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33・あ、あたし若返ってるー!?

( ・ω・)ギャグが入るスキが無い(苦痛)


天界・フィオナの神殿(じっか)―――


そこで話を聞いていた娘夫婦たちは、


「面倒くさそうな世界ですねぇ~」


妻であるフィオナがそう言うと、それに対し

夫であるアルプは、


「僕たちの世界では、ビューワー伯爵様や

 バーレンシア侯爵様が、気さくに接して

 くれていましたけど、


 本来であれば、地位が高い人ってそうそう

 会えないものなんですよ」


「そ、それで……

 すんなり会えたんですか?」


もう一人の妻、メイの疑問に神夫婦は首を

横に振って、


「あの時の事は覚えているよ。

 むしろ会ってからが本番とでもいうか」


「そーそー。

 めちゃくちゃ絡まれたのよね。


 まあそれも、パパが何とかしちゃったん

 だけど」


軍神ユニシスと女神アルフリーダの答えに、

娘夫婦たちはまた、二人の過去に耳を傾け

始めた。




―――アルフリーダ回想再開―――




「うわぁ……


 僕、こんなところに来たの初めてです」


大きな屋敷を見上げ―――

私の横で眷属の少年が語る。


確かにそこそこ大きいけど、すでに

いくつもの世界を巡って来た私にとっては、

ちょっと大きいだけの施設なのよね。


「さ、さすがに女神様は動じませんね?」


「言ったでしょう?

 私は神様なのよ。


 さ、それじゃ領主様とやらに、

 挨拶に行きましょうか」


私とユニシスの会話に、ここまで案内してくれた

従者らしき男は目を白黒させながら、私たちを

先導して進んで行った。




「そなたが、私の街で奇跡を起こしたと

 される者か。


 名は何というのだ?」


中肉中背、これといった特徴の無い中年。

この人がここの領主様、ね。


でもまだ半信半疑と言ったところだと

思うけど……


「女神・アルフリーダです。


 この世界が『マガツモノ』の危機に

 瀕しているのを見かねて、降臨しました」


謁見の場に集まっていた周囲の人々から、

ざわめきが起こる。


「聞いたところによると、女神様は

 とあるみすぼらしい宿屋を、見た事もない

 豪華な建物にしてしまったとか。


 例えば他に、何か出来るでしょうか?」


これはお願いではなくテストね。


つまり目の前で、奇跡を起こして見せろと。


「め、女神様はこの世界を救うために

 来たんですよ!?


 こんな事をしている場合じゃ―――」


ユニシスがそこへ割って入るけど、

私は片手で彼を制し、小声で、


「(見なければ信じられない人もいるのよ。

 ましてや領主様……

 多分、これから国王まで話が通る事になると

 思うけど、


 身元不明の人間をほいほいと信じて、王様に

 会わせる事なんて出来ないわ。

 だからある程度合わせてあげて)」


私の言葉に納得したのか、ユニシスは黙って

うなずく。


「それでは、ええと―――

 そこの貴女、よろしいかしら?」


私は一人のメイドに目をやり、


「あ、あたしですか?」


彼女は私と領主様に交互に視線を送るけど、

この街のトップの『言う通りにしろ』という

眼力に負けて、恐る恐るこちらまで来る。


「怖がらなくていいのよ。

 ちょっとの間だけだから」


そして私は彼女の手を取ると、


「……えっ?」


そこには、私の手を取ったままの―――

十才くらいの少女がいて、


「えっ、えええええっ!!

 あ、あたし若返ってるー!?」


驚きを隠せない彼女の手を繋いだまま、

私は再び奇跡を起こし、


「あっ、戻った……」


十代後半くらいに戻った彼女は、半ば

残念そうに自分の体を見つめる。


「時と成長を司り、見守る女神―――

 それが私、アルフリーダです」


私の説明に、証明された現象を見た周囲からは

どよめきが起こる。


「め、女神様のお力はわかりました。


 それでどのように、『マガツモノ』に

 対抗するおつもりでしょうか」


「私は、『マガツモノ』に憑かれた人を、

 憑かれる前まで戻す事が出来ます」


その言葉に領主様は食いついてきて、


「でで、ではっ!!

 『マガツモノ』に憑かれた人々を、

 救う事が出来るのですな?」


その問いに、私は首を左右に振る。


「な、なぜです!?」


「……確かに、『マガツモノ』に憑かれる前に

 巻き戻す事は可能です。


 ですが、憑かれている間に亡くなった

 命までは―――

 どうする事も出来ないのです」


沈痛な面持ちでそう語ると、


「そ、そうなのですか……


 それでアルフリーダ様は、どのように

 この世界を救うおつもりで?」


「今はまだハッキリと申し上げる事は

 出来ませんが、この『マガツモノ』の元凶、

 あるいは核となる存在がいるはず。


 それを断てば、この世界は救われます。

 それにはこの世界の協力が必要なのです」


それを聞いた領主様は姿勢を正し、


「わかりました―――


 さっそく王に進言する書状を作成します!

 そしてアルフリーダ様を送り届けましょう!


 グラード、ここへ!」


そこに現れたのは、いかにも剣士といった体の

騎士で、


「グラードよ、そこのお二人の護衛を任せる。

 必ずや王都まで送り届けるのだ!」


「ハハッ!!

 命に代えましても!」


やれやれ、これで少なくとも国王までは

会いに行ける、と思っていたら、


「ところでアルフリーダ様。


 そこの少年は、女神様と同じく降臨された

 方なのでしょうか」


グラードと呼ばれた男は、ユニシスに

好奇心のような目を向ける。


「いえ、彼はこの世界の人間です。


 私がこの世界に降臨し、眷属にしたのです。

 それがどうかしたのですか?」


すると彼は少し考え込んで、


「失礼ですが、その少年はこちらに置いていった

 方がよろしいのではないでしょうか。


 その方がこちらも守りやすいですし……」


「おお、その方がいいと思われます。


 眷属という事であれば何一つ不自由は

 させません。


 それにグラードは我が領兵の優秀な

 司令官です。

 護衛としては申し分ないと思われますが」


この時、私の中は『あー』という声と同時に

シミュレーションがなされていた。


恐らくコイツらは、私とユニシスを引き離し

たいのだ。


理由は二つ。


一つは、シンプルに人質。

もしくは、彼を懐柔して恩を売る事。


そしてもう一つは―――

このグラートとやらを、ユニシスの代わりに

眷属の地位につけたいのだろう。


はぁ、とあえて大げさに私はため息をつくと、


「護衛と言いますが、私はこの子に守って

 もらっているんです。


 あなたより……

 いえ、この世界の誰よりも強いですよ、

 ユニシスは」


その言葉に、彼も含めて全員の視線が

私に集まった―――




カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在8840名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958


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