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09・信頼度とか好感度とか



日本・とある都心のマンションの一室―――


そこで女神・フィオナは何かを書き上げ、

それにお目付け役が興味を示す。


「?? 何を書かれているので?

 フィオナ様」


「ン、ちょっと状況を整理しようと思って。

 関わる人たちも増えてきたし―――」


「そうですね。

 眷属も増え、信仰地域も増え、協力者や

 関係者も思いのほか増加しました。


 『枠外の者』とやらとも対抗する事になりましたし、

 悪くない考えかと思います」


珍しく肯定的に女神の言う事を聞き入れるお目付け役。

そして書いてある紙に目を通す。


―――――――――――――――――――――――

・フラール国サイド


│■アルプ・ボガッド(旧姓クリスプ):MAX│


│■ソニア・ボガッド(旧姓クリスプ):☆☆☆│


―――――――――――――――――――――――


「……?

 この星とかMAXとかいうのは何ですか?」


「信頼度とか好感度とかでいえば、

 このくらいでしょ?

 あ、☆3つを超えるとMAX、恋人・弟夫オトウット候補ね!」


「貴女の主観かよ。

 まあアルプ君については間違っていない

 でしょうけど―――」


あきれながらも、ナヴィは先を読み進める。


―――――――――――――――――――――――

・フラール国サイド


│■バートレット・ビューワー:☆☆☆    │


│■マルゴット・グラノーラ:☆☆☆     │


―――――――――――――――――――――――


「ふむ、これもまあ信頼度としては間違って

 いないでしょうね。


 今やこの2人も、なくてはならない協力者です」


―――――――――――――――――――――――

・バクシア国サイド


│■レンジ・バーレンシア:??       │


│■シモン・ストラジェン:☆☆       │


│■メイ・ネクタリン:☆☆         │


│■ポーラ・ネクタリン:☆☆        │


│■シオニム・ネクタリン:☆☆       │


―――――――――――――――――――――――


「おや? バーレンシア侯爵のところが……

 それにシモン君も意外と低いような」


「アタシと直接会った事が無いので、評価が

 し辛いってゆーか……」


「まあバーレンシア侯爵に関しては、少なくとも

 敵ではないでしょう。

 中立に近い味方というところでしょうか。

 では次は―――」


―――――――――――――――――――――――

・バクシア国サイド


│■ザック・ボガッド:死亡         │


│■ローン・ボガッド:☆☆☆        │


│■クレア・ボガッド:☆☆☆        │


―――――――――――――――――――――――


「あの2人は特に、義理の孫娘となったアルプ君、

 ソニアさんを溺愛してますし―――

 何よりボガッド家は『枠外の者』に対抗してくれる

 強力な後ろ盾です」


―――――――――――――――――――――――

・ルコルア国サイド


│■ファジー・ベリーニ:☆☆☆       │


│■ミモザ・ベリーニ:☆☆☆        │


│■ジン・ラムキュール:―         │


―――――――――――――――――――――――


「ま、ラムキュールは『枠外の者』ですし―――

 信頼も何もないでしょう。


 ファジー君は新たな眷属になりましたし、

 ミモザさんも降臨を見ているわけですから、

 信頼度が高いのはうなずけます。


 最後はあの2人ですか」


―――――――――――――――――――――――

・ルコルア国サイド


│■トニック・アイス:巨乳派(敵・異教徒) │


│■ソルト・ロック:☆☆☆         │


―――――――――――――――――――――――


「……何でしょうか、非常に不必要な情報が

 入っているような気がするのですが」


「え? シンプルかつ必要な情報しか書いて

 ありませんけど?」


「まあいいです。

 ですがこの表の情報は決して向こうでは

 明かさないようにお願いします。


 それでは、そろそろ本編に入りましょう」




│ ■バクシア国・首都ブラン  │

│ ■ボガッド家屋敷      │




「え……!?」


「ナヴィ様、どうしてこちらへ」


ボガッド家に滞在していたマルゴットとビューワーは、

意外な来客に驚きを隠せないでいた。


「フィオナ様の命で、バクシアとの情報共有のために

 来たでしゅよ」


「あの、アルプは?」


「アルプさんはルコルアへ行ったぜ。

 あちらも今頃、合流していると思う」


同行していたトニックが、マルゴットの問いに応える。


「この方は、もしや―――

 いえ、ひとまず状況をお聞かせ願えますかな」


館の主であるローン・ボガッドが、情報を整理するため

彼らに話をうながした。


―――ナヴィ・トニック説明中―――


「……なるほど。そのような方針になったのですか」


「確かに、今の問題の中心はルコルアです。

 それなら眷属であるアルプが、フラールにいる

 必要はないかも知れません」


「でも大丈夫なの?

 アルプちゃんの果樹園は―――」


不安そうにたずねる義理の祖母・クレアに、

ナヴィは心配を払拭ふっしょくするように話す。


「ソニアしゃんが、今は繁忙期はんぼうきでもないし

 1ヶ月くらいなら大丈夫と。


 アルプ君の状況は私が神託で受け取り―――

 もし何かあればすぐにトニックしゃんを派遣して

 伝えるようにするでしゅ」


「私も領地をあまり離れるわけにはいかないので、

 戻った時に気を配るようにしましょう」


「ウチの屋敷からも、人手が足りなければ何人か

 果樹園によこすよう、手配しておくわね」


バートレットとマルゴットが、それぞれ対応を

足していく。

それを聞いて、クレアも安心したようにホッと

胸をなでおろした。


「(さてと、向こうは―――

 どうなっているでしょうか)」




│ ■ルコルア国・ファジーの家  │




「フィオナ様っ、ただ今参りましたっ!」


同じ頃―――

ちょうどアルプはソルトの案内のもと、

ファジーの実家に到着していた。


「お疲れ様、アルプ。

 せっかく母子おやこ水入らずでいるところを

 無理言ってごめんなさい」


「そんな、フィオナ様のご命令とあらば―――


 それに、母が戻ってきたのもフィオナ様の

 おかげなのです。

 何でもおっしゃってください!」


「悪いねえ、今は雇い主なのに―――

 ウチの国の事にアルプさんまで巻き込んで

 しまって」


申し訳なさそうに話すミモザに、アルプは

流すように返す。


「今やファジー君もフィオナ様の眷属です。

 いわば同じ立場のようなもの―――


 共にフィオナ様のお役に立てるよう

 頑張りましょう。ね、ファジー君」


「は、はいっ!


 それで、あの……ソルトさんが持ってきた

 この荷物はいったい?」


「あー、これか?」


ソルトの横にある荷物に、ファジーが興味を

示して質問する。




「これは、母が持たせてくれた当面の

 着替えと―――

 あと、またポーラ・メイさん姉妹が

 送ってきてくれた衣装があるので、

 こちらはミモザさんへ」


「そんな、悪いよ。

 ……って、まさかまた間違えて?」


「えー……」


過去の嫌な記憶を思い出したのか、ファジーは

露骨に表情を変えた。


「まあまあ、あの時は仕方なくですし―――

 着る機会なんてそうそうないでしょう。


 それより、到着した事をバクシアのナヴィに

 報告いたしますので」


「はいっ!」


「は、はいっ!」


アルプの返事につられて、ファジーもまた

元気よく返事をした。




│ ■バクシア国・ボガッド家屋敷    │




「―――あ、フィオナ様。

 アルプ君が到着したんでしゅね?」


ルコルアのフィオナと神託カイセンがつながった事で、

他の5人も耳を傾ける。


「ありぇから、さらに得られた情報があるとの

 事でしゅので―――

 共有しゅるのでよく聞いてくだしゃい」


そして、ルコルア・バクシア間での神託カイセンを通じての

初めての会議が開かれた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在2048名―――




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