35・これだけで癒し、回復MAXってなもの
(;´・ω・)ガチで寝落ちしました(老人)
申し訳ございません。
天界・フィオナの神殿―――
そこでやはり男の子なのか、アルプが興奮した
表情で話に聞き入り、
「やっぱり!
その頃からユニシス様は
強かったんですね!!」
「まぁそれはアタシのパパだしねー」
次いで、妻であるフィオナがドヤ顔になる。
「ていうかその人、領主様の私兵の
指揮官クラスなんですよね?
当時のお義父様って何才くらいだったん
ですか?」
アルプのもう1人の妻、メイが質問を
投げかけると、
「う~ん……
あの時の頃はあんまり覚えていないんだ。
だけど、10才を過ぎていたとは思う」
「パパは孤児だったし、それは仕方ないわよ。
そもそも『マガツモノ』であの世界は大変
だったし、正確な記録も残っていないんじゃ
ないしら」
軍神ユニシスと、女神アルフリーダが
夫婦で過去に思いをはせながら語り、
「で、でもそれで―――
相手は素直に負けを認めましたか?」
二人に取っては娘婿である少年が、不安そうな
表情で質問すると、
「ま、それも含めて話すわ。
あの時はねー……」
そして再び、娘一家は両親夫婦の話に
耳を傾けた。
―――アルフリーダ回想再開―――
「こ、こんな―――
力も速さも、そしてリーチもわたくしより
劣るこの少年に……
手も足も出なかった、なんて」
茫然自失となるグラードだが、
「ま、魔法!?
それとも何かのスキルでしょうか?」
目の前の出来事、結果が信じられないのか、
領主は女神に向けて問う。
それに対し、アルフリーダはすっ、と
対戦相手であった少年のそばに寄り、
「グラードさん。
確かにあなたは強い。
かなりの実力者である事は私も認めます。
この世界でいえば、そう―――
今の時点で剣王……
修行を重ねれば、剣聖、剣神クラスも
目指せるでしょう」
女神の評価に『おお』、『さすがグラード様』と
素直に称える感想が口々に周囲から聞こえるが、
「ですがその上―――
恐らく王国騎士団には、武王、武神に匹敵する
実力の者もいるのでしょう。
そしてこのユニシスは、さらにその上を
行きます」
彼女の説明に周囲はざわめき、
「そ、それ以上と言いますと……
王国騎士団の初代将軍のみがお持ちで
あったとされる、『軍王』―――
それが、この少年のスキルだと言われるの
ですか!?」
するとアルフリーダは首を軽く左右に振り、
「いいえ。
さらにその上……
『軍神』、それがユニシスのスキルです」
それを聞いたグラードは、敗北感と共に
両手の手の平を床へと密着させた。
「では私の護衛はユニシスが務めます。
グラードさんたちは周辺警戒にあたって
ください。
王都までの道のり、よろしくお願い
します」
「「「ハハッ!!」」」
十日ほどして、王への謁見許可が下りた
書状が到着した事で、
私とユニシスは、ようやく王都へ馬車で
出発する事になりました。
本当にここまで長かった―――
人間の世界というのは手間取るという事は
わかっていましたけど……
ふぅ、と私が軽くため息をつくと、
「ア、アルフリーダ様。
お疲れなのでしょうか?」
褐色肌の少年が心配そうな目で見つめてくる。
これだけで癒し、回復MAXってなものですが、
「いえ、やっとこの世界を救うスタートラインに
立てた、という感じです。
王と会い、『マガツモノ』の被害状況、
現状、そしてどのように対応していくか。
考える事は山ほどありますからね」
まー実際やる事はと言えば、『マガツモノ』の
ボスもしくは核となる存在を見つけ出し、
それを倒せばいいというシンプルなものですが、
そこまで行くのが長かったりするのよねえ。
「きっと協力してもらえるでしょう!
何せ、世界が滅ぶかどうかの瀬戸際
なのでしょう?」
そう無邪気に彼は返して来るが、
「気を引き締めなければダメよ、ユニシス。
現にここでも、ハイそうですかとすんなり
いかなかったでしょう?」
「あ……」
私の答えに、彼はシュンとなる。
「もっ、申し訳ありません!」
慌てて頭を下げる彼を、私は胸の中へと
抱き寄せて、
「大丈夫―――
そんなに緊張しないで。
あなたは私の眷属だけど、まだ成り立て
なのだから……
ゆっくりと覚えていけばいいわ。
それにまだ子供で人間なのよ。
無茶はしないでね」
「アルフリーダ、様……」
そのまま彼は私の胸の中で眠りにつき、
馬車に揺られながら、私たちは王都を目指した。
「ここ、ですか―――
うわあ……」
五日ほどかけて王都に到着した私の横で、
ユニシスが見上げるようにして声を上げる。
彼が見ているのは、王都をぐるりと囲む
防御用の壁。
その高さ、十メートルほどといったところか。
「さすがに王都、規模が違うわね。
では、入らせてもらいましょうか」
「ハイッ!
すでに話はついていると思われますので」
すっかり従順になったグラードを先頭に、
私たちは王都への門をくぐった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8868名―――
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