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12・この店の正式な制服

作者・アンミンのクリスマスイベント

『インフルエンザワクチン接種』



「めりーくりすます? フィオナです。

 さて、皆様。

 くりすますという行事、異性と2人きりになり

 イチャ☆ラヴするイベントと聞き及びましたが

 いかがお過ごしでしょうか。


 とゆーわけで!

 もしそんなイベントがあったら、あなたは

 どんな異性と過ごし過ごしたいと思うか、

 身近な人からインタビューしていきたいと

 思いますっ」




│ フラール国:果樹園経営・Aさん(目線隠し) │


「僕ですか?

 2人きりなら、家族……お母さんと一緒に

 過ごすと思います」




│ フラール国:商人・お嬢様Mさん(目線隠し) │


「そ、そうですね……

 気になるコはいるんですけど、今ちょっと他国に

 行っている最中ですので……あはは」




│ フラール国:貴族・Bさん(目線隠し) │


「私ですか?

 うーん……特に今、恋人と言える存在は

 いませんので」




│ バクシア国:商人・Sさん(目線隠し) │


「あー、俺?

 付きまとわれているのはいるけど、ちょっとなあ」




│ バクシア国:お嬢様     │

│ P、M姉妹さん(目線隠し) │


「S君! それって脈アリと見ていんですよね!?」


「お姉さま、任せて!

 衣装合わせはバッチリよ!!」




│ バクシア国:代官・Rさん(目線隠し) │


「借金が無くなったせいか、お見合いの話が

 結構来てるけど―――

 仕事が忙しくて、なかなか出会いの機会は無いなあ」




│ ルコルア国:果樹園手伝い  │

│ M、F姉弟さん(目線隠し) │


「僕はやっぱり……姉と一緒に」


「アタイも弟と過ごすよ。2人きりなら特に」




│ 日本国(地球):従僕・お目付け役兼サポート │

│ Nさん(目線隠し)             │


「身近な異性と2人きり?

 しょんな恐ろしいイベントいらない」


「さ、さあ!

 それでは本編行ってみましょう!」




│ ■ルコルア国・ファジーの家  │




「―――つまり、アタイとファジー、ソルトは

 ラムキュールに顔が知られている。

 フィオナ様もそうだ。


 だけど、アルプさんはアタイらが調査の時に

 もらった資料でも、人相書きは無かったし

 ラムキュールも直接見た事は無いと思う」


「となると、僕はまず大丈夫という事ですね」


ミモザの言葉に、アルプは同意する答えを返す。


「で、でもお手伝いさんでしょう?

 それって女性のお仕事っていうかそりゃーアルプなら

 何着ても似合うと思いますけどそのやっぱりでも」


「?? 要は下働き、雑用係って事だよ?」


「フツーに男女とも募集してたし、男手が必要な

 時だってあると思うぜ」


「あー……そ、そうですか」


ミモザとソルトに説明され、自分の勘違いを

知ってフィオナは赤面する。


「まあ、心配なのはわかるけどな。

 出来ればもう1人くらい欲しいところだけど……」


「ナヴィ様も面識はないと思いますが、

 今はバクシアですしね」


姉弟は同じタイミングで「「んー」」と考え悩む。


「変装するってのはどうだ?

 どうせ雑用だし、ラムキュールと会う機会も

 そうそうないだろ?」


ソルトが提案するが、ミモザはその悩みの表情を

崩さない。




「そりゃただの雑用なら問題ないかも知れないけどさ、

 その雑用係として潜入して、情報を得ようってんだ。


 不自然でもラムキュールに近付かなければ、

 ろくな情報は入手出来ないぜ?」


「あ、あのっ。

 僕一人でも大丈夫です!

 きっと、何か重要な情報を手に入れてみせます!」


重い空気を振り払うように、元気よくアルプが

発言する。


「でも確かに、バックアップは必要だと

 思います。


 探るのはアルプで、もう1人は目立つ行動を

 しないで支援に徹する―――

 という事でどうでしょうか?」


「―――そうだな。

 フィオナ様、その案頂くよ。


 さて、それを誰にするべきか決めよう。


 フィオナ様は神託で眷属とどこでもつながる事が

 出来るから、わざわざ付いていく必要は無い。


 となると……

 アタイかファジーかソルトか、って事になるな」


「(んー、こういう時に『アンカー』を使えれば

 いいんですけど……

 今はナヴィいないし、神託で呼び出すのも……


 ちょっと頑張って地球あちらとつなげてみようかな?


 確かイメージして……書き込みはボイスで……


 がんばれがんばれできるできる絶対できるがんばれ

 もっとやれるって!!

 やれる気持ちの問題だがんばれがんばれ!

 諦めんな絶対にがんばれ積極的にポジティブに

 がんばれがんばれ!)」


呪文のように集中すると地球とのイメージが開かれ、

そして自室マンションのPCの前の映像が頭の中に

流れ込んできた。




【 お? 今度は何だ? 】


【 潜入させるスパイを誰にするかって? 】



「(あ、どうやら上手くいったみたいですね。


 じゃあ「『アンカー』は今のスレで……700!


 聞きたい事は―――

 『アルプの他に、誰を潜入させるか』


 条件は―――

 ・ミモザ、ファジー、ソルトの誰か一人。

 ・出来ればその理由も。


 ―――さあ、アタシを導き給え……!!)」




>>700


【    ファジー    】


「(フム。して理由は―――)」


【    理由:女装    】


「(…………理由?)」


【 以前、あの2人組が間違えたくらいだし 】


【 ミモザの弟=男とバレないくらいだから大丈夫w 】


「(…………)」




│ ■バクシア国・首都ブラン  │

│ ■高級青果店『パッション』 │




同時刻、バクシアのシモンの店で―――

神の使いを見て彼は困惑していた。


「な、なあ、ナヴィ様。

 その恰好はいったい?」


その声に呼応するかのように、ポーラ・メイ姉妹が

姿を現す。


「とってもお似合いですわ、ナヴィ様♪」


「素材がいいと、衣装もここまで引き立つ物

 なのですね……♪」


「そうでしゅか?

 私は人間の着る物については、

 あまりわかりゃないというか、

 こだわりはありましぇんが」


ナヴィは頭にホワイトブリムを被り―――

黒をベースとした半そでにスカート丈は短く、

純白のエプロンを前面に一体化させたドレスを

身に着けていた。


それを見たシモンは、その異様さをナヴィに

伝える。


「あの、それをすぐに着替えてくれ。

 そっちは女物というかこの店で着る

 衣装ですらない」


「「えー!?」」


シモンの提案に、思わず姉妹は抗議の声を上げた。


「あれ? そちらのポーラしゃん、メイしゃんが

 『この店の正式な制服です』と言って持ってきて

 くれたのでしゅが」


「……っ、てめえらあああああ!!」


「「きゃー♪!!」」


光の速さで逃げる姉妹を、逆上したシモンが

追いかけ―――

後には、ナヴィが一人残された。


「しょういえば、この服―――

 あの時ファジー君が着ていたのと

 そっくりでしゅね」


自分が着ている物を見ながら、ナヴィは

フラール国での出来事を思い出していた。




│ ■ルコルア国・ファジーの家  │




「う、うぅ~……

 またこれを着る事になるなんて……」


黒を基調としたロリータコーデ、丸襟ブラウスに

ジャンパースカート―――


かつてアルプの家で着た衣装に身を包み、顔を

真っ赤にしながらファジーはうなっていた。


「い、いやまあ……ウン。

 脱がされでもしない限り、バレないと思うよ?」


「ファジーっていうか……

 男だって絶対わかんねぇよ、コレ」


ミモザとソルトは、改めてファジーのロリータ服姿に

太鼓判を押す。


「ご、ごめんなさい。

 またファジーには嫌な思いをさせて

 しまってじゅるり」


「い、いえそんな!

 ご命令ですからっ!


 あと、何でヨダレを?

 もうお腹空きました?」


「へ? あ、アタシは大丈夫です。


 あと、貴方も不安がまだあるでしょうが―――

 アルプも一緒に行きますし、こまめに神託を

 下すようにしますから、心配しないで」


服のすそでヨダレを拭きつつ、フィオナは

2番目の眷属を気遣う。




「フィオナ様の仰る事に従っていれば大丈夫です。


 ファジー君は眷属としての初仕事になるけど、

 一緒に頑張ろう! ね?」


「は、はいっ!

 アルプ兄ちゃ―――アルプさんっ」


「僕は昔の旧姓、クリスプで―――

 名前はアルフ、としましょう。

 ファジー君は僕の妹で、という事にして」


「じゃあ女の子っぽい名前にしておいた方が

 いいね。

 ファラ、何てどうだい?」


「じゃあ、アルフとファラ、兄妹という事で―――

 ラムキュールさんのお屋敷で情報収集を

 お願いしますね」



こうして、アルプとファジーは兄妹として、

ラムキュールの屋敷の求人に応募する事にした。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在2101名―――




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