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31・良かったでしゅね

( ・ω・)何か会社で自分のデスクに、

小虫が出現するようになったのだが

(消毒済)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、

各ボディパーツの凹凸が目立つ長髪のブロンドの

女性、


そしてシルバーのロングェーブの髪の女の子が、

三方向かい合うように座っていた。


「んで?

 ママ、話ってなーに?

 タワマンへの引っ越しの件?」


「それあなたに関係ないじゃないの、

 フィオナちゃん。

 それに、それならメイさんも呼んだり

 しないわ」


女神の母娘の会話の横で、第三眷属の

妹であり共通の夫を持つ少女がもじもじ

しながら、


「す、すると今回……

 わたくしが呼ばれたのは?」


彼女の問いに、アルフリーダは大きな胸を

大きく張り、


「もちろん!

 あなたたちの結婚式についてです!


 人間界でも行うでしょうが、この際

 天界でもやっておいた方がいいかなって」


その答えに、新しく妻となる二人はそろって

『おおー』と声を上げる。


しかし人間の方の妻は何かに気付いたように、


「……ててて、天界で、ですか!?

 そ、それって神様にわたくしが

 混じって……!?」


動揺しながら言葉を発するメイに、


「まーまー、大丈夫♪

 パパも最初は戸惑っていたけど、すぐに

 慣れちゃったから」


「そーそー。

 それにその結婚式が終われば、毎晩

 子作り☆ワッショイで毎晩めくるめく

 「ピー!」で「ピー!」な生活が待って

 いるんだから―――

 どうって事はありませんって!」


「そっそうですね!

 そのモチベーションさえあれば、どんな

 難題でも……


 でもアレ?

 フィオナ様とわたくし、アルプ君がそろった

 場合はいつもだいたいそんな感じでは」


女神母娘の指摘に、人間の少女は現実に戻って

聞き返すが、


「あらあら、何を言っているのかしら?

 今のは結婚前、つまり前哨戦(ぜんしょうせん)……


 恋人同士から夫婦になる、この意味が

 わかっていないようね」


「そうですよ!

 言ってみれば今の状態はまだ非公式、

 愛を確認し合っているようなもの―――


 しかし!

 結婚さえしてしまえば、全てが合意と

 なるのです!!」


アルフリーダとフィオナの熱意に飲まれ、

メイはその流れに乗るように、


「そ、それは例えば、どんな」


その質問にアルフリーダがフッ、と

軽く息を吐いて、


「恋人期間……

 それは甘酸っぱい、互いの駆け引きを

 楽しむようなもの。


 でもそこには―――

 まだ相手を気遣う、もしこんな事をして

 この人に引かれたら……

 という不安も入り混じっているのは否定

 出来ないわ」


そこで新妻となる予定の二人はゴクリと

喉を鳴らし、女神の母の方は続けて、


「でも!

 結婚さえしてしまえば―――

 欲望全開ぶっちぎり!


 何をしても! されても!!

 それは愛するがゆえの行為として

 許される……!


 そのハードル・境界線こそが、

 結婚前・結婚後の『違い』なのよ!!」


握りこぶしを作ってガッツポーズのような

構えを取るアルフリーダに、フィオナとメイの

二人は拍手を送る。


そしてそれを、遠くから見つめる二つの

影―――


銀髪の美少年と、褐色肌の青年が寄り添い

ながら、


「……という事を仰っておりますが、

 どうでしゅか? ユニシス様」


「確かに、正式に結婚した後―――

 『アレしていい?』『これやっていい?』

 とは聞かなくなったような。


 まあ気にしてもしょうがない事だから、

 とっとと本編スタートしようか」




│ ■コザイ国・某所遺跡 │




「さて、じゃあこれから……

 限理神・マファーダの処分を決める

 わけですけど」


フィオナが主導して、宣言するように語るが、


「あ、お、終わりました?」


「バーレンシア侯爵様とビューワー伯爵様、

 少し横になっている間に眠ってしまわれ

 ましたけど」


第一眷属の少年・アルプと、ブラウンの

短髪にたれ目がちの少年がおずおずと答える。


「結構時間がかかったね、ママ?」


「あ~……

 こ、こういのはお互いの主張がね?

 みんなそれなりのこだわりがあるし」


実は、限理神に今後の裁定を下す前に―――


突然アルフリーダが、

『ね、そんな事より先にアルプちゃんと

ファジーちゃんのお話ししない?』

と切り出し、


アルプとファジーの扱いについて、神・魔族・

人間の女性陣でなぜか会議を行う流れになり、


結構それに時間がかかり……

男性陣は待機させられていたのである。


「お、お待たせー」


「お互い、納得のいくまで議論出来ましたわ」


マファーダの部下であるテクスとエクシルの

言葉に、


「お待たせって……

 本当に待たせ過ぎだろう」


「いったいどうして、そこまで話し込む事が

 出来るんだよ」


同じく魔族サイドのフォルドとワーダーが、

抗議の声を上げるが―――


その肩をそれぞれ、頬にクロスの傷を持つ

侯爵と、銀髪の若々しい見た目のアラサーの

伯爵がポンと叩いて、


「まぁまぁ。

 人でも何でも、女性同士の話に首を

 突っ込むのはダメだって」


「決着がついたのであれば……

 それでいいでしょう」


いつの間にか起き上がって、二人の男性陣が

同性として彼らを気遣う。


「も、申し訳ございませんレンジ様。

 つい白熱してしまいまして」


女性剣士といった体のレイシェン伯爵令嬢も、

魔族女性の二人に続いて謝罪する。


「あー楽しかった!」


「良かったでしゅね」


一方で、赤茶のツインテールをした獣人族の

少女・カガミは罪の意識をおくびにも出さず、


それを自然にナヴィがスルー、もとい

受け止めていた。


「で、その~」


「ウチの主についてなんですけど」


テクスとエクシルがおずおずと話を切り出すと、


「う~ん、まあ―――

 復讐も魔力を無駄に使って終わったみたい

 だからねぇ。


 さすがにこれで殺してしまっては、後味が

 悪いし」


ユニシスは、(フィオナ)の攻撃でボロボロになった

限理神を前に複雑な表情になる。


「かと言って無罪放免も、ねぇ」


「確かにアルプとファジーを誘拐した事は

 許せませんけど……

 新しい見方を発見してくれた事で、功罪

 両面あるとアタシは見ています」


女神の母と娘も、その処分に苦慮(くりょ)している

ようで、


当のマファーダは『もう好きにしろ』状態で

会話に加わらず、沈黙する。


「限理神を直接倒したのは、フィオナ様だと

 聞いておりますし―――」


「ここは女神(フィオナ)様の裁定に従った方がいいのでは」


侯爵と伯爵、人間側の男性陣二人の言葉に、

全員の注目が集まり、


「ま、まあそうですね……


 ここは1つ、彼らに出番を与えてあげる

 事にしましょうか!


 そう、『アンカー』に―――」


そしてフィオナは地球、自宅のPCへと

意識を飛ばした。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在8004名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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