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22・何でアタシ強制参加って事になってんの?

( ・ω・)古新聞ってアマ〇ンで売っているのか

(雨で濡れた靴乾かし用)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、

首までの長さの髪をウルフカットにした同性が、

その黄色に近い髪をなびかせながら向き合って

座る。


「そーいえばワーフォックスちゃんの準備って

 進んでいるの?」


「準備? 何の?」


「いやいや、タワマンへの引っ越し準備ですよ。

 荷物とかいろいろあるでしょう?」


フィオナの指摘に、獣人の少女は首を傾げ、


「んー、でも私、基本的に野外に住んでいます

 からねえ」


「そういえばそうだった……ん?」


と納得しかけたところで、女神はある事に

気付き、


「でもワーフォックスちゃん、ママが保証人に

 なっていませんでしたっけ?

 それでマンションに住んでいるんじゃ」


「そーだね。

 でもまあそれは、働くにあたって

 住所未定じゃマズいって事でもあったし。


 それに最近はさすがに夜でも厳しいから、

 寝泊まりはしているよ。


 たださっきも言った通り、野外がデフォの

 生活だったからさー。

 荷物らしい荷物は無いんだよね、これが」


それを聞いてフィオナもうなずき、


「まあ、そういう事でしたら―――


 でも本当に何も無いんですか?

 化粧品とか、洋服とか小物とか」


「そりゃ最低限の物はあるけどさ。

 野良猫に近い生活していたからねえ。

 まあ文明的にはほど遠いかな?


 あ、でも……

 預かり物はあったような」


そこで女神は首を傾げ、


「預かり物? ワーフォックスちゃんに?」


「ほら、他の4人の荷物だよ。

 邪神ちゃんたちの」


「?? 何で他の4人の荷物を?」


重ねてフィオナが質問すると、


「さっきも言った通り、私の部屋って荷物が

 極端に少ないんだよねー。


 だから何ていうかさー、『アレ度』が限界突破

 した物とかは、私の部屋に預かって欲しいって

 置いていくんだよ。


 だから今は計4個の『封印』されし箱が

 あるのさー」


「おおう……


 邪神ちゃん、サキュバスちゃん、

 堕天使ちゃん、悪霊ちゃんの

 『封印』されし箱ですか。


 いやでも何で? いくら多いって言っても、

 別にそれぞれの部屋を圧迫するほどでは無いと

 思うんですけど」


女神が聞き返すと、獣人の少女は

両腕を組んで、


「いやいや、フィオナ様。

 誰しもホラ、彼ピッピを自宅に招く妄想とか

 抱くものでしょ?


 そこにあってはならない欲望MAXなブツは

 置いておけなかったんじゃないかと」


「な、なるほど―――

 勉強になります!


 でもワーフォックスちゃんはそういう妄想は

 抱かないものなんでしょーかっ?」


質問を重ねる女神に、彼女は胸を張って、


「だって私は元々野生本能一直線ですから!

 いつでもバッチ来いですよ!」


「むぅ……

 文明人としては参考になりませんが、

 その欲望への忠実さ、アリだと思います」


そしてそのやり取りを銀髪の美少年―――

ナヴィが遠目で見つめ、


「しゃて、それではそろそろ……

 本編スタートしましゅか。


 ……はぁ」




│ ■コザイ国・王都王宮 │




「じゃあまず、欠けてはならない戦力と

 しましては……


 バーレンシア侯爵、ビューワー伯爵、

 シッカ伯爵―――


 そしてナヴィにカガミさん、この5人は

 絶対に外せません」


女神一行にあてられた、王宮内の部屋にて……


敵の本拠地に向かうメンバー選定で、女神はまず

戦力順に発表する。


それを聞いた頬にクロスの傷を持つ侯爵と、

実年齢より十才は若く見える伯爵が頭を下げ、


金髪の女騎士の体の伯爵令嬢も、続けて

うなずく。


「まあ妥当でしゅね」


「よっし!

 カガミ、ひと暴れして見せるねー」


女神の従僕の後に、赤茶のツインテールの

獣人の少女が気合いを入れ、


「それで、ソニアさんとマルゴットさん、

 メイさん、ミモザさんについでですが……


 非戦闘員という事で、今回の同行は

 見送らせて頂きます」


「まあ……仕方がありませんね」


「今回ばかりは」


「わたくし、ただの徴税官(ちょうぜいかん)の娘ですし」


「相手を探る段階じゃねーし、

 アタイが行っても意味ねーからな」


フィオナの続けての発表に、息子と同じ

グリーンの髪を持つソニアと、


真っ赤な長髪を持つマルゴット、


銀のロングウェーブの、女神と同じ夫を

持つ少女、


ブラウンの髪の三白眼の少女、ミモザが

両目を閉じたまま同意する。


「まあ、それはいいんだけどね。

 ただ万が一の時の対応は決めておきたい」


「万が一、ですか?」


バーレンシア侯爵の発言に、恋人である

レイシェンが聞き返す。


「何せ相手も神様だからね。

 女神様の勝利を疑っているわけじゃ

 ないけど―――


 今回は救出が主だし、今まで通りには

 いかないかも知れない」


「確かに……」


今度はビューワー伯爵が、追認するように

言葉を繋ぐ。


「でも万が一と言いましても、どうやって

 対応を」


マルゴットもおずおずと意見を述べると、


「そうだね。

 女神様だけは絶対守らなければならない。


 これは最低条件だ。


 フィオナ様さえ逃がす事が出来れば、

 いくらでも巻き返せる手を考えて

 頂けるだろう」


「そうですね。


 では『その時』は、全身全霊でお守りする

 所存―――」


ビューワー伯爵が侯爵の後に続くが、


「ただ問題は、どうやって女神様を安全に

 撤退させるか。


 退却や撤収が戦いにおいて一番難しい。


 だからナヴィ様とカガミさんにそれを

 お願いしたいんだが」


「しょれは構いませんが、問題は移動時

 でしゅねえ」


「うん。カガミも守る事は出来ると思うけど、

 フィオナ様、足遅いじゃん?」


そして渦中の女神はというと、


「(アレ?

 何でアタシ強制参加って事になってんの?

 いや確かにアタシが狙いなんだろうけど、

 戦闘向きって言われたらどうかと)」


「(オイ、余計な事をしゃべるんじゃ

 ないでしゅよ。


 あなたは普通に参加に決まっているで

 しょうが。

 あとこういう時くらい、何か考えて

 くだしゃい)」


互いに無言でテレパシーのように語る主従。

そして女神の決断は、


「あ、ではちょっと『アンカー』ってきます」


「いきなり投げましゅたね。

 まあいいでしゅが、手短に済ませて

 くだしゃいよ」


そして地球、自分の部屋のPCを通じて……

フィオナは『アンカー』たちへ語り掛けた。




【 おっ? 何か今回は早いな 】


【 まだ2ヶ月も経ってねーぞ? 】


【 珍しい事もあるもんだな…… 】



いつものやり取りを彼らと済ませると、


「え、えっとですね。

 この前誘拐された眷属たちを、助けに

 行く事になりまして」



【 あー、あの2人 】


【 それで? 何の相談なんだ? 】


【 助ける方法とか? 】



話を進める『アンカー』たちに、フィオナは

説明する。



【 撤退方法、ねえ 】


【 ずいぶんと現実的だな 】


【 ってか、あの貴族様の提案か 】



「それで、どういう撤退方法があるかって

 話なんですけどー」



【 あれ? この女神自分の能力忘れてね? 】


【 お前ならいくらでも撤退可能だろ 】


【 物忘れは老化の一歩らしいぞ? 】



「んなななな……何でそこまで言われにゃ

 ならないんですかー!!


 じゃ、じゃあもう行きますよ!

 『アンカー』は今のスレで900!


 ―――さあ、アタシを導き給え……!!」


フィオナは半ば強引に『アンカー』を急ぐ。

そしてその答えは―――



>>900


【 転移って知ってる? 

 どうも女神様とやらが持っている

 能力らしいぜ? 】



「あ」


それを見た女神は放心状態になった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7868名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

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