20・ある意味、最強の姉妹でしたのに
( ・ω・)人間ドック再検査以降、消化の良い
食事を心がけている(老人)
日本・とある都心のマンションの一室―――
黒髪セミロングの、やや目付きの悪い少女と、
銀髪の美少年が向かい合って座る。
「…………」
「?? どうしたのナヴィ?」
無言の従僕に対し女神が問うと、
「いえ、今年は静かだったなぁと思いましゅて」
「?? 何の話です?」
フィオナが聞き返すと、彼はコホンと
一息ついて、
「いえ、バレンタインやホワイトデーの時、
やけに大人しかったと言いましゅか。
いつもならいろいろな妄想から、
新たな生命創造までやっていたと
いうのに」
「そんなしょっちゅう、新種誕生みたいな
事をしていた覚えはありませんけどねー。
まあ自分の体を使った生命創造なら
ヤってますけどゲフゲフゲフ♪」
ヒロインがしていい笑顔ではない顔をしてみせた
女神に、ナヴィは目を線のように細くして、
「平常運転で何よりでしゅ。
いつまでも変わらない貴女でいてくだしゃい」
「うーん何だろー。
いい事のように聞こえるんだけど、
褒められている気がしない」
そこで二人はいったん飲み物に口を付け、
「まあ理由はあるんですけどねー。
ホラ、アルプもメイさんもこっちの世界の
住人じゃないでしょ?
一方的に仕掛けるのならアリなんですけど、
まず意味とかいろいろ教えなければなりま
せんし―――」
「厳密にはフィオナ様も、この世界の住人では
無いんでしゅけどね。
でも確かに、あちらの世界のお二人に
バレンタインだのホワイトデーだの……
説明には手間取るかも知れましぇん」
一応ツッコミながらも、彼は女神の説明を
受け入れ、
「あ! でもヤる事はヤったんですよ!
興味あります?」
「無いでしゅ」
「えーとですねー」
「いえ無いと言っているんでしゅが」
ナヴィは抵抗するが、フィオナはそれを
ものともせず、
「まずですねー、溶かしたチョコを
アタシとメイさんの体に塗りたくって」
「おーい、聞いてましゅか?
言葉通じてましゅよね?」
「それでですねー、△%◎&を▲×※○して、
さらに%×$☆を&○%$■してから、
そして今度はアルプきゅんのあらゆる
ところに☆♭*!:してー、
アタシとメイさんの2人がかりで、
#▲※○の◎&@□で●%×$☆しまして、
その後に上と下に別れましてアルプきゅんを
△#%&@って」
「今すぐやめるでしゅ。
伏字だらけでシャレになってないでしゅよ。
それではそろそろ、本編スタート
するでしゅ」
│ ■グレイン国 │
│ 王都ウィーンテート・トーリ財閥拠点 │
「……フィオナ様?
どうしてこちらへ」
ライトグリーンのミドルヘアーの女性は、
フィオナを前に驚きの声を上げる。
「お久しぶりです、モイラさん」
彼女はかつて、限理神・マファーダの手先を
調査するという名目で、フィオナとカガミが
各地を回る際、
各国にあるトーリ財閥の拠点の使用を許可され、
そのグレイン国内の拠点の一つで、二人の世話を
した人物である。
(■10章23話
確かにそれは重要ですねえ♪参照)
「一応、いろいろと一段落しましたので、
そのご報告がてらと言いますか。
あ、限理神の結末とか結果とか、ちょっと
情報共有出来ないものもあるんですけど」
「そちらは微塵も興味がありませんので
大丈夫です。
ぜひ、例の最新の情報をお聞かせ
くださいませ―――」
いつの間にかモイラ以外に、複数の女性陣が
集まって……
かつてのようなBL談義に花を咲かせた。
「なるほど―――
そういえばフィオナ様、ご結婚なさったと
シンデリン様に聞いておりますが」
「あ、そーなの。
こっちの世界のアルプって子が最初の
眷属だったんですけど……」
そこで女子会は恋バナに移り変わり、
「時期的にはシンデリン様・ベルティーユ様と
一緒だったとか?」
「そうですね。
ちょっと共同戦線というか、協力し合い
まして。
もともと、ネーブルさんとも仲が良好だった
みたいですし―――
一気に進めようと手を組みまして」
薬の力を借りての、いわばなし崩しで
あったが、
(■8章32話
アグレッシヴビーストモード参照)
どんな手段であれ、好きな異性と結ばれるために
共に戦った『戦友』である事には違いなく。
「あー、なるほどー」
「ていうかシンデリン様も、エロい体しているん
ですから、押し倒せば良かったですのに」
「ベルティーユ様もですよ。
ボンキュッボンのお姉さま、ロリ路線の妹様、
この組み合わせでどうしてああまで手間取った
のか……」
「ある意味、最強の姉妹でしたのに」
トーリ財閥の者たちは、なかなか進展しない
二人に不満があったのか―――
ここぞとばかりにそれを噴出させる。
「いやいや……
そのお二人の魅力に抗い、陥落する事なく
手玉に取っていたネーブルさんこそ、
強敵だったという事では」
女神の指摘に、トーリ財閥の女性陣は
顔を見合わせて、
「た、確かに―――」
「あのおっぱいに妹キャラまでそろえた
完璧な攻撃を耐え切り、あまつさえ
返したのですから」
「なかなか出来る事ではありませんわね……!」
と、相対的にネーブルの評価が上がり、
「まあでも、いつかはくっつくっていう
安心感みたいなものはあったんじゃ
ないですか?
遅いか早いかの違いだけで―――」
「それはそうかも知れませんけど……」
「でも、一度お見合いの話とかありましたよね?
それも貴族階級の方と―――」
「確かに。
それを聞いた時は気が気じゃありません
でしたよ」
(■4章全般)
それでも彼女たちは、安堵したからか
口々にフィオナの言う事に反論する。
「大丈夫ですって!
幼馴染のようなものだったんですし、
そう簡単に心変わりもしなかったでしょう!
アタシだってアルプとの仲は」
と言って女神は言葉を中断させ、
「そういえば女神様、初めての眷属と言って
おりましたけど」
「結婚とか異性とかそういう……
将来の相手と意識したのは、いつから
でしたか?」
と、矛先がフィオナに向かい、
「え~と―――
さ、最初から、かな?」
実際、こちらの世界で一番最初に目を付けた
異性には違いないので、間違いでは無いのだが、
「お、おぉ~……!」
「さすがは女神様、運命の人だったの
ですね!」
「もっとその話を詳しく―――」
と、恋バナのメインはフィオナに移り、
彼女はその説明と釈明に追われた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8606名―――
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