来ないとか、

 くだらない理由でしょう)


「悲しいほどに正解ですよ!

 どうしてそこまで正確に予想されなくちゃ

 いけないんですかー!!」


両手で頭を抱えながら、ツッコミに反論出来ず

叫ぶ女神。

そしてお目付け役から、アドバイスが伝えられる。




│ ■バクシア国・首都ブラン    │

│ ■ボガッド家屋敷 ナヴィの部屋 │




「だかりゃ、『アンカー』に聞いてみれば

 いいじゃないでしゅか。


 状況も変わったんでしゅし、あちらとも

 情報を共有するという意味もありましゅ」




│ ■アルプの家          │




「う~ん、確かにそうかもしれませんね。


 じゃあちょっと相談してみますか」


(アルフリーダ様にも、眷属の追加条件を

 満たしている事を確認してきましたから。


 今回は相談くらいにしてくださいね。

 あくまでも慎重に―――)


「はいはい、わかっていますって。

 まずは情報共有から入りましょう。


 んじゃちょっと地球あちらのイメージを固めて、

 アタシの部屋のPCを頭の中に繋げて……」



【 おー、バクシアはどうだった? 】


【 やっぱり、難しいとか言われたんじゃね? 】


【 でも今のところ、シモンか侯爵の二択だしなー 】



「(あ、いえ。それがですね……)」




―――女神説明中―――




【 はー、あの姉妹ヘンタイか 】


【 確かに、店長や貴族よりはフリーかな 】



「(し、しかしですね。

 今の逆ハーレム……もとい男の子しか眷属に

 してこなかった中で、女性を加えるというのは

 どうお考えでしょうか皆さま?)」


ささやかな抵抗を試みる女神に、オンラインで

返答が次々とうたれる。



【 でもまー、男しかいないってのも

 考え物だと思うぞ 】


【 今まではそういう特化型とっかがたがいたから

 何とかなってきたのであって 】



「(特化型?)」



【 今後も潜入とか考えるんだったら、

 女しか入れない場所とかもあるだろ 】


【 今までは男の娘作戦で良かったかも知れんけど、

 着替えやお風呂があったら一発アウトじゃん 】



「(むむぅ)」



【 あと、それとは別に―――

 姉妹に与えるメリットとか、考えているか? 】



「(?? メリット? 何で?)」


神の眷属になる―――

自分の認識では光栄で、喜んで受け入れられるもの

という前提で話していた彼女は、不意をつかれた

ような感じできょとんとする。


シモンが消極的だったのは、自分がアルプやファジーの

ように、動き回る事が難しいからであって―――

選ばれた事自体は光栄だと言っていた。


意味を図りかねていると、さらに書き込みが追加される。



【 アルプやファジーとは違うっちゅー意味よ 】


【 2人とも、自分や身内を助けてもらったっていう

 『恩』があるだろう? 】



「(う~ん……確かにそう言われるとあの姉妹さん、

 別にアタシが助けた事はないしなぁ)」



【 それに、メイはまだアルプ絡みで

 脈はあるけどさ 】


【 それだけに、アルプと一緒に行動する事は

 こだわると思うぜ? 】


【 ポーラだと、そもそも2人は

 攻略対象外っぽいしな 】



「(むむむ……となると、新たな恩恵や利益が

 必要になるという事ですか。

 でも、天界市役所の目もありますし)」



【 ……あー、そういやまだ決まってないんだな?

 メイとポーラ、どちらにするか 】



それまでとは雰囲気が異なる書き込みに、

フィオナは質問を返す。


「(そうですけど、何か案でも?)」



【 じゃあ、『あっち』の方なら、別に新しい

 『恩』とかはいらねーかも 】


【 ん? どっちだ? 】


【 あの姉妹のどちらかだよな? 】



「(フム。ちょっと聞かせて頂けませんか?)」



こうして、小一時間ほど『アンカー』たちとの

相談は続けられた―――




│ ■バクシア国・首都ブラン     │

│ ■高級青果店『パッション』応接室 │




その日の午後―――


正確には昼過ぎ、遅めの昼食休みとなり、忙しさも

一段落した頃、眷属候補となったポーラ・メイ姉妹が

姿を現した。


すぐに応接室に通され、アルプ・ファジー・ナヴィの

『神の関係者』と、店長代理であるシモンが同じ

テーブルに座る。


「で、どうだい?

 両親は何て言ってた?」


シモンが、顔なじみの姉妹に向かって問う。


「お父さまは、フィオナ様の『奇跡』を見ているから

 反対はしなかったけど……」


「消極的賛成というところでしょうか。

 父親としては、娘があちこち他国へ出かけまくると

 いうのは心配なのでしょう。


 お母さまは、私たちの意思を尊重すると―――


 まあ、アルプ君に熱を上げているのはメイですので、

 私たちと言われてもピンとこないのですが」


メイとポーラの報告が続き、その温度差を感じさせる。


「うーん……そうなりますと」


「それで、アルプ兄ちゃ……アルプさんのお力に

 なるために、メイさんが眷属になる、という事で

 お気持ちは固まっているのでしょうか」


先に眷属になった2人が、姉妹の意志を確認する。




「……さすがに私どものワガママや好みで、

 女神様の眷属になりたいと思うほど、愚かでは

 ありません」


「全ては女神様の御心のままに―――

 その決定に従いますわ」


それを見て、店長代理の少年は頭をポリポリと

かきながら、同席している神の使いに意見を聞く。


「まあ、真剣に考えてくれたみたいで安心したよ。


 ―――ナヴィ様、フィオナ様はなんて仰って

 いるんだ?」


「ここに来る前、神託を繋いで聞いてみましゅたが、

 まだ迷っているようでしゅたので―――


 ちょっと呼び出してみましゅか。

 フィオナ様、聞こえましゅか?


 結論は出ましゅたか?

 返答はイエスかゴーでお願いしましゅ」


メッセージを受け取った女神は、慌てて神託を繋ぐ。


(どこへゴーしろってんですか!

 相変わらずスパルタなんですよ!)


「で、どうでしゅたか?

 どちらを眷属に?」


(ええ、決まりましたよ。


 眷属をお願いしたいのは―――)


フィオナからの神託に、全員が固唾を呑んで見守る。


(……ポーラ。貴女にお願いしたいと思います。

 ―――どうでしょうか?)


「…………


 え? は?」


指名を受けた少女は、理解と同時に戸惑った

声を上げた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在2672名―――




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