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19・士気が異様なまでに上がっている

( ・ω・)クールタオルが手放せない

今日この頃(氷命)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い、黒髪セミロングの少女と、


シルバーのロングウェーブの髪の、同じくらいの

年齢の同性が、


ある物を挟んで対面で座っていた。


「これは……?」


「これはですね、本日アルプきゅんが来ていた

 Tシャツでございますよメイさん。


 洗濯機に入れず、1枚だけ取っておいた

 ものです」


女神・フィオナはもう1人の、同じ夫を持つ

少女に受け答える。


そして彼女の言う通り、一枚のTシャツが

そこにはあって―――


「あー……

 一緒に近くまで買い物に行きましたけど、

 わたくしたちは外国人顔なのか、すごく

 目立っていましたよね」


「アタシは黒髪黒目で、日本人とあまり

 変わらないのでいいですけど―――


 アルプはいろんな人からカメラ向けられたり

 写真撮られていましたからねえ」


そのやり取りの後、女神は改めてTシャツを

手に取り、


「そして今日はかなり暑かったですから、

 これはアルプきゅんの汗をガッツリ吸った

 極上の仕上がりになっております」


「ちょっと何言っているかわからない。


 いえ、今はアルプ君、昼寝しているから

 いいですけど……

 それをいったいどうするんです?」


フィオナの行動がわからず、メイは当然の

疑問を投げかける。


「本能に従うのです」


「はい??」


女神の言葉に、彼女は思わず聞き返す。


「ですから、(おの)が欲望のままに使うのです。


 着るもよし、顔を拭くようにして匂いを

 ()ぎ倒すのもよし―――


 解き放つのです、いろいろなものを!!」


「ちょっと何言っているかわからない。


 いえ、こちらの世界でどういう楽しみ方が

 あるのか、その多様性は理解していたつもり

 でしたけどこれはさすがに」


どういう対応をしたらいいか困っている

メイに、フィオナはずい、と顔を近付け、


「ならば知るのです。


 好きな人に抱きしめられ、包まれているという

 疑似体験……


 匂いという五感に直撃する妄想ツール……!


 どんなドラッグや嗜好品(しこうひん)も敵わない中毒性。


 この多幸感、快感を知らないなんて人生の

 8割を損しているわ!!」


メイはその気迫に押されて思わず身を

よけ反らせ、


「そ、それほどまでに……?」


「やってみればわかります、さあ」


そして少女たちはそのTシャツの裾をそれぞれ

つかんで、顔に近付け―――


無言ではあったが、やがて荒い呼吸音へと

変わっていった。


そしてそれを遠目で見る、銀髪の美少年と

グリーンの髪と瞳を持つやや年下の同性。


「ナヴィ様。

 あの2人は僕の着ていた服で、何をして

 いるのでしょうか……?」


「理解しようとしてはいけないでしゅ。


 風習も文化もあとその他いろいろが

 違うのでしゅ。

 私たちはただながめるだけにするでしゅよ。


 しゃて、そろそろ本編スタートしましゅね」




│ ■コザイ国・某所 │




「フォルド、ワーダー。

 『例の計画』は維持できているか?」


コザイ国辺境・洞窟の奥深く―――

限理神・マファーダが潜む地下基地。


そこの主である彼は、二人の配下を前に

声をかける。


「ハッ!


 ただ安定させているだけなら、何の問題も

 ありませんが」


「やはり強化・範囲拡大が難しく……

 未だマファーダ様が求める8割方しか」


仕事の進捗状況を聞かれ、二人の男性魔族は

緊張気味に語る。


「ふむ。

 もっと手こずっているかと思ったが―――


 その件については想定以上だ。

 元よりあの神々を出し抜き、罠にはめるための

 準備。

 そう簡単にいくとは思ってはおらぬ」


「もったいなきお言葉……!」


叱責(しっせき)ではなく逆に()められた事で、彼らは

頭を下げ礼を述べる。


「お前たちが『招待』した眷属の2人の様子は

 どうだ?


 テクスとエクシル、他女性魔族が管理している

 ようだが」


次の質問に、フォルドとワーダーの二人は

微妙な表情となり、


「2人とも大人しく、また女性陣の世話も

 行届いているようですが」


「何かこう、士気が異様なまでに上がっていると

 言いますか……

 うまく言えないというか理解出来ないとでも

 言いましょうか」


「それは()も思った。

 何なんだろうなあ、アレ」


身分、主従関係無く、男性陣の間でその感覚が

共有される。


「まあよい。これでエサは用意出来たのだ。


 この本拠地も連中にはわかるまい」


自信と威厳をもって語る限理神に、配下の二人が

頭を下げ―――


「次元切断……

 天界の神々に匹敵するその力には

 驚かされます」


「この世界であって異なる場所―――

 まず見つかる事はありますまい」


限理神・マファーダが有する能力の一つ、

次元切断。


つまりこの地下基地は別世界であり、

人間であるトニックやソルトがいくら探しても

たどり着ける場所では無かったのである。


「灯台元暮らし……

 まさかこの国から移動していないとは

 思うまい。


 計画が完成したら、あの神々の娘を

 眷属どもを使って呼び寄せ―――


 積年の恨みを晴らしてくれん!!」


「……ハッ」


「ハハッ」


過去の因縁の報復に燃えるマファーダに、

フォルドとワーダーは視線を床へと落とした。




│ ■コザイ国・王都王宮 │




「……ヒマですね」


「まー、しゃーねッス」


「他の方々も今後の対策会議に、

 出払っちまったようですし」


女神・フィオナとやり取りする二人の青年―――

中肉中背の、濃い緑色の短髪をしたトニックと、


彼よりは細身の、薄いブラウンの短髪をした

ソルトが、くつろぎながら相手をしていた。


「まあこのお2人は、ある意味もう仕事が

 終わったような状況でしゅしね」


「わたくしはただの徴税官の娘で、

 出来る事はありませんし……」


ナヴィとメイもこの部屋に残っていて、


バーレンシア侯爵やビューワー伯爵は

対策会議へ、


またこの二人に伴って、レイシェンと

マルゴットも会議へ参加。


ミモザ・ソニアは身内という事もあって、

捜索用の似顔絵作成に、特徴を聞くために

呼ばれ、


結果としてあぶれた女神、すでに諜報活動が

済んでいたトニックとソルト、


メイは今のところ役に立つ機会が無く、

護衛としてナヴィが残されたのであった。


「しかしまあ、俺たちのカンとしては、

 その限理神とやら、遠くへは行っていない

 感じがするんスよね」


トニックの言葉に、ソルト以外が振り向く。


「と言いますと?」


「あまりにも消え方が鮮やか過ぎるんですよ。


 人間の見方ではありますが、痕跡(こんせき)を残して

 いない。

 普通はどこか足跡なり何なり―――

 『どこかへ向かった』跡がありますからね。


 それがきれいさっぱり、となると」


フィオナが聞き返すと、彼の相棒が答える。


「まあ神様ですし、それくらいは出来る能力が

 あるでしょう。


 フィオナ様だって転移出来るわけでしゅし」


「まるで神様としてのアタシが、転移くらいしか

 価値が無いようにも聞こえるのですが」


「え、でもそれくらいしか」


そこで女神は握りこぶしを天に突き上げ、


「それ以外も結構やっているでしょーが!


 ぱんつぁーふぁうすと君作ったり!

 新たな命であるパック君を創造したり!!」

(■3章4話 とらいあんどえらー

■5章22話 ホラらぶ&ぴーす♪参照)


「しょれはやらかしたと言いますフィオナ様」


「はい、その通りでございます」


仁王立ちになるナヴィの前で、土下座するように

伏せるフィオナを見て―――

周囲はただ困惑した空気となった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7811名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

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