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27・こんな巧妙で大胆な策を使うとは

( ・ω・)いよいよ対決。


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪いセミロングの少女が、

ブラウンのワンカールロングに、コスプレの

ようにコウモリのシッポと翼をつけた同性と

話し合っていた。


「え、でもサキュバスちゃんが敵わなかったん

 ですか?

 だって、あなたの得意分野では」


「いやいや……仕事とプライベートは別モノ

 ですって。


 てゆーかガチでやっても、あの野生の力に

 対抗出来たかどうか」


女神・フィオナとサキュバスは―――

昨年の聖戦クリスマスにあった出来事で盛り上がる。


「サキュバスちゃん相手にそこまで言わせる

 なんて……

 どんだけだったのナヴィ」


「いやあ、私ら5人でナヴィ様と結ばれたら、

 どうやって分けるかで議論していたんです

 けどね。

 月火水木金で1人ずつ、土日は共同で、

 とか―――」


そこで彼女たちはいったん飲み物を口にし、


「うーん。普通に考えたら身がもたないと

 思うんですけどね、そのスケジュール」


「いやあそんな心配無用でしたわ。

 むしろ自分たちの身を心配しなければならない

 なんて……


 5人じゃ足りないかも……♪」


そこでまた彼女たちは飲み物を手にし、


「ン? じゃあ追加もあり得るって事?」


フィオナの質問にサキュバスは首を左右に振り、


「確かにあの人数では体力に不安も

 ありますけど―――


 激流げきりゅうに身を任せるのも一興いっきょう、と思いまして」


「嫌いじゃないですよ、その考え方。

 ではそろそろ、本編スタートしましょう」




│■王都ウィーンテート・カトゥ財閥拠点 │




「……お久しぶりですね、2人とも」


「偶然というものはあるものですね、

 フィオナ様、カガミ殿」


とあるお屋敷の中―――

女神・フィオナとカガミは、シフド国の工房で

一緒だった、テミス・エクリルと再会していた。


「見識を広げる、という事でしたが……

 こちらでは何を?」


「はい。いろいろな方の意見をお聞きして

 おります」


「こちらの経験談を元に、多種多様な見方や

 反応があるものだと」


限理神・マファーダの手先であるテクスと

エクシルは、ポーカーフェイスで女神との

応答をこなし、


「ここではどんな事が聞けたのー?」


赤茶のツインテールの獣人族の少女の問いに、

二人は周囲を見渡し、


「それについては……

 せっかくお越し頂いたのですから、

 一緒にお話をしようかと」


「彼女たちもまた、フィオナ様たちのお話を

 聞けば―――

 新たな考えが浮かぶかも知れません」


そして屋敷にいる女性陣は、すでに魔族の

二人から得た話から来る熱気を持続させており、


「まあそういう事でしたら」


「2人の話と被るかも知れないけどー、

 やってみよっかー」


そこで女神と獣人族は顔を見合わせ、


「(どーするー?

 探りを入れるんでしょ?

 このままでいいのー?)」


「(ま、まあまあ……

 話している間にボロを出すかも知れませんし。

 ここは1つ、流れに乗ってみましょう)」


フィオナとカガミはいったんそれで同意し、

二人を追加した形で『BL談義』が再開された。




「いやあ、やはり受け攻めでどちらかに

 統一する必要は無いと思うんですよ。

 そうする事で可能性を狭めてしまう

 恐れが―――」


「いやいや、どちらかにウェイトを置くかは

 重要ではありませんか!?


 ギャップ萌えというのは理解出来ますが、

 そもそもそれは、キャラが確立していて

 こその話であって……!」


フィオナとカガミ、そしてテクスとエクシルは

周囲を巻き込みながら―――

熱い議論を交わしていた。


「(ねーねー、探りを入れるんじゃないのー?

 何か本気になってない?

 まー面白いからいいだけど)」


「(ほっ本気でこそ向こうもうかつに

 誤魔化す事は言えないはずです!

 これも戦術の1つですよ!)」


女神と第四眷属は小声で話し合い、


「(ちょっとエクシル!

 少しのめり込み過ぎてない!?)」


「だだだ大丈夫です!

 これも作戦の内―――


 それに今私たちが言っている事は本気で

 真剣な事……

 ウソは無いはずですから!!)」


一方で限理神・マファーダの配下二人も、

策という名の暴走をしつつあった。




―――数時間後―――




「ゼェゼェ……

 でっですからね、アタシとしては

 王道そのものを否定しているわけでは

 ありません。


 それに常道を外してこそ、得られる

 面白さもあるわけで……」


「ハァハァ……

 そっそれは理解しております。


 ですがそれは、しっかりとしたバックボーンが

 あってこそで……

 その前提なくしては何も成り立たない、

 かと……」


フィオナとエクシルはお互い息が上がり、

ややグロッキーな様相を見せ、


「あの、お2人とも少しお休みなされた方が」


「いったん休憩しましょう。

 何か急ぎのご用件とかはありませんよね?」


屋敷にいたカトゥ財閥の侍女・メイドたちが

お茶を差し入れる。


「まあ確かにこれといった用件は無いけどねー」


「こちらも特に制限とかは設けられていません

 ので……

 落ち着いた後で再開するのがよろしいかと」


カガミとテクスが、お互いのパートナーを

なだめながら飲み物を受け取ると、


「……あれ?」


「あのう、テミス様、エクリル様……?」


女性陣が二人の顔をじっと見つめる。


「?? どうかしましたか?」


「私たちの顔に何か……」


そこで彼女たちは自分の顔や髪に手をやると、

人間に化けていた時の姿が解け―――

悪魔のような角が出ている事に気付く。


「……っ!? こっこれは!?」


「し、しまった……!!

 つい議論に熱くなり過ぎた!!


 こっ、このままでは―――」


正体がバレてしまったテミスとエクリルは、

周囲を見渡し、


「……女神、それに眷属よ。

 一戦交えるのであれば、相手になろうぞ」


「犠牲を出したくなければ外に出るがよい」


実際、魔族二人の心境は―――

『こうまで話し合えた人間を巻き込むのは

ちょっとなー』であり、


「望むところです……!

 彼女たちに手は出させません!」


「まー戦うなら2対2でちょうどいいしねー」


女神組もまた、『こうまで熱い議論を交わした

同志たちを、危険な目に合わせるわけには

いきません』であった。


そして利害が一致した両組は、屋敷の裏庭へと

出て行った。




「ふっふっふ……

 まんまとアタシの策に引っかかり、正体を

 現しましたね2人とも……!」


「く……っ、こんな巧妙で大胆な策を使うとは

 思いもしなかったわ……!」


フィオナとエクシルのやり取りを見ていた、

それぞれのパートナーは、


「あーいう事言っているけど、本当のところは

 どうなの?」


「んー、適当じゃないかな。

 途中まで本気で討論してたし?」


両腕を組んで話し合う魔族と獣人に、


「ちょっとテクス!!

 何でしれっと観客席側にいるのよ!」


「カガミさんもです!

 早くこっちに来てくださーい!!」


魔族と女神、お互いのパートナーに

呼ばれ、二人はやれやれという体で、

屋敷の女性陣たちから離れ、それぞれの

位置につく。


そして女神組と魔族組が対峙し―――

侍女やメイドたちが遠巻きでそれを見守る

形となった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7453名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


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