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38・『理想の男』ですかー?

( ・ω・)1日の話なのに信者数が

増え続けている?

ああ、それは異世界との時間が流れが

違くて信者はあくまでも向こうの(爆)


天界・フィオナの神殿(じっか)―――


黒髪セミロングの女神はやや呆れた口調で、


「……何じゃそりゃ」


「どういう事ですか?」


シルバーのロングウェーブの髪の、

女神と同じ夫を持つ少女も続く。


「何かねー、もー。

 好みのタイプにドンピシャだった

 らしいのよ。


 そりゃもう戦いどころじゃなくてね」


母である女神も、微妙そうな表情で語り、


「正直、どうしていいかアレはわからな

 かったよ。


 人間、想定外の状況に出くわすと、

 動けなくなるって本当なんだなあ、って」


その夫である軍神も、苦笑しながら話す。


「でも、アルフリーダ様の前でそんな

 事をして……


 大丈夫だったんですか?」


グリーンの短髪と瞳を持つ少年が、

2人の妻の間から疑問の声を上げると、


「その後、『マガツモノ』との戦いで、

 エルドラ? 将軍とやらと同行する事に

 なるんだけど―――


 まあいろいろあったわ」


遠い目をしながら、アルフリーダは

再び過去の思い出を語り始めた。




―――アルフリーダ回想再開―――




「こっこのっ!

 離れなさい!!


 ユニシスは私の物なんだから!!」


「いーやーでーすー!!

 頭のてっぺんからつま先まで!

 こんな理想の男は初めて!!


 これ逃したら絶対次はない!!

 ないったらない!!

 神様相手だろうと引き下がれませーん!!」


模擬戦がスタートしたと思ったら、

一人の男を私ともう一人の女性が獲り合うという

光景に、


王を始め、周囲にいる人間は全員固まっていた。


三人の中、ユニシスだけはそんな状況を

理解していたようだけど、固まって動かず、


「あなたに何がわかるって言うのよ!

 私がこの世界に来てから、初めて眷属にした

 子なのよ!!」


抜群のプロポーションと美貌(びぼう)を持つ私が

抗議すると、


「この世界に来てからっていつですかー!?

 女神様の噂は伝わって来ていましたけど、

 せいぜい1ヶ月か2ヶ月くらいですよねー!?


 それで付き合った時間に差があるなんて、

 言っていいんですかー!?」


紅い長髪に頬に傷を持つ女将軍も、負けじと

女神(わたし)に反論する。


「ふーんそー。

 確かに私とユニシスは、まだ会ってから

 そんなに日は経ってないわ。


 でもあなたには誤算があるわね」


「どういう事?」


私の言葉にエルドラ将軍は聞き返す。


「今のユニシスの姿を見て……

 『理想の男』と言った事よ。


 確かにここにいるユニシスは彼自身に

 違いない―――

 でもこの姿は、本来ならもっと先の

 成長した姿なのよ!


 これを見て、それでも『理想の男』と

 言えるかなぁ!?

 私は言えるわ!!」


そして私は神の力……

『時と成長を司り、見守る女神』として、

彼を元の姿へと戻すと、


そこには褐色肌に黒髪の少年が出現して、


「な……っ」


さすがにエルドラも面喰(めんくら)ったのか、

驚きの表情を見せ、


「さあどうですかエルドラ将軍ー?


 先ほどまでの姿は、この子が成長した姿……

 でも私は、この姿の時のこの子を眷属と

 したのです!


 『理想の男』ですかー?

 これでも」


ユニシスの少年の姿を見た彼女は、しばらく

固まっていたが、


「か……」


「か?」


私が疑問の声を上げると同時に、エルドラは

ユニシスを抱きしめ、


「可愛いいぃいいっ!!


 えっ何これ!

 こんなに可愛い生き物がいてもいいの!?

 しかも成長したらさっきの姿になるん

 でしょう!?


 こんなの反則ですよおおぉおっ!!」


「おう話がわかるじゃねぇか―――


 じゃなくってえぇええ!!

 これで少なくとも今は、あなたの

 『理想の男』じゃ無いって事が

 わかったでしょう!?」


話がおかしな方向に転び、私は彼女に

改めて確認すると、


「え?

 だってさっきの姿が、この子の成長した

 未来なんですよね?


 『理想の男』になるのが約束・確定されて

 いるのに、彼を諦める理由がどこに」


正論パンチを繰り出され、私は少しぐらつくも、


「い、言っておきますが……

 ユニシスを成長させたのは、今回が

 初めてです。

 さっきの姿も初めて見ました。


 つまり!

 私は成長した姿に関係なく彼に目を付け、

 眷属としたのです!


 もし別の姿に成長するとしたら、それでも

 あなたはこの子を諦めませんか!?」


なおも私がエルドラを諭すと、


「いや女神様。

 今になってそんな仮定は意味を

 成しませんって。


 それに女神様はこの姿―――

 少年の時点で見出したんですよね?


 それはつまり、外見にとらわれない、

 という事を言っておられるのでは?

 ならば、私がどんな姿になろうと彼を

 求める事こそ、(とが)められるいわれは

 ないはず……!」


ああ言えばこう言う彼女に、私は感情的になり、


「いいから返しなさーい!!

 最初に見つけたから彼は私のものだー!!

 バーカバーカ!!」


「こっちだって切羽詰(せっぱつ)まっているんじゃー!!

 私より強くてイケメンで理想のタイプなんて、

 今後どのくらいの確率で会えるんだー!!」


と、私もエルドラも口喧嘩みたいになっていき、


「えーと……

 男女関係のもつれはヨソで……」


「というか止めましょうよ」


「全員、あの2人を引き離せ!!」


そして模擬戦は―――

なし崩しに終わったのであった。




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在8922名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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