32・別に死んだり痛い事とかは無いので
( ・ω・)あと一章くらいはあるかな?(未定)
日本・とある都心のマンションの一室―――
黒髪セミロングの、やや目付きの悪い少女と、
同じくらいの年頃の、黄色に近い首までの長さの
金髪をウルフカットにした、半人半獣の狐耳の
同性が相対していた。
「ようやく、あの4人の『封印』されし箱の
内容はつかめました……
あとはワーフォックスちゃんでこんぷりーと
なのですよ」
「だから私にはそういうの無いんですってば。
邪神ちゃんたちが私に預けたのは、そういう
理由だと言っていたでしょうに」
女神・フィオナと獣人の少女ワーフォックスは、
例の『封印』されし箱について語り合う。
「まあ確かにあなたの場合、本能が服を着て
歩いているような存在ですから―――
黒歴史みたいなものは無いんでしょうけど」
「フィオナ様だって欲望に忠実……ゲフンゴホン、
それは野生に近い種族の宿命と思って
頂かないと」
思わず本音が出そうだったワーフォックスは
途中で止め、話題を反らす。
「それにしても、あなたたちがタワマンなのに、
娘であるアタシがこのままこのマンション
暮らしっていうのはねー。
まあアタシもココ気に入っているから、
別にいいんですけど」
飲み物を口に付ける女神に、獣人族の少女は、
「でもそういう事を言っていると、
アルフリーダ様の事ですから―――
『じゃあいっそこのマンション一棟まるごと
買い取ろうかしら』
って事になるんじゃ」
「いやーまさかママでもそこまでは……
しない……よね?
ねえそうでしょそうだと言って」
「私に確認しないでください!
余計不安になります!
とと、とにかく―――
本編スタートしましょう」
│ ■コザイ国・某所遺跡 │
地球、自分の部屋のPCを通じて……
フィオナは『アンカー』たちへ語り掛ける。
【 今回は2ヶ月ちょいくらいか? 】
【 もう決着はついたのか? 】
【 てかボス戦に2ヶ月って、
長期戦過ぎるだろ 】
いつもの毒のある応酬をくらいながらも、
「いえ、もう決着はついたんです!
眷属のコたちも取り返しました」
【 おー、良かったじゃん 】
【 あれ?
じゃあ何で俺たちに用があるんだ? 】
当然の疑問を『アンカー』たちから持たれ、
「そ、それがですね。
戦後処理といいますか」
すでに限理神・マファーダは倒されており、
その処分に頭を痛めていると説明すると、
【 前世と来世……
その設定、まだ生きてたんだ? 】
【 しかし悲惨だな、マファーダとやら。
まさか莫大な量の魔力と引き換えに召喚
したのが、飴と焼き芋の包み紙だとは 】
【 そりゃ確かに、それで殺したんじゃ
後味悪いわなぁ 】
限理神に同情的な意見が『アンカー』たちからも
出され、
「ただ危険度は間違いなく、今までで一番
高かったんですよ。
また魔力を溜めたら悪さしないとも限り
ませんし―――
それにお咎めナシ、というのも」
その言葉に『アンカー』たちは、
【 あー、再発防止も兼ねて? 】
【 ある程度弱らせるペナルティが必要かも 】
【 てか、引き取り先は女性魔族たちって事で
OK?】
「あ、一応男性魔族もいますよ?
有力なのが2名ほど……
フォルドとワーダーっていうんですけど。
今回の企みは、この方たちの魔力や魔法制御
あってのものだと聞いてますし」
【 んー、
じゃあこっちも何とかした方がよくね? 】
【 だよなあ。
マファーダだけじゃ不安が残るし 】
【 後顧の憂いを断つためにも――― 】
そうして議論は進められていき、
「ふーむ……
では、マファーダだけではなくその部下2人も
対象という事で。
じゃあ行きますよ!
『アンカー』は今のスレで500!
―――さあ、アタシを導き給え……!!」
フィオナは『アンカー』を指定し、
その時を待つ。
そしてその答えは―――
>>500
【 今ってアルフリーダいるんだよな?
じゃあ…… 】
その後、『アンカー』の通りの処分が
実行された。
「それでどういう事なのだ、これは!」
「同じく!!」
「どうして我らまで!?」
限理神・マファーダとその配下である、
フォルドとワーダーは、抗議の声を上げる。
だがその声は甲高い子供のそれで、
「はいはい、大人しくしてくださいませ♪」
「ちゃんと私たちが面倒を見ますので―――」
テクスとエクシルが笑顔で答える。
彼女たちを含む女性魔族は、主人である
マファーダ、そして配下の男性魔族を
『抱き上げて』いた。
「見事にちっちゃくなったねえ」
「さすがフィオナ様の母上」
バーレンシア侯爵とビューワー伯爵が、
その光景を見ながらつぶやく。
「まぁねぇ?
だって、魔力も能力も弱体化させるには、
こうしちゃうのが一番だしー」
「こうなってしまえば、たとえ限理神といえど
何も出来まい」
アルフリーダとユニシス……
フィオナの両親が揃って語る。
「僕たちより小さくなってない?」
「そう、ですね。
見た感じ、7,8才ってところでしょうか」
アルプとファジーも、幼くなった彼らを見て
しみじみと話す。
「魔族の女性陣とは、すでに話がついて
おりますし」
「ウン。彼女たちに任せておけば、
問題は無いんじゃないかなー?」
それにシッカ伯爵令嬢とカガミが続き、
「ちょっと待って?
余は何も聞いていないんだけど?」
抱き上げられたまま、限理神は聞き返す。
「いえ、私たちが監視するという名目で、
マファーダ様およびフォルドとワーダーの
面倒と責任を持つ事になりましたので」
「今しばらく私どものオモチャ―――
もとい、指示に従って頂ければ」
テクスとエクシルの説明に、他の魔族の女性陣も
にこやかな表情となる。
そして『離さんかー!!』『おろせー!!』
『やめろー!!』という彼らの声と共に、
彼女たちも遠ざかり、
「えーと、パパ?
あれはあれでいいの?」
フィオナが父親に問うと、
「まー、僕たちも通った道だしね」
「別に死んだり痛い事とかは無いので、
大丈夫だと思いましゅよ」
達観したような目でユニシスとナヴィが
それを見送り……
こうして限理神・マファーダとの決着と、
アルプ・ファジーの救出は、一応の解決を
見たのであった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8021名―――
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【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】
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