28・セキュリティが人外レベル
( ・ω・)今回は超久しぶりに『アンカー』が
活躍します(過言)
日本・とある都心のマンションの一室―――
そこで黒髪セミロングのやや目付きの悪い
女神が、デスクトップPCを前に何やら
打ち込んでいた。
【 アレ? どちらさんで? 】
【 とにかく、明けましておめでとう
ございますー 】
半年以上は出番がなかったであろう彼らの
反応は普通に冷たく、
「そっ、そこまで邪険にしなくてもですねっ!
それに雑談ならちょくちょく来ていたで
しょーがっ!!」
フィオナはそれに対し抗議の声を上げる。
【 だからそれが、コンビニの
新作スイーツとか 】
【 それ時々夜の生活に関する
意見収集とかはなぁ 】
【 神様設定忘れてね? 】
呆れながら『アンカー』たちの
返事が返って来て、
「いやだって本当にそれくらいしか
無いんですもん。
地球じゃあの人外5人娘の問題が
ありましたけれども、全員ナヴィと結婚して
無事大団円で終了しましたし」
女神がそう話し辛そうに書き込むと、
【 限理神・マファーダ以降、これといった
脅威が無いのはわかるけどさー 】
【 てか後日談とか無いのか? 】
【 そもそも、何で限理神はあの2人……
ユニシス・アルフリーダと敵対を? 】
そう当然の疑問が返って来るが、
「え? あー……
実はパパとママに取っちゃ、敵としては
その他大勢の1人に過ぎなかったみたい
なんですよねー。
だからそうたいした因縁とかは無かった
ようでして」
【 何か報われねーなー 】
【 結構な時間をかけて準備したとか
言ってなかったっけ? 】
【 相手が悪かったとしか 】
『アンカー』たちは女神の言葉に納得しつつも、
【 でもこのままだと俺たち、ただの女神の
雑談相手になっちまうぞ? 】
【 そのうち、今日の晩御飯は何にする?
みたいな質問しか来なくなりそうな 】
「し、仕方ないでしょう!
実際、11章の限理神・マファーダとの
戦いで、ネタが尽きたようなものなん
ですから!!」
【 あー、うん。
今すごい事言ったよねアンタ 】
【 潔いけどそれを公に言った事だけは
反省しなさい 】
【 つーかこういう場合過去編とか
始まりそうなものなんだが、この女神
たいした過去は無さそうな気がする 】
そこでフィオナは沈黙し、しばらく気まずい
空気が流れるが、
【 そういえばネタが尽きたら、
パパとママの馴れ初めでも話すって
言っていなかったか? 】
その書き込みにフィオナは反応し、
「んー、でもママ、あんまり自分たちの
恋バナに関しては話したがらないみたい
なんですよね。
うかつに触れると実家ごと爆破されて
しまいそうで」
【 何でそこだけセキュリティが
人外レベルなんだよ 】
【 照れ隠しってレベルじゃねーぞ 】
【 でもまあ、聞くだけ聞いてみたら
どうだ? 】
『アンカー』たちからの提案に、フィオナは
両腕を組んで、
「むう、では超久しぶりに『アンカー』って
みましょう。
『アンカー』は今のスレで200!
聞きたい事は、パパとママの馴れ初めの
聞き出し方……
―――さあ、アタシを導き給え……!!」
>>200
【 まず自分と今の旦那、アルプとの馴れ初めや
いつ頃から意識し出したのかを告白。
その流れで両親の馴れ初めに切り込む 】
「お、おお―――
いいですね、さすがは女神の頭脳部隊!
今まで数々の難問を解決して来ただけの
事はあります!
さっそくやってみますね!」
そこでフィオナはPCを閉じ……
目的地へと向かう事にした。
│ ■天界・フィオナの神殿 │
「アルプ君、メイさん。
いらっしゃい」
褐色肌の青年がまず、フィオナの夫と
もう一人の妻を出迎え、
「こ、こんにちは」
「お久しぶりです。
お義父様、お義母様」
グリーンの瞳と髪を持つ少年と、
銀のロングウェーブの髪の少女がそろって
挨拶する。
「自分の家だと思ってくつろいでくださいね。
近況も聞きたい事だし」
腰まで伸びたブロンドの長髪と、モデルのような
豊満なボディの女性が夫の後に続き、
そこで家族団らんが始まった。
「そういえばフィオナ様。
旦那様とは、一目惚れって聞いて
おりましたけど―――
結婚を意識し始めたのはいつ頃から?」
お茶を飲みながらの団らんの中、不意にメイが
フィオナに話を切り出す。
実はこれは、彼女と打ち合わせての行動であり、
「そうですね。
意識し始めたのはやっぱり……
バーレンシア侯爵のお見合い話が
持ち上がってから?
他の人のそういう話がありますと、
自分もいつかは、って感じに」
(■4章)
「そ、その頃からだったんですか」
アルプが顔を真っ赤にしながら受け答え、
「あ!
でも好きになったのは最初からでしたよ。
その辺はママも一緒なんじゃないかな?」
満を持してフィオナは母親に話を振ると、
「そうねえ。
『あ、この人と一緒になるわ』って
意識し始めたのは最初からだけど。
それが具体的な形になるのは―――
もう少し経ってからかしら」
そこでメイが追撃に出て、
「アルフリーダ様も確か、夫は元眷属
だったんですよね?
わたくしたちの旦那様も眷属でしたし、
ご縁があると言いますか」
「う、う~ん。
まあその話はおいおい、ね……」
「君たちもやっと結婚したんだし、
話す機会はそのうちいくらでも」
軍神の方は妻を気遣って、何とかその場を
やり過ごそうとし、
予め打ち合せしていたフィオナとメイは
『失敗か?』と気をもむが、
「あっ、あの!
ぼ、僕もそのお話興味があります!
特にユニシス様は、僕と同じ元人間だったと
聞いておりますのでっ」
思わぬところからの援護射撃に、二人の妻は
目を丸くするが、
「そ、そうねえ―――
隠す事でも無いし、話しても構わない
かしら?」
「いや、まあ……
ママがそう言うのなら」
と、両親の神々はうなずき合い、そして
ぽつぽつと語り始めた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8746名―――
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