41・こいつぁチトお邪魔虫でしたねぇ
( ・ω・)400話が見えて来たか……
(ただ長いだけ)
日本・とある都心のマンションの一室―――
両親の馴れ初めを一通り聞いた女神・フィオナと
その夫、アルプ……
そしてもう一人の妻であるメイは、地球・日本の
自宅マンションへと戻って来ていた。
「あー、やっぱり我が家が一番落ち着きますね」
まず黒髪セミロングの女神がソファに寝ころび、
「それにしても―――
お義父様の生まれた世界って、ものすごい
ハードモードだったんですね」
次いで、銀のロングウェーブの髪の少女が、
手荷物を片付けながら語り、
「しかも、危機一髪の時に助けてくださった、
いわば命の恩人ですからね。
そんな女神様が自分を好いてくださるの
ですから……
結ばれるのは自然な流れだったのでしょう」
共通の夫であるグリーンの瞳と髪を持つ少年が、
最後に〆るように話す。
そして彼は続けて、
「しかも、僕の場合はお母さんまで助けて
頂きましたからね。
本当にフィオナ様には、感謝しても
し切れませんよ」
「みっ、未来の夫のためでもありましたからね!
それくらいは当然です!」
女神はその小さな胸を張ってドヤ顔になるが、
「あれ? でも―――
アルフリーダ様って直接、その世界に
向かわれたわけですよね?
そして『マガツモノ』とやらと直々に
戦っておられたわけで……
でもフィオナ様、当初は神託をするだけで
お姿は見せていなかったと聞いていますけど」
ふと、メイが疑問に思った事をそのまま
口にすると、
「おぶえっ!?
え? ええ、まあそれはその―――
い、いろいろと制限があったり無かったりで」
その理由として……
初期は放置プレイして信者の数を激減させて
しまい、降臨が出来なくなったという―――
身もフタも無い事情があったのだが、
「それは仕方の無い事かと。
奴隷にされかけていた、というだけで……
別にユニシス様のように、魔物に殺されかけて
いたとか、そういうのじゃないですし」
「そそ、そうなんですよ~。
人間同士の争いだと、特に介入出来ないって
ゆーか?
神様って意外とやれる事少ないんですヨネー」
滝のように汗を流すフィオナを、メイは
ジト目で見つめる。
「それに、現に的確な指示を下さるだけで、
事態を解決したのですから、それでも
すごい事だと思いますよ?」
アルプが人間の方の妻をたしなめるように、
女神の方の妻を擁護すると、
「ですよね!?
ホントーにそうですよね!!
しかも念のために作ったあの黄金の果実?
あれも使う事なく、何とかしたんですから!」
夫の援護にフィオナはガッツポーズを取る。
「あ、そういえば今あれどうなっているん
でしょうか。
多分、マルゴットさんが保管してくれていると
思うんですけど」
共通の夫の言う事に、妻たちは顔を見合わせ、
「そうですねえ。
別に今まで通り保管してもらっても
構わないんですけど」
「引き続き、正式に保管をお願いするにしろ、
一度様子を見に行った方がいいんじゃないで
しょうか?」
フィオナ、メイはそう意見を出し、
「じゃあいったん、フラールに―――
あ、今は『フラールバクシア』ですか。
僕の……
お母さんのいる家に戻ってみましょう」
「それじゃ、本編スタートしますね」
最後にお約束のセリフを女神が言って、
夫ともう一人の妻は首を傾げた。
│ ■フラール国・アルプの果樹園 │
「ご無沙汰してまーす。
いえ、現実世界では1日しか経過して
いないって知っているんですけどねー。
いやもう、馴れ初めだけで3ヶ月も
使いやがってあの作者。
そもそも11章で終わる予定だったのに
ダラダラダラダラと」
「そういう事は茶番の方で言いましょう、
フィオナ様」
二人の義理に娘の会話に、彼女たちの夫の
母である、グリーンの長髪の女性・ソニアは
首を傾げ―――
「えっと、僕がいない間に変わった事とか
ありました?」
アルプが母親にそう聞くと、
「別に、これといって無いかしら。
果樹園の経営も順調だし、従業員や
お手伝いさんも増えているから……
私1人でもやっていけそう。
それにアルプ、あなたは新婚なんだから、
私よりも奥さんたちを大事にしなければ
ダメよ」
ソニアにたしなめられ、彼は真っ赤になって
うつむく。
そんなアルプを前に、フィオナとメイは
義母に賞賛と感謝の視線を送り、
「あ、えーとですね。
それで聞きたい事がありまして」
「マルゴットさんに預けた、黄金の果実が
あったでしょう?
それを一応、正式に保管してもらえるよう
お願いしようかと」
その言葉にソニアはふむふむ、とうなずき、
「今、マルゴット様は―――
夫であるビューワー様の伯爵邸に
浸りっきりですからね。
誰かに言伝をお願いしましょう」
「あ、じゃあ僕が」
と、アルプが立とうとするのを、彼女は
腕をつかんで止める。
「待ちなさい。
あなたはこの果樹園の跡取りなのよ?
アルプもそろそろ、人を使う事を
覚えないと。
誰かに指示して行かせるように」
「は、はい」
ソニアの表情は厳しい母親のものに変わり、
少年は大人しく従い、部屋を出て行った。
「ごめんなさいね。
まだまだ子供で……
あなたたちも気を遣わないで、もっと
新婚時代を堪能していいんですよ?」
「い、いえ。
今回はきちんとした用事あっての事ですし」
「それにわたくしたちも普段、ちゃんと
可愛がってもらってますから」
義母が頭を下げると、二人も慌てて
釈明のように語る。
「まあそれに―――
私も今、新婚時代に戻ったような
ものですし」
「へ?」
「それはどういう」
彼女の言う事に、義理の娘二名は興味津々で
顔を近付ける。
「……だって、こっちの世界で元旦那が、
生まれ変わって少年の姿でいるのよ。
それで時々、お手伝いとして来てもらって
いるのよ。
勝手知ったる我が家だから、仕事もすごく
楽になったし―――
それにやっぱり元夫婦だったから……♪」
(12章01話
そういう話はどこか別の場所で参照)
「おおぅ、なるほど。
そいつぁ失礼しやした」
「こいつぁチトお邪魔虫でしたねぇ♪
ぐへへへへへ」
そしてしばらく、女同士の『そういう話』に
花が咲き―――
それはアルプが戻って来るまで続けられた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在10,001名―――
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