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21・お前はどこの世界線に行っていたんでしゅか

( ・ω・)やっと暖かくなってきたなあ

(いや極端過ぎんか?)


日本・とある都心のマンションの一室―――


そこに、黒髪セミロングのやや目付期の悪い

少女と……

ロングウェーブの銀髪をした同性、


その二人の前に、顔の片方が黒髪で隠れている

ワンレングスの女性と、

ブラウンのワンカールロングに、コウモリの

ような翼とシッポを持つ、明らかに人外の

女性二人が相対していた。


「どもです」


「どもー」


まず女神フィオナと人間のメイが挨拶して、


「えーと、メイさんの方はこの前お会い

 しましたよね?」

(■12章19話 天下泰平、それが一番参照)


「ていうか、私たち人外相手によく物怖(ものお)

 しませんね。


 さすがはフィオナ様と一緒の相手の妻と

 なった人間―――」


邪神とサキュバスが主に人間の少女の方に、

関心と興味を向ける。


「まあその前に神様と共同戦線張って

 いましたしねー」


「そーそー。

 元は恋敵でしたけど、お互いの目的達成の

 ためにガッチリ絆を結んだ仲ですよー」


女神と人間の少女はそう言って、それぞれ

自分の片腕を相手にクロスさせる。


「なるほどなるほど。

 それなら、ワタクシたちと似ているかも

 知れません」


「まあ私たちはどちらかというと、最初から

 共同戦線張っておりましたけど」


邪神を始め、五人の人外娘はナヴィを狙って

集まった仲であり……

いつの間にか共通の目的に向かって、一緒に

行動するようになっていた。


「それで今回の用件は?」


「夜の技の情報共有なら、前回したはず

 ですけど」


すると対峙していた人外娘二名は、

飲み物に口を付け、


「あ、今日はそういうのではなく」


「ごく一般的な話題と言いますか」


その言葉にフィオナとメイは首を傾げ、


「アタシたちには似つかわしくない話題かと

 思いますけど」


「一般、と言いますと?」


女神・邪神・サキュバス・人間という、

人外比率が高い中―――

以下にも場違いな発言かとも思われたが、


「いえいえ。

 単純な話、普通の生活の話ですよ」


「お食事とか料理とか……

 どのような感じで取られているのかなって」


二人の話に、女神と少女は顔を見合わせて、


「料理はともかく、食事は普通にしていると

 思いますが」


「それにこっちの世界、すでに手ごろなサイズに

 切られていたり、味付けされていたりして、

 本格的にやろうと考えなければ、結構簡単な

 感じですけど?」


異世界から来たメイに取っては、すでに

切られたり血抜きされている食材が売られて

いる事が新鮮だったようで、


それにつられてフィオナの料理の腕前も、

以前よりは若干改善されていた。


「あー、いえ……

 料理はまあ、おいおい―――」


「前向きに善処していく所存でございます、

 ハイ」


なぜか役人言葉になる邪神とサキュバスだが、

彼女たちは続けて、


「ええと、ナヴィ様についてなのです」


「ナヴィ様って元猫ですよね?

 いえ、今でもそうですけど……

 それで、食べていい物、いけない物は

 そちらではどうしていたのか聞きたくて」


意外とまともな答えが返って来たので、

フィオナが少し考え、


「あー、それはママに聞いた事ありますけど、

 基本的には全部大丈夫なはずですよ。


 人間になっていればほぼ無関係ですし、

 猫の姿でも身体能力というか、神としての

 格みたいなものも上がっているらしいので、

 だいたいオッケー? みたいな」


その答えに邪神とサキュバスはホッとした

表情を見せ―――


「それなら良かったです」


「後で悪霊ちゃんに共有しないと」


二人の言葉に今度はフィオナ・メイが同時に

首を傾げ、


「ん? 悪霊ちゃん?」


「あの黒髪美人の方ですよね。

 他の2人にも情報共有した方がいいんじゃ?」


当然の疑問を女神と少女が口にすると、


「あー……

 実はですね、ワタクシたちの間で料理は

 基本、悪霊ちゃんがメインにやっているので」


「ここが彼女の生まれ育った国、というのも

 ありますけれども―――

 和食作らせたらプロ顔負けなので……


 私たち食べる人、悪霊ちゃん作る人に

 なっちゃっているんですよ」


彼女たちの説明に、『おー』、と二人は

感心してうなずく。


「ま、でも自分たちで作る事が出来るように

 なっておくに越した事はないですよ」


「和風じゃとても敵わないと思うのであれば、

 洋風とか別路線を狙えば。


 ここにいる間であれば、いくらでも一緒に

 勉強出来ると思いますし」


料理に関しては一歩リードしている二人が、

邪神とサキュバスにそう諭し、


「ま、まあお時間が出来ましたら?」


「そ、それじゃそろそろ、本編スタート

 しましょうね~」


と、逃げるように会話を切り上げた。




│ ■グレイン国            │

│ ■王宮中庭施設別室         │




「パパ!

 お疲れ様でしたー!」


「ああ、久しぶりにいい汗をかいたよ」


褐色肌の青年に、娘がタオルを差し出し、


「ナヴィも良かったわよー。

 パパが一から鍛えた子だものね」


「ありがとうございます」


銀髪の美少年に、腰まであるロングヘアーを

なびかせたブロンドの美女が飲み物を渡す。


ここは彼らに与えられた控室であり、


軍神ユニシスと、この国のマイヤー伯爵、

ガルディ王室騎士団長、バスタ副団長との

御前試合が行われ……


それが終わった後、家族水入らずで休憩

していた。


「いやーでもパパ、ちょっと気合い入り過ぎじゃ

 なかったですか!?

 最後にフライングボディアタックから、

 そのままナヴィとのツープラトン攻撃に

 入るなんて」


「1対1の模擬戦でしゅよ。

 お前はどこの世界線に行っていたんでしゅか」


「アハハハハ、いやー、そ、それだけ

 見間違えるほど盛り上がったって事ですよ!」


まさか試合は見ないで、この国の女性陣と

BL談義をしていたとは言えず、


「そそ、それでどうでしたか?

 対戦相手の方は」


そこでユニシスは飲み物から口を離し、


「さすがにマイヤー伯爵は年齢的なものが

 あったけど―――

 それだけ老獪(ろうかい)な動きをしていたね」


「あの中ではガルディしゃんが一番強かったと

 思いましゅ。


 あと武者修行をさせたからか、バスタしゃんも

 かなり動きは良くなっていたでしゅよ」


二人の話を聞いた母と娘は満足そうにうなずき、


「じゃあ、お仕事というかする事は終わったって

 感じですか?」


「そうねえ。

 私とパパはこのまま帰るわ。

 いつまでも1つの世界に関わっている

 わけにはいかないし。


 というわけだからお願いねー」


アルフリーダがそう言うと、ユニシスと共に

二人の姿は光に包まれ、


後にはフィオナとナヴィが残された。


するとそこへ、扉にノックの音が響き、


「アルフリーダ様、フィオナ様、

 いらっしゃいますでしょうか。

 お時間があれば王妃・グレイシア様が

 お話があると……」


入って来た使者に彼女が対応するが、


「あー、ママはちょっと用事がありまして、

 もう帰ってしまったんですよ。

 アタシであれば承りますが」


そこで彼女はチラ、とナヴィの方を見ると、


「私は構いましぇんよ。

 しょれに、後で騎士団の指導をして欲しいと

 ガルディしゃんから頼まれていましゅので」


「そう?

 じゃあそっちはお願いねー」


そこでフィオナは退室し、ナヴィだけが

部屋に残された。




カシャ☆



―――女神フィオナ信者数:現在8645名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

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【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

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【かみつかれた】【完結】

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【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

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