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37・苦労した、っていえばそうなんだけど

( ・ω・)有給は消化しきった……!

(夏休みはいらない)


天界・フィオナの神殿(じっか)―――


そこで、黒髪セミロングにやや目付きの悪い

少女と……

シルバーのロングウェーブの髪をした同性が

興味津々で、


「おお!

 そこでパパの大人Verが出たんですね!」


「これでもう、舐められるような事は

 無くなった感じですか!」


実際、軍神ユニシスの外見は、女性からすると

百人中百二十人は振り返るような美青年であり、


「男の僕から見ても、ユニシス様はすごく

 カッコイイと思いますっ!!」


グリーンの短髪と瞳を持つ少年―――

彼女たちの夫であるアルプもそう語る。


そして当人であるユニシスは照れつつ、

その妻のアルフリーダはドヤ顔で胸を張り、


「まあ!

 何て言っても!!

 私の夫ですからね!!」


その大きな胸を揺らすようにして語ると、


「じゃあママ、その女将軍との戦い?

 は一方的だったのよね。


 別に女の話はどーでもいいので、

 すっ飛ばして先に進んでもらえない

 かしら?」


フィオナが興味無しと言わんばかりに、

話を進めようとすると、


「いやあ、それが……

 そういうわけにもいかなかったんだよね」


「えっ!?

 もしかして苦戦したんですか?」


ユニシスの言葉にメイが聞き返すと、


「まあそういうわけでもないのよ。


 苦労した、っていえばそうなんだけど」


「??」


アルフリーダの答えに今度はアルプが

首を傾げ―――

そして話は再開された。




―――アルフリーダ回想再開―――




「え……っ?」


「だ、誰だ?」


「まさか、あの少年だというのか?」


エルドラと呼ばれた、紅い長髪に頬に

傷のある女将軍は、


現れた褐色肌に黒髪の『青年』を見て、

ただ立ち尽くした。


しばらく呆然としていた彼女だったが、

やがて我に戻り―――

ようやく口を開くと、


「な、名は」


すでに知っているはずの『少年』の名前を、

確認するために聞いたのだが、


「ユニシス、です。

 どうぞお見知りおきを」


「あ……う、うむ!」


そして互いに一礼するのを、アルフリーダは

遠目に眺めていて、


「(どうじゃあああぁああ!!

 彼が私の眷属であり、弟兼彼氏兼未来の夫、

 ユニシスじゃい!!


 いやしかし少年の時も魅力満点だったけど、

 成長させてみたらすごいのなんの!

 筋肉のつき方もそこそこだし、ゴリラみたいに

 ならなかったし!


 パーフェクトじゃよユニシスうぅうー!!)」


と、心の中だけで底から叫び声を上げる。




「では―――

 王国騎士団・エルドラ将軍対、


 女神様の眷属、ユニシス様との対戦を

 行います!」


そうして、模擬戦がセッティングされる。


両者、私の目の前で……

大人の姿となったユニシスが木剣を構え、


そして相手の女将軍も、それに合わせる

ようにポーズを取る。


「(あら、彼女―――

 人間にしてはなかなかじゃないの。


 もしかしたら剣聖くらいの実力があるかも)」


確かに、王国騎士団最後の切り札というか、

呼び出すくらいの腕前の持ち主。


ま、それでも私の『軍神』……

ユニシスには敵わないけどね、と思って

いると、


「!?」


「!!」


次の瞬間、ユニシスの視線は上を向き、

私もつられて見上げる。


エルドラはその高い天井まで届くかと

いわんばかりに跳躍し―――


「ユ ニ シ スウゥウウ!!」


親の仇とでも言わんばかりに声を張り上げ、


「(上空からの攻撃!?


 でもどうして、こうまで気合いというか、

 全身全霊ともいえる攻撃を!?


 まさかバトルジャンキーな性格!?)」


私が困惑していると、ユニシスもまたこちらに

チラッと視線を送る。


彼自身もどうしたものかと、思って

いるのだろう。

まあ、軍神たるユニシスが負けるはずは

無いけど。


そしてエルドラ将軍のモーションが落下に

入り……

彼も地上でそれを迎え撃つ構えを取るが、


「!?」


と、ユニシスの顔色が変わる。私もそうだ。


なぜなら、彼女の攻撃に一切の殺気や敵意が

見られないからで、


「(こっ、この攻撃はいったい!?


 相手を攻撃するのであれば、多少の敵意や

 破壊衝動(はかいしょうどう)などを抱くはず―――


 でも、それが全く感じられない……!


 無の境地!?

 まさかそれほどの実力の持ち主だったと

 いうの!?)」


彼もまた戸惑いを隠せず、剣先にブレが生じる。

すると彼女が先ほど叫んだ口を開けたまま、


「さ ま あぁああああああ!!」


「は?」


「へ?」


続けて出た声に、私もユニシスも間の抜けた

声を出すと、


エルドラ将軍は空中から地上の彼目掛けて

落下して―――


「……えっ?」


「何がどうなって……」


「これは―――」


やがて一段落した状況を周囲の人たちが

見た時には、


ユニシスに抱き着く、エルドラ将軍の

姿があった。


「あのう、これはどういう」


彼がやや困った表情で、試合開始を告げた

男性に声をかけると、


「え、ええと……


 と、とにかくエルドラ将軍を引き離し

 ましょう!

 誰か手伝ってくれ!!」


そして私を含め、数名が彼女をユニシスから

引き離すのを手伝った。




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在8899名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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