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28・意味不明過ぎて逆に怖い

( ・ω・)今の会社で5回目の人間ドック。


日本・とある都心のマンションの一室―――


金髪ロングに抜群のプロポーションを持つ女性と、

黒髪セミロングのやや目付きの悪い少女が、

向かい合って座る。


「そういえばママ。

 あの聖戦の録画ですけど……


 確か事が終わってから、あの5人から聞いたん

 ですよね?

 どうやって動画を録ったんですか?」


娘であるフィオナの問いに、母・アルフリーダは、


「だって私は―――

 『時と成長を司り、見守る女神』だもの。


 その時にさかのぼって録画するなど造作ぞうさも無い事よ」


「さすがだわ!

 神様としての力の使いどころを、

 何のためらいも無く欲望に使うなんて……!

 それでこそママ……!」


「んっふっふ。

 もっとめていいのよフィオナちゃん」


女神の母子は一通りのやり取りを終えた後、


「ところでその動画なんですけど、ママは

 使ってるの?」


「今のところパパに覚えてもらっている最中

 なんだけど―――

 ちょっと抵抗があるみたいなのよね。

 結構エグかったから」


そこで銀のロングウェーブの髪の少女も参戦し、


「あーそうですね。

 後ろから両腕をつかんでとか、髪をつかんで

 無理やりとか……」


「そうなんですよメイさん。

 確かに、プレイだとしてもアルプきゅんが

 そんな事をするというイメージがちょっと。


 ビーストモードは経験済みですけど、

 あれは理性ぶっ飛びのお薬あってのもの

 ですし」


「パパもねー。

 何せ子供時代から私見ているし。


 基本的に優しい性格だから、どこまで

 出来るかどうか―――」


そこで世代の違う女性陣三名は顔を見合わせ、


「「「だがそれがいい」」」


フィオナ・アルフリーダ・メイの三人は

同意に達し、


「それじゃ……」


「そろそろ―――」


「本編スタートしましょう」




│■王都ウィーンテート・カトゥ財閥拠点 │

│■屋敷裏庭              │




「うふふ……バレてしまっては仕方がないわね。


 私が『落煌らっこう堕神だしん』・エクシル、

 そして彼女が『哄笑こうしょうの魔女』・テクス―――

 限理神・マファーダ様の配下にして亜神。

 どうぞお見知りおきを」


魔族であるエクシルは同行者の紹介も行い、

令嬢のようにあいさつする。


「えーと、エクシルさんがナヴィ受けで、

 テクスさんが攻めでいいんでしたっけ?」


「そこ今確認するところじゃないでしょう!!」


「そうですよ!!

 ちなみに私はケースバイケース派です!!」


女神・フィオナの問いに魔族二人は律儀に

対応する。


「いやでも、そこはけっこー重要なところ?」


赤茶のツインテールの獣人族が、女神の隣りで

頭の後ろに両手を回しながら答え、


「確かに重要ではありますけども!」


「これから戦闘という時に何をのんきな……


 それにフィオナさん、あなた戦えるんですか?

 私どもは一度あなたの一番の戦力である、

 ナヴィさんに後れを取りましたが。


 あなたは果樹の豊饒ほうじょうの女神―――

 どのように私どもとやり合うおつもりで?」


獣人族のカガミはともかくとして、

女神・フィオナは戦の神でも何でもない。


彼女たちの指摘は的を得ていたが、

そんな中、答えと言わんばかりに女神は

一瞬で特殊部隊のような装備に身を包む。


「は?」


「え?」


テクスとエクシルが混乱する声を上げる。

そして我に返った順から、


「ちょ、ちょっと!

 何ですかそのいかにも強そうというか、

 精鋭という感じの格好は!?」


「果物で作りました(ドヤァ)」


近代戦の突撃銃のような武器を構えながら、

得意気にフィオナは答える。


「どこからどう見ても果物って装備じゃ

 ないでしょ!?

 どこに果実要素があるのよ!」


「確か腕のあたりがオレンジで、ここらへんが

 ブドウ、あと足から下がパイナップルと……」


「やめて説明しないで!

 意味不明過ぎて逆に怖い!!」


以前、果物からぱんつぁーふぁうすと君を

生み出した経験もあり、そこから考えると

不可能ではないと思われるが―――

それらは彼女たちの想像を超えており、


「さ、さすがは軍神ユニシスの娘、という

 わけね……!」


「いやコレ軍神がどうとかで許容出来る

 話じゃないと思うんだけど」


エクシルの話にテクスがつっこみ、


「あれ? いざという時はその装備で

 時間稼ぎするって話じゃなかった?」


「ままままあ何とかなるっしょ。

 今までも何とかなってきたし―――」


女神側はカガミがフィオナにツッコミを

入れる。


そして、女神サイドと魔族サイドのバトルが

始まった。




「ハァハァ……

 なかなか手こずりますわね、あの獣人族の

 お嬢さん」


「いいように引っき回されている感じは

 ありますわね。


 でもそれ以上に厄介なのが―――」


魔族女性二名の視線が、女神に集中する。


「あぁんもう、動かないでよ!

 弾が外れるでしょ!」


「無茶言わないでくださる!?」


「果実関係の神が持っていい戦闘力じゃ

 ないでしょ!


 何ていうかこう、

 ・攻撃力(遠距離)100

 ・防御力100

 ・速度10

 って感じのパラメータで……」


実際に戦っている四人の中で、一番フィオナが

移動速度や動きが遅かったものの―――

突撃銃による攻撃や特殊兵装の防御は、

テクスとエクシルの予想を超えていた。


何よりパートナーであるカガミの支援もあり、

効果的な一撃を打ち込めないでいたのだ。


「ねーねー、フィオナさん。

 いい加減撤退しても良くない?」


「そ、それはそうなんですけどぉ~、

 カトゥ財閥の人たちを残したままでは」


カガミの言葉にフィオナは返し、


「ちょっとエクシル!

 別に私たち、ここで女神と決着つける必要

 無くない?

 あくまでも調査に来ているんだから……」


「そ、そういえばそうですね……


 幸い、あちらも攻め手に欠けているようです。

 ここはいったん―――」


テクスの指摘にエクシルは我に返り、


「むっ!? どうやら逃げる気だよ!!」


パートナーがそう言うと、女神は思考を

巡らせる。


このまま逃げてもらった方がいろいろと

楽なのだけど……

一応、最後まで戦ったけど逃げられて

しまいました、という事にしておいた

方がいいかなという考えが浮かぶ。


幸い、なぜか手持ちの武器にはチャージ画面が

あり―――

それが満タンになっている事を確認すると、


「逃がしませんよぉ!!

 食らいなさい、果樹の豊穣ほうじょうを司る女神の

 ファイナルアタック!!」


そこでフィオナとテクス・エクシルの目が合い、


「(ドーンと行くんで後は流れで

 お願いします!)」


「(了解!!)」


「(心得た!!)」


不思議とお互いの意見がかみ合い、


「いっけー!!」


と、なぜか雨のように柑橘系かんきつけいのジュースが

一帯に降り注ぎ、


「うわっぷ!?」


「何コレ!? 甘っ!! すっぱ!!」


周囲で観戦していたギャラリーにも被害が

及ぶが、


「……ってアレ?」


「あの魔族は―――」


雨のようなジュースが降り注いだ後、

そこにテクスとエクシルの姿は無かった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7463名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【毎日更新中!】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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