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33・真面目でクールな外見とは裏腹に

( ・ω・)次章はエピソード章になりそう(予定)


日本・とある都心のマンションの一室―――


褐色肌・短い黒髪の青年と、グリーンの髪と

瞳を持つ少年が相対して座っていた。


「まあまあ、そう緊張しないで。

 僕は妻の付き添いで来たようなものだし」


「い、いえ……

 これから家族になるのでその、何ていうか。

 今はまだ眷属ですけど、神様にもなっちゃうん

 ですよね?」


新しく義父になるユニシスと―――

娘の結婚相手であるアルプは、


天界で行う結婚式の打ち合わせと準備のために

地球のマンションに来ていた。


「そこはまあ、僕も元人間で元眷属だしね。

 目の前にサンプルがいるんだし、そう変に

 身構える事も無いさ。


 それに今は天界も採点方式を取り入れて

 いるから、神様になる事自体はそんなに

 難しくはないんだよ」


「今は……という事は、お義父さまが神に

 なられた時は、違ったのですか?」


娘婿として軍神に問う少年に、


「あー、『神になるための試練』とか、

 いろいろあった気がする。


 今より、人間が神になるのに風当りが

 ちょっと強い時代だったしね。


 ただ僕の場合は(アルフリーダ)から加護をもらっていたのも

 あって、あんまり問題にならなかったけど」


彼は懐かしむように事も投げに答える。


「そういえば、お義母さまのお帰りが

 遅いですね。


 フィオナ様もそうですけど―――」


そこへ、のそりと長毛種のようなシルバーの

毛並みの猫が現れ、


「女性同士の買い物だとどうしても、

 ですねえ。


 アルプ君やメイさんのお母さんも同行して

 いるんですし、どこかで話で盛り上がって

 いるんじゃないでしょうか」


実は、今回家族となるアルプとメイの母も

買い物に同行していて……

ナヴィの言う通り、喫茶店で話に興じていた。




「へー、ママの時って結構大変だったん

 ですね」


「そうなのよ。

 あの時は神様の中でも頭が固い人が

 多くて多くて」


黒髪セミロングの、やや目付きの悪い

少女が―――

母である金髪ロングの抜群のプロポーションの

女性に声をかける。


「まあ、身分差というのはどうしても

 ありますからね」


「まして神様となんて……

 想像もつきませんわ」


娘と同じ銀のややウェーブのかかった

セミロングの髪を持つ、レン・ネクタリンと、


アルプの母であり、息子と同じグリーンの

髪のソニア・ボガッドが同調してうなずく。


「でもそれじゃ、説得って大変だったんじゃ

 ないですか?」


フィオナと同じ夫を持つ予定の、メイが

アルフリーダに聞き返すと、


「まー、その時は私がうまくやっておいた

 からね」


「具体的には? どんな交渉を?」


実の娘から問われると、


「折るんだよ……心をな……」


「そして折ったんですね、わかります」


彼女の回答にメイがうなずく。


「覚えておきなさい……

 脅迫と言うのは時として、最高の交渉術と

 なるのよ……!」


そして人生経験からか、その言葉に他の母親

二人も、深々と納得したように頭を下げる。


「まあでは、そろそろ―――

 本編スタートしましょうか」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




「ああ、あの時狙っていた2人が結婚なんて……

 月日が経つのは早いものだわ」


「……お姉さま、結婚するのは私たちも

 同じ……」


アルプの実家である果樹園の家で、トーリ財閥の

姉妹、シンデリンとベルティーユが、出された

果実を食べながら語り合い、


「しかし相変わらず極上の美味しさですね、

 ここの果物は。


 さすがは女神様と、その眷属が作り出した

 もの―――」


彼女たちの従者であり、そして夫となる予定の

ネーブルも、その果実に舌包みを打つ。


「そういえば同じく結婚する、侯爵様や

 伯爵様の姿が見えませんが」


女神の第一眷属であり、恋人であるファジーが

周囲を見回すと、


「あれ? さっきまでいたんだけど」


「もう代官館へ戻られましたよ。

 シッカ伯爵令嬢、マルゴットさんと一緒に。


 身分も違いますから、対応に追われまくって

 いるんだと思いますよ」


フィオナの疑問に、同じ男と結婚予定のメイが

答える。


「連合国の歴史でもかつてない、お祭り騒ぎ

 ですからね。


 女神様の結婚に加えて―――

 バクシア、ルコルア、ミイト、

 シフド、オリイヴ……

 それらの国の方々が一斉に結婚するん

 ですもの。


 以前、我が国の陛下とバクシアの姫君の

 結婚式がありましたけど、それを上回るものと

 噂されておりますわ」


アルプの母、ソニアが飲み物を持って室内へと

入ってくる。


今回、トーリ財閥の姉妹が来ているのは、

その準備のためで、


バーレンシア侯爵とシッカ伯爵令嬢、

ビューワー伯爵とグラノーラ令嬢、


シモンとポーラ、

ファジーとミモザ、

メルリアとキーラ、


ネーブルとシンデリン・ベルティーユ姉妹、


そして女神・フィオナがメイと共にアルプとの

結婚式を、


ここフラールで合同で行うために、国を挙げて

取り掛かっていたのである。


「てゆーかミモザさんたちは?

 まだこちらに来ないんですか?」


女神の少女が義母(予定)が持って来てくれた

飲み物に口をつけながら聞く。


「あー、2人とも平民ですからね。

 自国の王族も参加しますし、その時の礼儀とか

 マナーとかを学ばなければならないので」


「……今、トーリ財閥の手の者がコーチに

 行っている……


 準備は任せて……」


ロングのバイオレットヘアーの姉と、同じ髪の

色の日本人形のような妹がそれに答える。


「しかし、序列上位国から下位国まで―――

 しょれに、人間に女神に獣人族。


 よくぞここまでカオスになった

 ものでしゅねえ」


銀髪の美少年、ナヴィが感心するように

語ると、


「みんな恋人作ってるんだもんなー。


 カガミも誰かいないかなー。

 獣人族でも物怖(ものお)じしないような、

 どこかの女神の付き人とかー」


赤茶のツインテールの獣人族の少女、

カガミがチラチラとナヴィの方を見ながら話す。


「あー、ダメよそれは。

 だってナヴィ、もうあっちで妻予定の相手が

 5人いるのよ?」


「「「「……は?」」」」


フィオナの説明に、地球(あちら)での状況を知らない

4人が同時に反応する。


ちなみにアルプとソニア、メイは―――

身内として地球にお呼ばれする機会が多いので、

知ってはいたが、


「あの、今それを言わなくても」


「一気に話題を持っていかれますよ?」


夫予定の眷属とその母は女神をたしなめる。

しかし、


「そ、その話詳しく!

 相手って全員女性!?」


「女性に決まっていましゅよ。

 何考えているんでしゅか」


「……これは思わぬ伏兵……

 真面目でクールな外見とは裏腹に……

 私生活は……!」


「風評被害やめましょうお嬢様」


トーリ財閥の姉妹の暴走に、夫予定の従者が

割って入るが、


「そ、それならもう1人いてもいいじゃん!

 5人も6人も同じだよ!!」


もう一人、カガミが突っ込んで来て、


「あーもう無茶苦茶ですね」


「誰のせいだと思っているんでしゅかね……」


フィオナに抗議の声を上げるも、ナヴィへの

追及はしばらく続けられた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在8045名―――




―――12章へ続く―――




( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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