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30・ホントにどうなってんですかお宅の家庭

( ・ω・)涼しくなった途端、蚊が大発生

(蚊がいなくなる系のスプレー復活)


日本・とある都心のマンションの一室―――


黒髪セミロングの、やや目付きの悪い少女と、

黒の長髪を後ろでポニーテールにした、和装の

少女が向かい合う。


「で、どうなんですか悪霊ちゃんの

 『封印』されし箱は……」


「……そうですか。

 アレを見つけてしまいましたか。


 人類の叡智(えいち)と経験の結晶―――

 その裏側ともいえるものを……」


悪霊と呼ばれた少女は、両目を閉じて目前の

女神に答える。


「まあ見つけたっていうよりは、事の次第を

 ワーフォックスちゃんから聞いただけでね。


 だから中身はまあ、全部本人からしか

 聞いてないってゆーかー」


「……邪神ちゃんもサキュバスちゃんも、

 堕天使ちゃんも……

 まあそれぞれお国柄がありそうですけれど……


 ただあたくしのは一筋縄(ひとすじなわ)ではいきませんよ?

 何せHentaiの宗主国……

 この国の歴史と闇の部分の凝縮で

 ございますから……」


その言葉にフィオナは、首を大げさに

上下に振って、


「わかりますわかります。


 もし外から妙な宗教とか教えとか入って

 来なければ―――

 いったいどれほどの変態に成り()げた

 ことか……!」


「もともと性についてはあまり厳しくなかった

 国でありますからね、ここは……


 たいていの古典を紐解(ひもと)けば、ほとんどの

 ルーツは揃っておりますし……


 堂々と―――

 『今、あなた方が立っている場所は、

 五百年から千年前に我が国が通過した場所

 でしてよ?』


 こう言える国は少ないでしょう……」


そしてお互いに少女たちはウンウンと

うなずき合う。


「それで悪霊ちゃん。

 肝心の悪霊ちゃんの黒歴史もとい―――

 『封印』されし箱の事をまだ説明してもらって

 いないんですけど?」


「……やはり誤魔化せませんか……


 いえ、あたくしが好きなのはやはり拘束系……

 するのもされるのも……


 ですが一番至上なのは……!」


「至上なのは……!?」


ゴクリと息を飲む女神に悪霊は続けて、


「拘束した者同士をあたくしの好き勝手に

 する事です……!


 動けない者同士を自分の思い通りにし、

 そのありようを鑑賞、または参戦する……

 そしてナヴィ様にはあたくしを含めて5人の

 相手がおりますゆえ、手法は無限大……


 ちょうどフィオナ様もアルプ様ともう1人、

 妻がいらっしゃる事ですし……

 試してみてはいかがでしょうか……?」


「お、おお……!

 それは確かにプレイの幅が広がりそうです!


 今度メイさんに頼んでやってみましょう!

 ゲヘゲヘゲヘ……!!」


彼女の提案に女神はヨダレを拭き―――


そしてその光景をいつも通り……

シルバーの短髪の美少年と、髪と瞳がグリーンの

第一眷属が見ていて、


「アルプ君―――

 嫌なら嫌と言っていいんでしゅよ?

 私が張ったおしましゅから」


「い、いえそんな事は」


「まあ、ほどほどにするよう後で言って

 おきましゅか……


 ではそろそろ、本編スタートしましゅ」




│ ■コザイ国・某所遺跡 │




「おっしゃー!!

 やーっとこのクソ固い結界を壊せたわ!


 フィオナちゃん大丈夫!?

 まだ無事!?」


モデルのように長身の、抜群のスタイルの

ブロンド美人が大きな声と共に降り立った場所。


そこにはいくつもの土で出来た壁と、さらに

それには無数の穴が開いていて、


「あ、ママ」


「お願いです攻撃を止めてください命だけは

 どうか助けて」


そして二名の声がした方向には―――


特殊部隊のような武装の少女がサブマシンガンを

構え、


その銃口の先の土壁の向こうからは、弱々(よわよわ)しい

言葉が返ってくる。


「ステイステイ、フィオナちゃん。

 相手どう見ても降参状態」


「じゃあ、これくらいにしてやりますか。

 アルプとファジーも無事なようですし」


そこで限理神・マファーダと女神・フィオナの

戦いは幕を閉じ……


次元空間の外、元の遺跡地下へと場所を移す

事となった。




「フィオナ様!」


「ご無事でしたか!」


まず頬にクロスの傷を持つ侯爵と、シルバーの

短髪の伯爵が駆けつけ、


「さすがはアルフリーダ(しゃま)

 間に合いましゅたか」


「ええ、何とか(フィオナが限理神を〇す前に)

 間に合ったわ」


ナヴィも出迎え、ホッと一息つく。


「しかし、マファーダの魔力はほとんど

 感じられないが……

 ちょっとやり過ぎじゃないかな、ママ」


夫である褐色肌の軍神が、ボロボロになった

限理神を見てさすがに同情するが、


「いや私じゃないからねコレ!」


「えーでも、遠回しにママがやったとも言える

 ような」


母が抗議の声を上げるも、娘は消極的にそれを

認める感じで、


「ああ……

 ()はいったい、どれだけの時間と魔力を

 何のために……」


マファーダは事の次第を思い返して、つぶやく

ように言葉を発する。


「えーっとね、それは」


「アメと焼き芋を召喚するために頑張って

 いたのよ」


フィオナ、アルフリーダと―――

女神母娘からとどめのような説明をされ、


「ホントにどうなってんですかお宅の家庭!!

 敵とか味方とかじゃなくてですね!!

 ちょっと娘さんに対する扱いが厳し過ぎると

 言いますか何というか……!!


 お父さんも妻に何か言いなさいよもう!!」


やや逆切れのような反論がユニシスに向かう。


「あ……う、うん?

 まあこれについては弁解のしようもないと

 言うか―――


 ママ、取り敢えずフィオナの前世と来世を

 元に戻してあげなさい」


「はーい、わかったわアナタ」


そこでアルフリーダは精神統一のように

目を閉じ、何やら唱え始め……


「あ、あとフィオナ。

 あっちにいる女性陣を呼んできなさい。


 今後の事についても話し合わなければ

 ならないし」


「はーい」


そして改めて女神一行と魔族の間で、

『話し合い』が行われる事となった。




「アルプ、ファジー!」


「フィオナ様!」


「フィオナ様ー!!」


解放された第一眷属と第二眷属の少年が、

女神に抱き着く。


「頑張ったね」


「限理神・マファーダはフィオナ様が

 成敗された。

 安心するといい」


バーレンシア侯爵とビューワー伯爵が、

二人に説明する。


そして魔族側には、フォルドとワーダーが

加わり―――


元からいたテクス、エクシルと合流していた。


「じゃあ、僕も行くか」


そこへユニシスが足を進め、


「元はといえば、私たちの因縁っぽいですしね」


次いでアルフリーダも、用意されたテーブルの

席に着き……

それをこの世界の住人たちは固唾(かたず)を飲んで

見守った。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7989名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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