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06・情念や妄想を何年も集めて煮詰めて

( ・ω・)コロナってお腹に来る事もあるのか……

(今はようやく小康状態)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、


ブラウンのワンカールロングで、いかにも

小悪魔っぽいシッポとコウモリのような翼を

持っている少女が相対する。


「え? 家を探しているんですか?

 ママと一緒に?」


「はい。私や邪神ちゃん、(ほか)人外の方たちと

 住む家を……

 結構広い感じになりますけど」


サキュバスの言う事にフィオナは首を傾げ、


「あれ? でも今住んでいるところは

 すでにありますよね?


 そこから出て、5人一緒に―――

 という事ですか?」


「いえ、6人です。


 ナヴィ様との愛の巣になりますので……♪」


その答えを聞いて女神は目を丸くし、


「ん~っ!?

 と、という事はナヴィが貴女たちを(めと)る事を

 認めたと!?」


「いえ、それはまだですが―――


 ただアルフリーダ様によりますと、

 『あの子の性格からして、どんな経緯で

 あろうと手を出した以上……

 責任を取らないという選択肢は無いと

 思うから』

 との事で。


 それで今のうちから、6人で住む事の出来る

 家を―――

 という事らしいです」


サキュバスの言葉にふむふむとフィオナは

うなずいて、


「それはそれは……


 しかしナヴィもやりますね。

 まさかアタシよりも先にハーレムを作るとは」


「フィオナ様の場合はハーレム『された』側で

 しょうに―――


 それにそんな事を言っても、アルプ君以外を

 夫とするつもりは無いんでしょう?」


「い、いやまあそれはね?

 もう正式に夫となる事が決まっているわけ

 ですから……


 はっはい!

 それじゃ本編スタートしましょうか!」




│ ■コザイ国・王都 │




「これほどまでに、工作が上手くいくとはな」


「各国を巻き込んでの行事の提案、そして

 女神一行の招致―――


 順調過ぎて怖いくらいだ」


人間の青年の姿をした二人……


限理神・マファーダの配下であるフォルドと

ワーダーは、小声で語り合う。


「女神をまずこの地におびき寄せなければ

 ならなかったが、


 この分だと疑われる事もなく来てくれる

 だろう」


「何も拉致や誘拐だけが、おびき寄せる手段では

 無いという事だ。


 要は目的が達成されればいいだけだしな」


コザイ国で女神一行による一大イベントを

行う、という話は―――

実は彼らが後ろで動いていたものによる。


限理神の命令を受け、女神をこの地……

引いては所定の場所まで誘い込む、というのが

彼らの計画であり条件だったのだが、


そのため、彼らは人間に化けてコザイ国の

重鎮や役人に近付き、


女神一行を招致するイベントを立ち上げさせた

のであった。


「しかし……」


「うむ」


そう言いながら二人はとある書物を手にし、


「俺たちの手から、役人かお偉いさんの

 妻、娘にこれを渡せとテクスとエクシルに

 言われたが」


「中身は何なのだろうな、いったい。


 いや、開いてみればわかるのだろうが―――

 俺たちから見ても禍々(まがまが)しいオーラを放って

 いるというか」


フォルドとワーダーの言う通り、その本は

エフェクト的にもドス黒い何かをまとっていて、


「呪いや魔力によるものではなさそうだが」


「何と言うかな……

 女性の情念や妄想を何年も集めて煮詰めて、

 ドロドロにしたようなオーラを感じる。


 ここまで来ると呪物と呼べなくもない」


彼らはそれをカバンの中にしまい込むと、


「だがまあ、このおかげで驚くほど話が

 スムーズに進んだ事は確かだ」


「それだけはテクスとエクシルに感謝だな。


 さて、そろそろ俺たちも退くぞ。

 あちらさんも、いつまでも好きにさせて

 くれるとは思わん」


そして風が吹いたかと思うと、彼らの姿は

そのまま消え去った。




「……どうだソルト、お前の方は」


「この祭り―――

 コザイ国が独自に打ち立てた企画じゃ

 ないらしい。


 外部からこの話を持ち込んだヤツが

 いたようだ」


そして女神一行の調査部隊であるトニックと

ソルトは、


その仕事能力をいかんなく発揮し……

ある程度まで情報をつかんでいた。


「役人やその上司、果ては大臣クラスまで

 話が上がったらしいが」


「どうもその奥さんや娘さんを狙って、

 贈り物を届けていたらしい。


 やり口は『枠外の者』っぽいが、

 連中、儲けにならない事はしねぇ。


 『新貴族』とも毛並みが違うような気が

 するし―――」


彼らなりに分析するが、その場では

答えが出る事も無く、


「一応、次の定時報告にこの情報を

 入れておこう」


「そうだな。

 後は向こうで何かしら対応を考えて

 くれるだろうし」


その言葉を最後に二人は、拠点としている

宿屋へと向かった。




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │

│ ■アルプの家          │




『……という報告が来ているようでしゅよ、

 フィオナ様』


それから二日後―――


各所にトニック・ソルトの報告書が上がり、

その一つであるシフド国から、同様の報告書を

受け取ったナヴィから神託が繋げられ、


「魔族の2人が暗躍している可能性があるのは

 わかるけど……


 でもテクスとエクシルは追い払ったはずよ?

 また現れたとでも?」


以前、同じ限理神・マファーダの配下である

女性二名とやり合った事のある女神は首を

傾げるが、


『んー、今回コザイ国に現れたのは、

 男性2名と聞いておりましゅ』


「ふむ、それは美形さんでしたか?

 美青年ですか? それとも美少年?」


『まずその欲望一直線の質問を止めるでしゅ。


 そしてその2人が、どうも裏工作をして

 今回の女神一行招致のイベントを企画した

 らしいのでしゅよ』


そこで同室にいたアルプ・メイ・ソニアの

三人が加わり、


「確かに、マファーダの配下があの2人

 だけとは限りませんから……」


「新たな動き、と見た方が良さそうですね」


「でもコザイ国に女神様やその一行の方々を

 呼んで、どうするつもりなのでしょうか」


と、口々に意見や疑問を語り、


「まあ理由はどうであれ、来て欲しいと

 言っている方々の中には、バーレンシア侯爵や

 ビューワー伯爵もいらっしゃいますから。


 戦力的には問題無いのでは?」


『うみゅう、確かにそこも気になるん

 でしゅよね。


 上から順にアルプ君、ファジー君はともかく

 として、


 『バクシアの鬼神』『フラールの剣聖』と

 呼ばれるお2人も指定されているわけです

 から―――』


ナヴィから疑問を告げられると、


「そうですね、まずあのお2人さえいれば

 たいていの事は解決するかと」


アルプがうなずきながら話し、


「男から呼ぶ、というのも変な話では

 ありますけど」


「トニックさん、ソルトさんからの報告では、

 まずそれなりの地位にある方々の奥さんや

 娘さんから懐柔したと聞いておりますし……

 それが裏目に出たのでは」


と、それぞれが納得出来る意見を出し合い、

一段落した後、改めて各国に神託を繋げて

情報共有する運びとなった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7589名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


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