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39・お願いだからこれ以上ややこしくならないで

( ・ω・)そろそろ普通やシリアスな流れに……

耐えられなかったんや……


天界・フィオナの神殿(じっか)―――


女神・アルフリーダの過去の話を聞いていた、

黒髪セミロングの娘は……

その目付きの悪い表情からジト目になって、


「これまでの話の中で、一番の爆弾が

 出て来た気がするんですけどねえ」


「でも大丈夫だったんですか? それ。


 あ、今は結婚されていますから、

 大丈夫だったという事はわかりますけど、

 それでもそんな人と三角関係というか

 修羅場になりながら、行動するのは」


シルバーのロングウェーブを持つ、

フィオナと同じ夫を持つ少女が心配そうに

問い質すと、


「まあ、あの世界ではいろいろあったし、

 神界まで追いかけて来たけど―――

 今は身を固めて落ち着いているから」


「そうなんですか?」


抜群のプロポーションの女神の言葉に、

グリーンの短髪と瞳を持つ少年が聞き返す。


「今は結婚して名前も変わっているからなあ。


 ほら、フィオナ。

 ここから30分ほど離れたところに

 住んでいる、ラグシャサ夫妻がいるだろう。


 あそこの奥さんだよ」


「あー!

 ラグおばさんだったの!?


 子供の頃、すごく可愛がってもらって

 いたし、今でも時々お菓子くれるけど、

 あの人だったんだー!」


それを聞いていたアルプとメイは微妙な

表情になって、


「い、意外と何ていうか身近に……」


「そして一気に神様から庶民(しょみん)くさく

 なったような」


2人の義理の息子と娘の言葉に、


「まあ、現実ってのはそんなものなのよ。

 思ったよりショボイっていうか。


 で、この後の続きなんだけど」


そしてアルフリーダの過去話は再開された。




―――アルフリーダ回想再開―――




「だーかーらー、言っているじゃないの。

 平日は半分ずつ、休日は共同で!」


「ユニシスの体が持ちません!!


 じゃなくて、そんなの認められません!!」


模擬戦はなし崩しに終わったものの、

私たちの女の戦いは続いていた。


「あの、お二人とも―――」


そこへ身分の高そうな老人が近付いて来て、


「「何っ!?」」


ほとんど同時に、私とエルドラ将軍は

振り返る。


すると、その老人が指差す先には……

メイドや女性陣に集られる、幼い姿の

ユニシスがいて、


「ちょっ、いったん休戦!!」


合点承知(がってんしょうち)!!」


そして私たちは息ピッタリに、彼を

女どもの手から救い出した。




「落ち着かれたか、女神よ」


この国の国王陛下の前で、改めて私は

エルドラ将軍と頭を下げる。


そしてユニシスはこれ以上の混乱を

避けるため、いったん隔離されていた。


「す、すいません。

 私とした事が―――」


「この人を逃したら婚期が終わると本能が」


私たちの言葉に、陛下はほとんど無に近い

表情となり、


「……そういう話は、この世界を救ってから

 いくらでもして頂きたいのだが……」


「しごくごもっともなお話です」


「返す言葉もございません」


国王の言葉に、土下座せんばかりにさらに

私たちは頭を下げる。


「だが、そちらの少年―――

 ユニシス殿の力は、もはや疑うべくもない。


 彼の力をもってすれば、『マガツモノ』は

 倒せるのだな?


 そなたを見つけた領主の話では、何でも

 核となる存在があり、それを断てばよいと」


その言葉に私は顔を上げて、


「そこまでたどり着く事が困難だと思います。


 ユニシスは恐らくこの世界では最強の

 戦力です。

 ですがそれは、あくまでも彼1人の力に

 過ぎません。


 『マガツモノ』も、自分たちの弱点が

 核だという事はわかっているはず。

 そのため、そこに彼を連れて行くために、

 この世界の戦力の協力が必要なのです」


「なるほど……


 要は、その核となる存在は倒せる。

 だがそこにたどり着くまで、『マガツモノ』も

 膨大な戦力で待ち構えているでしょう。


 軍の相手は軍でするのが妥当。

 どうか陛下、許可をお願いしたく」


おお、エルドラが私の後押しをしてくれている!


……って当然か。

軍が動けば、彼女もユニシスに同行出来るん

だから。


「さすがに全軍は出せんぞ。

 どのくらい必要なのだ?


 『マガツモノ』の脅威は今や各地に

 存在する。

 防衛のための戦力も残さねばならぬ」


そこで私は立ち上がって、


「すでにユニシスの故郷を始め―――

 この世界では、およそ三割以上が

 『マガツモノ』の手に落ちています。


 ハッキリ申し上げれば、全軍でも

 足りません」


私の言葉に、その場にいた全員の顔色が

変わる。


「で、ではどうするつもりなのだ?

 この国の全軍でも足りないとなると」


さすがにエルドラが焦った表情をするが、


「落ち着いてください。


 何も『マガツモノ』全軍と戦うわけでは

 ありません。


 核となる『マガツモノ』を見つけ出し、

 そこにユニシスを連れて行く事さえ出来れば、

 勝利なのです」


そこで女将軍である彼女に視線を移すと、


「! そうか……!


 つまりそこまで彼を送り届ける事の出来る

 精鋭で、部隊を組めば」


「そういう事です。


 ですので、各国に至急連絡をお願いします。

 最強の精鋭を送られるよう―――」


ようやく希望が見えて来た、と思った

その時、


「あの、女神様。

 この子たち、どうすれば」


そこには、ユニシスと同じかそれより下の、

令嬢かお姫様と思える少女たちが彼に

まとわりついていて、


「ああ!

 ワシの孫娘が!!」


そう国王陛下が叫び、


「お願いだから、これ以上ややこしく

 ならないでくれええええ!!」


重臣の誰かが大声で続いた。




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在8947名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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