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17・何となく理解出来るけど、余を巻き込まないで

( ・ω・)夏休み!?私を殺す気ですか!?

(マンションの最上階&角部屋&天窓のせいで

自宅が暑過ぎる)


日本・とある都心のマンションの一室―――


家主である黒髪セミロングの少女と、

銀髪の美少年が向かい合って座る。


「えっ、そんなに近いの?」


「まだ正式には決まっていましぇんが……

 アルフリーダ様の性格を考えると、

 あり得ない話ではないでしゅよ。


 今の限理神・マファーダの件が片付けば、

 フィオナ様とメイとアルプ君、しょして

 私とあの人外娘5人との結婚式が―――


 さらにタワマンへの引っ越しがほとんど

 同時に行われましゅ」


女神・フィオナとお目付け役であるナヴィは、

自分たちの結婚、そして愛の住処への引っ越しに

ついて語っていたのだが、


ナヴィは、一段落着けばそれはほぼ同時進行で

行われるであろう事をフィオナに告げる。


「そんな……と言いたいところだけど、

 ママの性格を考えるとあり得ない事でも

 無いのよねー」


「まあ、心構えはしておいた方がいい、

 という事でしゅ。


 そもそも私も、アルプ君がいるのに

 いつまでもここに留まるというわけにも

 いかないんでしゅから―――」


そこで二人は飲み物に口を付け、


「あなたとの付き合いも長かいけど、

 思い出もいっぱいあったわね……


 いやまあ、別にもう会えなくなるとかじゃ

 ないんですけど、同居人としてちょっと」


「そうでしゅねえ……


 あなたが武器を作ったり、

 あなたが生物兵器を作ったり、

 手料理で新たな命を生み出したり―――」


指摘された女神はブンブンと首を左右に振り、


「そーじゃなくってぇ!!


 ア、アタシの事はいいんですよ!

 あなたにだって思い出はあるはず

 でしょう!?」


そこで従僕の少年は少し考え、


「んー、確かに……


 女装させられたり……

 あと女装させられたり……

 それと女装させられたり……」


「サーセン。そんな嫌だった?」


「嫌というより、評価が高いというのが

 結構微妙だったりしましゅ。


 まあそれはそれとして―――

 そろそろ本編スタートしましゅよ」




│ ■コザイ国・王都王宮 │




「待機……ですか」


第一眷属の少年であるアルプ、その母である

ソニアが、失望したような声で話す。


フィオナは超☆久しぶりに『アンカー』を使い、

その答えを持ち帰ったのだが、


「相手の出方待ち、という事でしょうか」


「確かに相手の居場所がわからない今、

 そうなるのは仕方の無い事ですが」


レイシェンとマルゴットが、消極的に

認める方向で語るが、落胆(らくたん)の色は隠せなく―――


「いや……確かにその方がいいと思う」


「侯爵様!?」


第二眷属の姉―――

ミモザがバーレンシア侯爵に聞き返す。


「その意図は?」


続いてメイが彼にその真意をたずねると、


「何らかの目的があって誘拐されのは

 間違い無い。


 という事は、少なくとも彼らを使って

 やりたい事がある、という事だ」


「つまりこの後、向こうから何らかの要求が

 来る事が考えられます。


 だからこちらがするべき事は……

 あちらからどんな要求が来ても、

 対応出来る体制を作っておく事。


 例えば、『返して欲しくば本拠地まで来い』

 という要求だった場合―――

 その人選を予め決めておくとか」


侯爵の後に、ビューワー伯爵が続く。


「……なるほど。


 確かに、何らかの行動を起こして来るとは

 思いましゅ。

 しょれに要求が来なかったとしても、

 救出しゅる選抜チームを考えておくのは

 アリだと思いましゅよ」


ナヴィが最後に綺麗にまとめると、


「そっその通りですわ!!


 ですからいったん待機して、相手の要求

 パターンを考え―――

 その対応を決めておくのです!」


好意的な解釈が来たと思ったフィオナは、

それに飛びつき……


「とにかく、今の案を各国の王妃様や

 王女様に共有しておこう。


 あの方々も心配しておられるだろうし」


「そうですね。

 では、私もご一緒します」


そして代表としてバーレンシア侯爵と

ビューワー伯爵が、女性専用の王宮の一室へと

向かった。




│ ■コザイ国・某所 │




「面を上げよ、フォルド、ワーダー」


「……ハッ!」


「ハハッ!!」


コザイ国辺境・洞窟の奥深く―――

限理神・マファーダが潜む地下基地。


そこで彼は、配下である男性魔族二人と、

その間にいる人間の少年二人を見下ろす。


「アルプ、ファジーと言ったか?


 よくぞ()の招きに応じてくれた」


座っていた玉座から立ち上がると、限理神は

彼らの前まで歩み寄る。


グリーンの瞳と髪を持つ少年と、もう一人……

ブラウンの短髪の、気弱そうで垂れ目がちの

同性が、目を反らす。


両手は後ろに縛られており、その行為は

せめてもの反抗なのか―――

マファーダは意に介さず、アルプのアゴを

その手でつかんで上向(うわむ)かせ、


「なかなかイキがいいな。

 だが、お前たちはしょせん、女神を

 呼び寄せる『エサ』だ。


 『エサ』は元気であればあるほどいい。

 せいぜい楽しませ……」


「ふおぉおおおお!!」


「うええぇええええぃっ!!」


「どっせぇええいいいっ!!」


と、セリフとは裏腹な女性の声がどこからか

聞こえてきて―――


「な、なんだ? 何があった?」


遠くに魔族の女性陣を視界に認めた限理神は、

突然の叫び声に疑問を呈す。


「あ、お気になさらずにマファーダ様」


「思いがけずに良いもの……

 もとい、限理神様の威光に触れ、

 つい興奮してしまいましたので」


そこには、魔族女性の代表格たるテクスと

エクシルもいて、


「そ、そうか?

 しかしその鼻血は大丈夫なのか?

 何らかの攻撃を受けているとかは」


「大丈夫です!」


「それより、その子たちが例の眷属ですよね?

 『おもてなし』の準備をしておりますゆえ、

 こちらへ―――」


それを聞いた彼女たちの主人は満足気の

表情で、


「ククク……そうか。

 大事な『エサ』だ。

 くれぐれも扱いは丁重に、な」


そう言う彼の視界からは、いつの間にか

眷属の少年たちの姿は見えず、


「? ど、どこに行った?」


「えっと……」


「マファーダ様の背後です」


フォルドとワーダーの指摘に自分の後ろを

見ると、まるで限理神の隠れるように、

アルプとファジーは位置を変えていて、


「なぜ、余の背後に隠れる?

 それとテクスとエクシル、他の女性魔族よ。

 なぜジリジリと距離を詰めてくるのだ?」


「あ、いえ」


「大人しく彼らを引き渡して頂ければ別に……」


そう言うテクスとエクシルに、何かドス黒い

ものを感じたマファーダは、


「いや、引き渡すと言ってもな?

 別に余が彼らをかばっているわけでは―――


 ほ、ホラ行きなさい2人とも!

 あっちはお姉さんばかりだし、こっちよりは

 怖くないであろう?」


そう言われた眷属の少年二名は顔を見合わせ、


「べ、別の怖さがあるというか」


「うん。人間(あっち)のお姉ちゃんたちと同じ邪気(じゃき)

 いうか、気配を感じて……」


「何となく理解出来るけど、余を巻き込まないで

 くれないかなあ!?」


それからしばらく、得体の知れない攻防が

発生し―――

それはアルプとファジーが魔族の女性陣に

連れ去られるまで続いた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7777名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

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