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09・新しいブツが入ったわ

( ・ω・)最近、天候があやふやで困る。


日本・とある都心のマンションの一室―――


見事なプロポーションを持つ、ブロンドの長身の

女性と、


目付きの悪い黒髪セミロングの少女及び、

シルバーのロングウェーブの少女が向かい合って

テーブルに座る。


「あ、アルプ君のお母さん……

 ソニアさんだっけ? ここにお呼び

 したんだ」


「はい、そこでアタシたちの手料理などを」


「合格点は頂けたようなので安心しました」


フィオナの母、アルフリーダを前に―――

アルプの妻となるフィオナ、メイは一緒に

ティータイムを満喫していた。


「うーん、じゃあ近いうちに私とパパも、

 あちらとご挨拶するべきかしら」


時と成長を司り、見守る女神が今後の事を考えて

口にする。


「あー、両家のご両親も踏まえて正式に……

 ってヤツですね!?


 アタシとアルプとメイさんの3人いるから、

 三家って事になるのかしら」


「わたくしの方はポーラ姉さまの事も

 ありますし、いつでも、という感じですね。


 で、でも……アルプ君はソニアさんしか

 いないから」


果樹の豊穣を司る女神の後に、人間の方の

妻(予定)が気まずそうに語る。


「そっか……アルプのお父さんってアルプがまだ

 幼い頃に……」


「アルプ君もソニアさんも、あまりその事を口に

 しませんから、すっかり失念してました」


妻(予定)二人が沈んだ表情になるのとは

対照的に、アルフリーダは天井を見上げて、


「んー、でも一組だけ母親のみっていうのも、

 確かに気まずいわよねえ。

 やっぱりこういうめでたい事は三家のご両親が

 揃わないと―――


 ちょっと待っててくれる?」


すると彼女はスマホのような端末を取り出して、

どこかへ連絡する。


「……あー、うん。そうそう。

 私の娘の眷属の身内なんだけどね。

 彼がまだ幼い頃に亡くなっているらしくて……


 ん? 同じ世界に転生してる?

 今5才くらい?

 わかったわありがとう」


そこでアルフリーダは通話を止めて

二人に向き直し、


「何とかなりそうよ♪

 後は記憶を取り戻させれば」


笑顔で話す女神にフィオナとメイは困惑した

表情で、


「う~ん神様目線の力技ですねえ。

 何とかなるって言うんでしょうかコレ」


「集まった家族の中で一番幼い人が父親って

 かなりシュールのような。


 まあとにかく―――

 そろそろ本編スタートしましょう」




│■フラール国・バクシア国代官館(改3)│




「みんな集まったかな?

 それじゃあフィオナ様、お願いします」


頬にあるクロスの傷が特徴的な、悪人面では

あるが苦労人のバーレンシア侯爵が号令を

かける。


今回、コザイ国に行くメンバーが一通り

集まり……

いったんバクシア国代官館に集まったのである。


「いきなりフィオナ様が来た時は何事かと

 思ったよ。


 まあ転移とやらで、アタイとファジーを

 移動させてくれたのはすごく助かったけど」


「ミ、ミモザ(ねえ)っ」


ブラウンの髪を持つ三白眼の少女が、

同じ色の髪の義弟であり恋人でもある

第二眷属の少年にたしなめられる。


今回、コザイ国の招致を受け―――

選ばれたメンバーの中では彼女たちと

ナヴィだけが他国にいたため、


二人はフィオナが転移で連れて来て、

ナヴィは神託で報せた後、二日でフラールに

到着。


そこで全員合流となったのである。


「ナヴィもミイト国からお疲れ様。

 っていうか、あなたもアタシの転移で移動

 出来たのに」


女神が従僕の銀髪の少年に話すが、


「まあ転移を使うとかなり疲れるというのは、

 承知しておりましゅから。


 後話を聞いたカガミしゃんが自分も連れて

 行って! となるのは……

 目に見えておりましゅたし。


 というかしょれが理由でしゅね。

 というかそれが全てでしゅね」


全員がそれを聞いて微妙な表情になるが、


「でもあの子の身体能力もかなりのものだと

 思いましたが」


「ナヴィ様について行こう!

 とはならなかったのですか?」


年齢の割に若い顔のビューワー伯爵と、

その恋人である真っ赤なロングヘアーの女性、

マルゴットが不思議そうに聞き返す。


「そこはメルリアさんが何か本を持ってきて、

 『新しいブツが入ったわ』と言ったら、

 それを持って2人で別室から出て来なく

 なりましゅた。


 なにがあったんでしゅかね?

 ええもうほんとうに」


「あぁ……」


銀髪の美少年の答えに、ブロンドの長髪の

女騎士・レイシェンは何かを悟ったように

つぶやく。

すると他の女性陣もうなずき合い、


「?? なになに? どゆこと?」


バーレンシア侯爵が首を傾げて恋人に

たずねるも、


「ま、まあそこは女性同士のお話ですから」


殿方(とのがた)にはわからなくてもいい事かと……」


メイとマルゴットがやや困った顔で答える。

続けてソニアが、


「侯爵様。

 女には女にしかわからない機微(きび)とか、

 対応とかあったりしますので―――


 とにかく……

 カガミさんを無事待機させられたのであれば、

 それでよろしいのではないでしょうか」


「そ、そうだね」


女性陣の中でも年長者(人間の中では)の、

目に見えない圧を感じたのか、最も身分の高い

貴族青年は大人しく引き下がる。


「それで、いったんバクシアへ飛べば

 いいんですよね?」


女神の問いにバーレンシア侯爵は我に返り、


「うん。そちらにトーリ財閥が特別馬車を

 手配してくれているらしい。


 直接コザイ国に転移してもらった方が、

 こっちとしては楽なんだけど」


「国を挙げての歓迎パレードも準備されている

 ようですから……」


侯爵に恋人の伯爵令嬢が受け答える。


「しかし何ですかね。

 それなら、送迎の馬車もコザイ国が準備すると

 思ったのですが」


ビューワー伯爵がつぶやくように疑問を

口にすると、


「う~ん……

 連合国の序列の中でもかなり下の位置にいる

 国だからねえ。


 それに序列上位国、さらにトーリ財閥が

 準備するような馬車を用意出来るかと

 いうとねえ、やっぱりそこは。


 そうだよ貧乏が悪いんだよみんな。

 みんな貧乏がいけないんだよ」


もともと実家が残した借金の金策のために

奔走(ほんそう)していた中、『枠外の者』の企みに使われ、

フラールに来たと言う経緯もあり―――

バーレンシア侯爵は遠い目をし始める。


「ちょっ!?

 侯爵様!! 侯爵様!?」


「戻って来てください侯爵様ー!!」


その後、何とか全員でバーレンシア侯爵を

なだめ……


落ち着いたところでバクシアへ転移する

運びとなった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7633名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


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(;・∀・)カクヨムでも書いています。

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【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

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