11・げ、元気ですねえ
( ・ω・)そろそろ暖房をつけるか
(暑さに弱く寒さに強い)
日本・とある都心のマンションの一室―――
黒髪セミロングのやや目付きの悪い少女と、
銀髪の美少年が対峙する。
「ズルズル……
いやあ、こう寒いと辛いのが一番ですねえ。
ズズッ」
「だからと言って辛いものばかり食すのも
どうかと思うんでしゅがフィオナ様。
さすがに3日連続、辛みそラーメン、
担々麺、キムチラーメンは体に毒かと」
お目付け役のナヴィは、主筋である女神に
それなりに言葉を選びつつ苦言を呈す。
「いやあ、多少の毒は受け入れてこその神様だと
思うんですよアタシは―――」
「こんな時だけ神設定を出されましても。
そういえば、アルプ君とメイさんの姿が
見えましぇんが」
従僕の少年の質問に女神はいったん箸を置いて、
「今、フラールとバクシアの合併話が
持ち上がっていますからねえ。
一段落着いたとはいえ、まだまだ細かい
部分は残っていますから……
そのバックアップに集中している感じです」
「だったらなおさら―――
あなたも一緒にその支援を行うべきだと
思うんでしゅけれども」
当然のナヴィのツッコミに、
「だっだからこうしてですね!
バックアップするためのスポドリとか
栄養ドリンクとか、常に準備している
わけですよアタシは!」
「まったく、言い訳だけはいっちょ前に
なってきてかりゃに……」
「せっ成長していると言ってくださらない
かしらー!?」
彼の小言に対しフィオナは反発するように
顔を横に向けるが、
「……ご存知でしゅか?
子供って味覚を感じる感覚が弱いので、
カレーとかハッキリした味の食べ物を
好むんでしゅよね」
「いつまでも子供のようなピュア()な感覚を
持ち続けるのって、素晴らしいですよね♪」
「まあもうそういう事でいいでしゅ……
それではそろそろ、本編スタートしましゅ」
│■フラール国・バクシア国代官館(改4)│
「終わった―――
てか、終わるとは思わなかった……」
「細々とした事務処理は別に後でも良かったの
ですが、
何か一気に出来てしまいましたね」
頬にクロスの傷を持つ、顔だけは悪役タイプの
侯爵と、
実年齢より十才は若く見える、銀髪の青年が
こぼす。
「まあ前倒しして終わらせておく分には、
問題ないと思います」
「お役所仕事とかだと、少しでも欠けている
ものがあると、突き返されますからねー。
前もってやっておけば、修正する分も
時間が取れますし」
グリーンの瞳と髪を持つ少年と、銀の
ロングゥエーブの髪の少女がそれぞれ答える。
「アルプ君もメイさんもお疲れ様。
補充が頻繁にあったとは聞いてますけど」
フィオナが二人を労うと、
「いやもう、あのポーションには本当に
お世話になりました!」
「体力だけではなく、精神的な回復もありました
からね。
異世界から門外不出とされているのも、
わかるような気がします」
バーレンシア侯爵とビューワー伯爵は自ら体験
しているだけに、しみじみと語る。
「お、お役に立てたのなら幸いです。
あれ? ところでお2人の奥様方は」
いつもならカップルで行動している、
レイシェンとマルゴットの姿が見えないので
女神がたずねると、
「ああ、出来た端から書類を担当部署に
届けていましたから」
「お2人とも地位や顔がそれなりに効くので、
スムーズに各所に行き渡ったと思われます」
ふむふむとフィオナがうなずいていると、
「そういうフィオナ様は―――
ナヴィ様はご一緒ではないので?」
「こちらが一段落しましたので、今はちょっと
休憩時間? みたいな?
もともとアタシのサポートで彼は来て
いましたので……」
実際は特に用事も無い中で、人外娘たちに
配慮して、連れて来なかっただけなのだが。
そう侯爵に女神は答え、
「それは残念です―――
体も空きましたし、一度お手合わせして
みたかったのですが」
「げ、元気ですねえ」
「あ、い、いえ!
もちろん、しばらく休息を取った後にですが」
と、ビューワー伯爵とのやり取りを行った後、
「じゃあいつも通り、空き瓶や容器を回収
しまして」
「これはいったん、アルプ君の家まで持ち帰れば
いいんですよね?」
と、カチャカチャと二人が荷物を持ち、
「そうですね。
あ、あと一応これ、予備として置いて
おきますので……
レイシェンさんにマルゴットさん、
お2人が戻られましたら、ご自由にお使い
ください」
「何から何まで、ありがとうございます!」
「これからもよろしくお願いいたします」
貴族の青年二人が頭を下げると、平民の二人は
慌てて返礼し―――
女神もまた一礼して、その場を後にした。
│ ■ミイト国・首都ポルト │
│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷 │
「……シンデリン様、ベルティーユ様。
その、いつまでも両腕をつかまれると
仕事が出来ないのですが」
一方その頃―――
ミイト国では、正式にトーリ財閥の一員となった
この世界では珍しい、黒髪・黒目の少年が、
妻となった姉妹……
ややトロンとした目付きの姉と、姉と同じ色の
ロングのストレートヘアーを持つ、日本人形の
ように無表情の妹にまとわりつかれていた。
「えぇ~、だっていいじゃない?
本当にネーブルのお嫁さんになったんだし?」
「……もう離れない……
ネーブルお兄ちゃんは私たちのもの……!」
その重い愛に彼は軽くため息をついて、
「でも、いくら幼い頃に引き取られた従者とは
いえ―――
奴隷身分同然の私が、お嬢様方と結婚出来る
なんて、思ってもみませんでした」
現実が信じられない、というように少年は
遠い目をする。
「と言いますか、いくら本家の跡継ぎでは
無かったと言え……
よくご両親も認めてくださいましたね?」
ネーブルが首を傾げて質問すると、
「まー子供の頃から一緒だしねえ。
そりゃとっくに情も移っているわよ。
それにいざとなったら押し付け―――
もとい、もらってくれるかもって思っていた
ようだし」
どういう顔をしたらいいのかわからなくなり、
シンデリンの言葉にネーブルは沈黙する。
「……それはお父さまの方……
お母さまはもっと……何ていうか直線的……」
「と言いますと?」
ベルティーユに彼が聞き返すと、
「ああよく、私たちに気合いを入れるというか
背中を押すというか」
「……お母さまは多分……
こうなる事を想定していたみたいで……」
自分は付き人として姉妹に付けられていたので、
あまりご両親とは面識が無かったのだが―――
ちゃんと認められていたのだなあ、とネーブルは
感慨にひたる。
「なるほど。
では私は、公認だったわけですか。
仲についても、いろいろ気にかけてくれて
いたんですね」
するとシンデリン・ベルティーユは微妙な
顔になり、
「気にかけていたのは確かでしょうけど」
「……言い方が直情的というか、もっと
言葉を選んで欲しかったというか……」
「??」
そこで彼は再び首を傾げると、
「いやぁ、だってねぇ~……
『とっととズブリといかんかこのヘタレ!!』
とかさ~……」
「……私の場合……
『脱げ。若いからそれだけで価値がある』
……でした……」
それに対しネーブルはどう答えたらいいか
わからず―――
結局沈黙が続く事となった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8381名―――
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