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45・これが終わったら『ご褒美』が待っています

( ・ω・)そして次回7周年!!


日本・とある都心のマンションの一室―――


グリーンの瞳と短髪を持つ少年・アルプと、

その妻である、黒髪セミロングのやや目付きの

悪い少女、フィオナ。


そしてもう一人の妻で……

銀のロングウェーブの髪の少女、メイが、

お昼に何を食べに行くかで話していた。


「まだまだ暑いですし、ここはさっぱり系に

 しますか?」


「う~ん。

 逆にここはガッツリ系という選択も」


「中華ならいろいろありますので、ハズレは

 無いんですけど」


涼しいエアコンの効いた部屋で、三人は体を

密着させながら、

(というよりフィオナとメイが両側からアルプに

抱き着いている感じ)

メニューについてあれこれと意見を出し、


「中華ですか。


 そういえばこの前、近所に新しいラーメン店が

 オープンしたそうですけど」


第一眷属の少年が、ふと思い出した事を語り、


「あー、それアタシも知ってます」


「そこ、どんな感じですか?」


メイの質問にフィオナは両腕を組んで、


「んん~……

 いえ、アタシもオープンしているのを

 見かけただけなんですよね。


 ここ意外と激戦区らしく、いろいろなお店が

 出たり撤退したりで―――

 そんなに気にしていなかったというか」


「行列が出来ているとか、そういうのは?」


今度はアルプが質問すると、


「それも情報が……


 あ! じゃあこうしませんか?

 一応行ってみて―――

 すごい行列が出来ていたら入るのを止めて、

 そこそこだったら食べて来る、というのは」


「ほう。

 それはランダム性があっていいですね。

 行くまでわからない入店ガチャ。


 じゃあ暑さ対策ガッチリやって行くと

 しましょうか!」


そして三人はマンションを出て、目的の

ラーメン屋へと向かう事になった。




―――1時間後―――




「う~む……

 多少の行列なら並ぶ予定だったのですが、

 まさかガラガラとは」


「嫌な予感しかしませんでしたけど、

 嫌な予感通りでしたねえ」


フィオナとメイは、店を出てからそれぞれ

感想を述べる。


「そっ、そうですか?

 味はその~、ふ、普通かと?」


それを聞いたアルプがフォローに回り、


「まあ、アタシはちょっとこちらの世界に

 慣れ過ぎて、舌が肥えてしまったという

 のはありますけど―――」


「で、でも話のネタになったと思えば、ね?」


フィオナとメイも夫の言葉を聞いて

軌道修正する。


「あー……

 じゃあお二人が最後まで食べ切ったのは、

 ガマンしていたんですか。


 表情も微笑みながらでしたし、やっぱり

 大人なんですね」


感心しながら夫は妻の態度を賞賛する。


実際は三人が店内に入った時、店主から、

「おっ、美人三姉妹のお客さんとは」

と話しかけられ、それ以来顔が緩みっぱなしに

なっていただけなのだが―――


そしてフィオナは天界に意識を繋げると、


「(という事があったんですよ、ママ。

 それで、あの店をちょっと美味しい方向に

 『成長』させてあげられません?)」


『ふむ。娘夫婦一家を評価するとは、なかなか

 見る目がある店主ですねえ。


 わかったわ。

 ちょっと『成長』させておくわね♪』


フィオナは天界とのやり取りを終えると、


「それじゃそろそろ、本編スタート

 しますね」


と、いつものお約束のセリフを語った。


ちなみにその後、フィオナたちが入った

ラーメン屋は、数十年に渡って繁盛する事に

なるのだが……

それはまた別のお話。




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




『では、これより―――

 本尊である『黄金の果実』、これを

 女神・フィオナ様自らの手で、

 本殿に納める儀式を行います!!』


吉日を選んで、『黄金の果実』を納める

神殿が出来上がった日……


地上十メートルほどの高さに建てられた、

数階建ての建築物、そこの最上階にさらに

別の建物から続く中空の廊下を、


フィオナを中心に、その両側にアルプと

メイが仕立てられた衣装を着ながら、

しずしずと歩いていた。


この儀式には、連合各国から王族や有力な

貴族も参加しており、


併合して一国となったフラールバクシア本国

からは、フラール王家のフラウア王と、

その伴侶―――

バクシア王家のリーディル様が出席。


序列上位国からは……

グレイン国王妃・グレイシア、

シフド国王女・スカーレッド、

ミイト国正妃・シャロレーが参席し、


他そうそうたる顔ぶれが集結していた。


そして本殿の真下では、頬にクロスの傷のある

青年侯爵、バーレンシアがふらふらになりながら

貴賓席(きひんせき)に座っており、


それをいかにもな女性騎士といった体の、

金髪ロングのシッカ伯爵令嬢が支えていて、


さらにそれを銀髪の青年伯爵と、その妻である

真っ赤な長髪を持つ女性がフォローしながら、


儀式の行方を見守っていた。


そして一般の平民席では、ボガッド家の

老夫婦と、息子と同じグリーンの長髪を持つ

女性クレアが、孫と息子の晴れ舞台を

下から眺めていて、


今やバクシア一の青果店となった『パッション』

の店主夫婦、


その他大勢が儀式を行っている三人の

一挙手一投足いっきょしゅいちとうそくに見入り、


そして当の本人たちはというと、


「(だ、大丈夫ですかフィオナ様。

 震えておられますけど)」


アルプが妻を心配して小声で話しかけ、


「(これが終わったら『ご褒美』が待って

 います!

 もう少しの辛抱ですよフィオナ様!!)」


メイが同じ夫を持つ身として女神を励ます。


「(そ、そうじゃあ~……!

 これが終われば、各国上層部との高度な

 政治談議―――


 『世界BL普及委員会』の発足と会合が

 あるんじゃあぁああ!!

 それまでは死ねん……!!)」


そして無事『黄金の果実』を本殿に納めると、

観客たちから歓声が上がった。




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在12,089名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】【完結】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

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【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

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