07・ツッコミだけに神託を使ってくるとは
( ・ω・)家にいると何匹も蚊に遭遇。
(そして1日3匹くらいつぶす)
日本・とある都心のマンションの一室―――
家主であるやや目付きの悪い黒髪セミロングの
少女が、
グリーンの短髪と瞳を持つ少年と、
同じく緑の長髪の女性と向かい合っていた。
「ね、すごいでしょう!
しかもここ、フィオナ様の別荘なんだって」
「まるで雲の上にいるような高さの塔……
そして暑くもなく寒くも無い仕掛けの部屋。
しかもここは天界ではないというんですから」
女神・フィオナの目の前にいるのは―――
夫(予定)であり第一眷属でもあるアルプと、
その母、ソニアであった。
「お、お義母様。
こちらに来るのは初めてかと思いますが、
どうでしょうか」
銀のロングウェーブの髪を持つもう一人の
アルプの妻(予定)、メイがおずおずと質問
すると、
「そうですね。
3人で暮らすのは何も心配ないところかと。
調理器具も見た事が無いものが揃って
おりますし……
ここでこのようなフィオナ様やメイさんの
手料理を―――
いつもアルプは食べておりますのね」
ソニアの言う通り、テーブルの上には
出来立ての料理が並ぶ。
「そそそそーなんですよー」
「ここにある調理器具だと、たいていのものは
美味しく作れますからねー。
じゃ、冷めないうちに頂きましょう!」
そしてみんなで食べ始める中、女神ともう1人の
少女は目を合わせ、
「(ほとんどレトルトですけど、ウソは言って
ないですもんね!)」
「(お湯や電子レンジで温めただけですけど、
調理器具を使った事に違いはありませんから。
手料理と言っても差し支えないはず……!)」
と、心の中でガッツポーズを取る少女二人だが、
「じゃあ次はフラールの実家で作ってもらおう
かしら。
私にも教えて頂けると嬉しいわ」
それを聞いたフィオナとメイは心の中で同時に
『ぎゃー』と悲鳴を上げるが、
「お母さん、材料がこちらの世界にあったら、
多分持ち出せないよ。
それに火力調節の出来る調理器具あっての
料理だとしたら」
アルプの助け船に妻二人(予定)は乗っかり、
「そそ、そーなんですよー。
別世界に渡る際の規制が結構厳しくてー」
「そ、それに弱火とか中火とか、こちらで
出来る調理に慣れてしまったら」
二人がそう返すとソニアは残念そうに、
「あらそう、それは残念だわ」
そこで女神と少女はその話題から逃げるように、
「さ、さーてそれじゃ」
「本編スタートしましょう!」
│■フラール国・バクシア国代官館(改3)│
「それが、ですか?」
「うん。ちょうど今日届いたんだ。
正式な『案内状』だね」
年齢とはかけ離れた若さの外見を持つ、
白銀の短髪の貴族青年・ビューワー伯爵に、
フォックスタイプのフレームの眼鏡をかけた、
頬にクロスの傷を持つ、バーレンシア侯爵が
一通の書類を巡って答える。
「コザイ国からの―――
女神様一行の招待状、ですよね?」
「やっぱりアルプ君とファジー君が筆頭ですか。
まあ2人とも、若くて見栄えもいいです
からね。
序列上位国の王女様や王妃様も知っている
存在ですから」
ブロンドのロングヘアーの女性騎士といった
レイシェン・シッカ伯爵令嬢と、
真っ赤な長髪を持つグラノーラ令嬢……
二人の婚約者であり恋人が、それぞれの
相手に語る。
「眷属とはいえ少年2人なら、比較的行動も
自由に出来るだろうからね」
「バーレンシア侯爵殿や私は、護衛としてなら
わからなくもありませんし」
招待状のメンバーは、上から順にアルプ・
ファジー、
そしてバーレンシア侯爵にビューワー伯爵、
女神の従者としてナヴィ、
それから出来れば他のメンバーも、
となっており―――
とにかく五人は決定事項として、それぞれの
祖国にも通達されていた。
(ナヴィ除く)
「取り敢えずこの事をフィオナ様に
伝えなくては」
「うん。僕の方はこれから、コザイ国に行くに
あたっての申請書類や各方面への書類を
書くから。
ビューワー伯爵殿とマルゴット君が、
伝えて来て欲しい」
こうして二人のカップルが、アルプの家まで
事情を伝えに行く事になった。
│ ■フラール国・アルプの果樹園 │
│ ■アルプの家 │
「とゆーわけでですね。
先ほど、バートレットさんとマルゴットさんが
伝えてに来てくれたんですけど、
正式にコザイ国から招待状が来たらしいん
ですよ」
女神が、アルプ、ソニア、そしてメイの三人を
前にして説明する。
「前に言っていた……
罠、という事は無いんでしょうか」
アルプが不安気にフィオナに聞き返すが、
「でもそうだとしたら、バーレンシア侯爵様や
ビューワー伯爵様も呼んでいる理由がわから
ないんですよ」
「『バクシアの鬼神』『フラールの剣聖』と
呼ばれるお2人も指定されているわけです
からね。
おまけにバーレンシア侯爵様の婚約者は、
剣姫と称されるレイシェン・シッカ伯爵
令嬢もついてくるわけで」
女神ともう一人の妻(予定)の少女の答えに、
ひとまず落ち着いた空気になる。
「しかし、他の方々やフィオナ様は『出来れば』
というのは、いささか失礼ではないかと
思われるのですが」
アルプの母、ソニアが苦言を呈すると、
「そこはバーレンシア侯爵も仰っていたみたい
ですが―――
遠慮したのではないかと。
お義母様や眷属、身内や信者ならともかく、
国家とはいえ神様を呼びつけるのは│躊躇
したのではと言ってました」
彼女は納得したのか首を縦に振ってうなずき、
「でも結局、フィオナ様も行かれるん
ですよね?」
メイがそう質問すると、
「アルプとは夫婦の仲になる予定ですし、
夫の付き添いで行くのは別段問題では
ないかと。
アタシの他にも、レイシェンさんが
バーレンシア侯爵の付き添いで向かう
らしいですし……」
すると彼女は大きくうなずいて、
「なるほどなるほど。
そういう理由なら、わたくしも付き添いが
出来るわけで」
「やべミスった。
付き添いはアタシだけで良かったのに。
(そうですよ、ぜひメイさんも
来てください!)」
本音と建て前が逆になっている女神の言動を、
母子はどんな顔をしたらいいのかわからず、
ただ見守る。
だがそこに神託が繋げられ、
『どうせメイさんと一緒でなければ、
勢いが出ないでしょうに』
「おおうツッコミだけに神託を使ってくるとは。
やりますねナヴィさん」
そこへシフド国で待機していたナヴィから、
直接ツッコミが送られてきた。
『そりぇで、私はどうなっていましゅか?』
「あー、貴方も当然入っているわよ。
で、今決まっているのは……」
そこでシフド国とも情報共有が行われ、後日
各国にも内容を報告、主にメンバー選定で
話し合う事となった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7602名―――
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