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05・大人じゃなければ行けないところに

( ・ω・)各小説が微エロ方面に行きつつある

(最終目的地)


日本・とある都心のマンションの一室―――


そこの家主である黒髪セミロングの少女と、

銀のウェーブの髪の同性が、

グリーンの短髪と瞳を持つ少年を挟んで座る。


「お疲れ様でした」


「どうでしたか、異世界(ちきゅう)は」


「あ、今飲み物をお持ちしますので……」


パタパタと奥に去るアルプを前に、

頬にクロスの傷のある侯爵、そして実年齢より

十才は下に見えるホワイトシルバーの伯爵が

一礼し、


「ああ、おかまいなく」


「しかし、ここが天界ではなく一般人の住まい

 とは―――」


バーレンシア侯爵とビューワー伯爵は、呆れる

ように室内を見渡す。


そして後ろから恰幅(かっぷく)のいい老人が姿を現し、


「いやはや……

 長生きはするものですなあ。


 アルプから、『まるで雲の上にいるよう』だと

 聞いてはおりましたが、


 バクシアでもこのような高い建物は

 ありませんよ」


アルプの義理の祖父、ローン・ボガッドが

おぼつかない足取りで歩み寄り、


「お、お義祖父(じい)さま!」


「どうぞこちらに」


フィオナとメイが、慌てて彼をソファに誘導して

座らせる。


「あれ? お義祖母(ばあ)さまは?」


そこへ、人数分の飲み物を持って来たアルプが

疑問を口にすると、


「ああ、それはのう。

 シッカ伯爵令嬢、グラノーラ令嬢と共に、

 フィオナ様の母上であるアルフリーダ様が

 引率して、男連中と別れたので―――

 心配する事はなかろう。


 なに、すぐに来るよ」


老人の言う通り、妻のクレア・ボガッドとも

一緒に来ていたのだが、


アルフリーダに連れられ、途中から男性陣とは

行動を別にしていたのである。


「しかし、アキハバラというのは不思議な

 街だったね。

 異世界だというのに、侍女(メイド)の格好をした

 女性がそこかしこにいて……」


「しかもそういう事を売りにしたお店で、

 働いているんですからね。


 身分差が無いという事は、こういう事も

 自由に出来るのだと感心しました。


 私たちも、あちらの衣装で出歩いていても

 あまり違和感は感じられませんでしたし」


フィオナ・アルフリーダ母娘の提案で、

彼らは地球の衣装ではなく、あちらの格好で

一通り歩いて来たのだが、

(武装だけはダメだという事で置いて来た)


ちなみに現地に到着するなり、そこかしこから

写真を要求され―――

彼らは困惑したものの、


アルフリーダの手により、カメラやビデオの

記録と、その持ち主の記憶を抹消し……

さらに認識阻害も追加して、

『そこにはいなかった』という事に改ざん

されていた。


「……ん?」


フィオナは自分の端末にメールが届いた事を

確認し、


「あー、ママたちそろそろ帰ってくる

 みたいです。


 そうしたらここで食事をした後、着替えて

 ちょっと外出しましょう、と言っております」


「そうですか」


「では、それまでゆっくりしてください」


フィオナとメイの言葉に、貴族の青年二人と

老人はくつろぎ始めた。




「では、行きましょうか」


「こちらのドレスもなかなか素敵ですわね」


ブロンドと真っ赤な長髪を持つ、レイシェンと

マルゴットは、


それぞれ、アルフリーダに付き添われて購入した

ミモレタイプのドレスに身を包み、


マンション最上階のエレベーター前で待機

していた。


「窮屈かと思っていたけど、意外と

 動きやすいなあ、これ」


「そうですね。

 機能性はかなりあります」


そしてレンジとバートレットは―――

モデルのようにシックのスーツを着込み、


「ぼ、僕は未だになれませんね。

 格好もそうですけど、その」


声の主、アルプは地球ふうの装いながらも、

外見は17・8才ほどの少年になっていて、


「大人じゃなければ行けないところに、

 行くそうですので……


 しかし、私やこの人までこんな」


「そ、そうですなあ」


困惑しながら老夫婦は語るが、そこには

二十代後半と思われる夫妻がおり、


「おぉ~……

 若い頃のお義祖父さま、さぞかし

 モテたでしょうねえ」


「お義祖母さまも―――

 シッカ伯爵様やグラノーラさんと、

 遜色ないですわ」


アルフリーダの力によって若返らせられた

彼らは、美男美女の夫婦となっており、


それを見たレイシェンとマルゴットは、

それぞれの夫の腕に抱き着いて、


「わたくしたちも、ボガッド夫妻のように

 一緒に仲良く年を取っていきましょうね、

 レンジ様……♪」


「バートレット様も―――

 末永くよろしくお願いします」


そして残ったカップル組、アルプとその

妻二人、フィオナとメイも、


「アタシもずっと幸せにします!」


「わ、わたくしだって!」


するとそこに、いつの間にか現れた

アルフリーダの夫である、褐色肌の

青年がコホン、と咳払いして、


「ユニシス様!?」


「お久しぶりです、ユニシス様!」


一度、向こうの世界で手合わせをした事のある

軍神の登場に、レンジとバートレットは(ひざまず)く。


「あ、こっちにはあくまでもプライベートで

 来ただけだから……

 限理神・マファーダの件では娘が世話に

 なったね。


 じゃ、行こうか」


そうして、夫婦神を先頭に―――

エレベーターで一階まで降りた彼らは、

とある場所へ向かった。




「えーと……」


「ここは?

 宿泊施設のようですが」


「少人数用に分かれておるようじゃのう」


貴族青年たちと商人の男は、数々のモニターを

見ながら首を傾げる。


「では、ここから先はカップル組で、それぞれの

 お部屋へ向かってください」


「お泊りコースで取ってありますから」


慣れた感じで、フィオナとメイが取り仕切る。

そしてアルフリーダが女性陣に、


「じゃあ、ここはたいていの『設備』は

 あるから―――

 あと持って来たグッズで楽しんで来て

 ちょうだい」


「あの、アルフリーダ様」


不安そうにマルゴットが話しかけると、


「大丈夫。

 ちゃんとお部屋に入ったら発動するように

 しているから。


 年齢がいろいろと面倒なのよねー。

 あ、チェンジする時はスマホに連絡

 入れてね」


「これ、ですわね……

 しかしどこでも会話がつながるなんて、

 すごいです」


レイシェンは用意されたスマホ端末を前に、

目を白黒させる。


「では行きましょう!!」


「「「「はいっ!!」」」」


女性陣は女神(母)の声に呼応すると、

それぞれのパートナーを引っ張るようにして

各自の部屋へと向かった。




「わわっ」byアルプ


「ん?」byレンジ


「えっ?」byバートレット


「な、何?」byローン・ボガッド


そして部屋に入ったカップル組の男の方は、

その途端に驚いた声を上げる。


自分の妻にあたる女性が、扉をくぐった途端……

どう考えてもローティーンくらいの姿になって、


「ママに頼んでこうしてもらいました!」


「いつもと逆転したこの感じ―――

 いやあ、いつやってもいいものですねえ」


すでに何度もそういうシチュを経験していた、

フィオナとメイは満足そうに答え、


「確かこの身長に合う服を持ってきて

 いたんですよ」


レイシェンはごそごそとそのままバッグを

開け始め、


「あと、その……

 い、いろいろとここはありますので、

 どんな事でも……♪」


マルゴットは拘束系の設備にバートレットを

誘い、


「ふふ、アルプちゃんと同じくらいの

 年齢かしら、今。


 あ、それとあなた―――

 後で『交代』出来るようにもお願いして

 いますから、


 今晩はたっぷり楽しみましょう」


クレア・ボガッドはイタズラっぽく

笑うと……

長年のパートナーの頬に口付けをした。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在8263名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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