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34・面倒だし。あと面倒だし。それと面倒だし

( ・ω・)ギャグが無い方がpt入ってる?


天界・フィオナの神殿(じっか)―――


「うわー」


「あからさまと言えばあからさまですね」


話を聞いていたフィオナとアルプが、

夫婦で似たような反応を見せ、


「良くて恩を売る、悪くて人質ですか……

 仮にも神様相手にそんな事をして、

 大丈夫だと思っているんでしょうか」


メイが当然の疑問を口にすると、


「まあ、人間なんてそんなものなのよ。

 私は女神だったけど外見は女性だし、

 能力は見せたけど、それが直接戦闘に

 関わりそうにない力だったから余計に」


「それに僕の方は、その世界の人間だと

 ママが公言しているからね。


 さらにまだ子供だったし、ママさえ

 遠ざければ、どうにでもなると

 思ったんじゃないかな」


女神アルフリーダと軍神ユニシスは、当時の事を

思い出してかしみじみと語る。


「そ、それで?

 相手はママの言葉で引いたんですか?」


『この世界の誰よりも強いですよ、

 ユニシスは』―――


そうアルフリーダは言った。

しかし彼女は首を左右に振り、


「そんなワケないじゃないの」


「むしろそこからが大変だったんだよね」


そうしてまた、女神は過去の事を再び

語り始めた。




―――アルフリーダ回想再開―――




「こ、この世界の誰よりも強い、ですと……!?

 こんな少年が」


大柄な騎士といった風の男は、納得出来ない

という表情で、彼を見下ろす。


「女神様。

 あなたの言葉を疑うわけではありませんが、


 そこの少年はこの世界の人間と言いましたな?

 しかしこんな子供が世界最強というのは」


領主もまた、アルフリーダの言葉に

疑問を投げかける。


「信じられないと?」


そのロングの金髪をなびかせ、女神は周囲を

見渡すが、


彼らの表情は、どれも半信半疑という感じで、

彼女は両目を閉じる。


「(まあ仕方がないといえばそうなるわね。

 私の能力は見せたけど、それは私自身の

 証明であって、彼のではないし。


 でもこのグラードってヤツに付きまとわれても

 困るのよねー。

 護衛に専念してくれればいいんだけど)」


そう私が考えたところで―――

人間はいろいろやらかしてくれる生き物。


むしろユニシスと引き離した方が、

私にアプローチしやすくなるとか思っていそう。


「(護衛は必要なのよ、護衛は。

 魔物や盗賊、『マガツモノ』相手に

 いちいちユニシスに戦ってもらうわけにも

 いかないし。


 面倒だし。あと面倒だし。それと面倒だし)」


と、私の心の中に本音が漏れ出てきた

ところで、


「で、では……!


 わたくしと一手、お手合わせ願えないで

 しょうか!」


グラードの提案に、何を言い出した?

と私がポカンとしていると、


「そうですな。


 グラードは王国騎士団の、部隊長まで

 務め上げた者です。


 世界最強と言われるのであれば―――

 まずは彼と手合わせしてみては」


と、領主サマもノリ気で進めてくる。


本当に面倒くさいなあ、と私が思っていると、

ユニシスが服の(すそ)を引っ張って、不安そうな

目で見つめて来る。


私はそんな彼の頭をやさしくなでて、


「仕方がありません。


 ユニシス、戦ってごらんなさい」


「え、ええっ!?」


飛び上がらんばかりに驚く少年に、私は、


「大丈夫。

 あなたはとても強いから。


 負ける事は絶対にありえません」


「で、でも」


なおも何か言いそうにしているユニシスに対し、

私はしゃがんで彼と目線を合わせ、


「ちょうどいい機会だから、あなたもここで

 自分の実力をその身で確認しておくべきだわ。


 私があなたを眷属に選んだのは……

 (あわ)れみでも憐憫(れんびん)の情でも、ましてや庇護欲(ひごよく)

 でもない。


 眷属たりえるからこそ―――

 あなたを選んだのです」


そして私は彼に触れたまま、彼の才能を

『成長』させる。


「では、彼とわたくしが手合わせする事を

 認めて頂けますな?」


グラードの問いに私はニッコリと笑って、


「ええ。


 存分に彼の胸を借りるといいでしょう」


そして急遽(きゅうきょ)、模擬戦が領主サマの御前で

行われる事となった。




「では、これより……


 領兵司令、グラード対―――

 女神様の眷属、ユニシス様との対戦を

 行います!」


その号令と共に、ゆらりとグラードが

向こう側から現れ、


「ア、アルフリーダ様……

 僕はどうすれば」


木剣を握る手を震わせながら、ユニシスは

私にすがるように密着する。


「どうもする事はありません。


 ただ体の動くに任せなさい。

 あなたは『最強』なのですから」


「そ、そんな事言われても~……」


そんな彼の背中を私は押して、


「さ、頑張って」


「は、はいっ!!」


男の子らしく元気に返事をすると、

二回りは大きそうな相手の前に立った。




「(こんな子供が最強、だと?


 どう見ても、公式な訓練や剣の修行を

 したとは思えない。


 だが女神様は最強だと言い切った。


 こんな子供を相手にするのは心苦しいが、

 わたくしにも、元騎士団部隊長という

 誇りはある。


 もし試合にならなかったら、適当に

 切り上げるとするか……)」


グラードはそんな事を考えながら、ユニシスの

前に立ち―――


そして試合が始まった後、それは一方的な

展開となった。




「バ、バカな……!」


「こ、これはどういう事だ……」


「そんな、あのグラード様が……!?」


まあこんなところよねえ―――


そう思う私の前には、無傷のユニシスと……

疲労困憊(ひろうこんぱい)になったグラードとやらの姿があった。




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在8855名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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