04・若くてピチピチでイキのいい方から
( ・ω・)体調不良でほぼ1週間会社休み。
まあ有給を消化したと思えば……
日本・とある都心のマンションの一室―――
やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、
顔の片方がストレートの黒髪で隠れている
ワンレングスの同性が向かい合って
お茶を飲んでいた。
「とゆ~わけでですねぇ邪神ちゃん。
まったくあの作者ったら、今度は懲りずに
風邪まで引きやがったんですよぉ」
「いやぁ、さすがにそこまでは……
一応人間? かも知れない? 存在ですし、
そこまで責めるのも可哀そうですよぉ」
飲み物を口にしながら2人の人外は語り合い、
「だってこの前もですねぇ、仕様変更がどうたら
いいながら、翌日の昼近くまで更新がずれ込み
やがったんですよぉ~。
しかもその事で注意した週すら、しっかり
7分くらい遅れちゃって。
『別の小説に更新してしまった』
『更新そのものは遅れていない』とか
散々言い訳までして―――」
(■11章02話・女はいらねえ参照)
「あ~、それはいけませんねぇ」
ずー、ずずーと二人はまたお茶に口をつけて、
「だいたいこんなクソ小説の取柄って、
『何があろうとも毎週UPする事』
でしょうが。
そのために体の頑丈さこそが唯一の長所
だったというのに……
それすら無かったらあの作者に何が残ると
言うんですか!?」
「しかも体調を崩した理由が―――
『ちょっと寒さが戻ったけど着替えるの
面倒くさいしこのまま出勤しよう』
でしたっけ?
それはちょっと見逃せませんわ」
『ごふぅ』
どこかからダメージを受けたような声が聞こえて
来たが、二人はそれを無視し、
「まあ今回のペナルティは―――
暖かくなってきた事ですし、
『寝ている最中に鼻と口の中間を
蚊にくわれる』
というくらいにしておきましょう」
『止めてホント!
それ朝一で気付いた時のダメージ
大き過ぎだからぁあああ!!』
そんなやり取りを、短い銀髪の美少年が
無表情で見つめ……
「はあ。
それではそろそろ、本編スタート
しましゅか」
│■フラール国・バクシア国代官館(改3)│
「う~ん……」
「どうかなさいました、あなた?」
頬にクロスの傷を持つ侯爵が、女性にしては
長身の婚約者と言葉を交わす。
「コザイ国なんだけどねぇ。
ホラ、あの限理神・マファーダとやらが
復活した土地?
そこで何かお祭りを、みたいな事を各国に
打診しているらしい」
表面上、それはバーレンシア侯爵が追い払った
事になってはいるものの―――
実際には依然として脅威は存在し、
そんな中……
調査に向かっていたトニック・ソルト両名から
送られてきた情報に、彼は頭を悩ませていた。
「お祭りって―――
まさか限理神を打ち払った記念に、とか?」
「それに近いんじゃないかなあ。
序列下位国にしては降ってわいたような
一大イベントだからね。
これを機に……って考えはまあわかるよ」
レイシェン・シッカ伯爵令嬢の問いに答えた彼は、
そこで手にした一通の書類に目を通す。
「まあ問題は、僕も含めてその行事の招待客の
中に入っているって事だけど。
ただ人選が何というか」
「?? 女神一行全員なのでは?」
金髪ロングの婚約者が首を傾げて聞き返すと、
「もちろん、出るなら全員ってのが望ましい
だろうけど―――
この状況下で一行が集結するというのも、
リスクがある。
んで、希望順位というか優先順位みたいな
ものも出て来ているっぽくて。
それでまあこの件を踏まえ……
ビューワー伯爵とも話し合おうと思ってさ」
彼はそこでテーブルの上に書類を投げ出すと、
話し合う相手を待つ事にした。
│ ■フラール国・アルプの果樹園 │
│ ■アルプの家 │
「というわけで……
バーレンシア侯爵様と話してきたのですが」
「コザイ国に女神様一行を呼ぶのでは
ないかという話が、持ち上がっておりまして」
後日、アルプの果樹園・その家において―――
バートレット・ビューワー伯爵と、
マルゴット・グラノーラ令嬢が訪ねてきた。
「確定ではないんですか?」
フィオナの問いに、男女は困ったような微妙な
表情となって、
「まだ話が出ている、というだけの
段階だそうです」
「人選は、出来れば女神様一行に来て頂きたい、
それはわかっているのですが」
年齢に似合わない若さの外見を持つ、
ホワイトシルバーの短髪の貴族青年と、
真っ赤なロングヘアーをなびかせながら、
婚約者の女性は言い難そうに口を開く。
「?? どうかしたのですか?」
「おめでたい話……ですよね?」
ソニアとアルプ―――
お揃いのグリーンの髪を持つ第一眷属の少年と、
その母が不思議そうに首を傾げると、
「ただまあ、向こうも全員呼べるとは思って
いないらしいので」
「それで、最低限この人だけは来て欲しい……
という人材を選抜しているようなんですよ」
そこで銀のロングウェーブヘアーの―――
第三眷属の妹が、
「へ? でもそれは当然フィオナ様が筆頭
なんですよね?」
メイが聞き返すとカップルはさらに微妙な
表情となって、
「いえ、それが……」
「第一眷属と第二眷属の少年―――
アルプとファジーがどうも真っ先に招待される
流れになっているらしいんですよ」
バートレットとマルゴットの話を聞いて、
二人以外の全員が顔を見合わせた。
「えぇええ……
何でどーしてアタシが対象外??」
落ち着いた女神はようやく自分から話を
切り出すも、
「女神様は一行の中では当然、一番のトップで
ありますから―――」
「それを踏まえて、期待薄と見ているっぽいん
ですよね」
まあいきなり社長を呼びつけるより……
幹部クラスを招いた方がハードルは下がる
だろう。
「まーアレですよ。
若くてピチピチでイキのいい方から
お呼ばれしたって事で―――」
「多分その通りなんでしょうけど言い方ぁ!!」
メイの発言に0.5秒でフィオナが突っ込む。
「そうでなくとも、女神様の眷属・仲間の中では
2人とも相当な古株ですからね」
「見た目もかなりいいですし―――
それに例の本の登場人物でもありますから、
各国の代表を呼び寄せるにはちょうどいい
人材かと」
マルゴットが女性陣にしかわからない話題を
振ると、ウンウンと彼女たちはうなずき……
アルプとバートレットは意味がわからず首を
傾げた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7568名―――
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