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25・言い訳だけはご立派なのが

( ・ω・)締め切りが相次いでいるのに、

リテイクはキツい(自業自得)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女が、

片目を隠すようなワンレングスの同性と

向き合う。


「……ほうほう。それでどうなりましたか?」


「しばらくは、足を引きずるような感じ

 でしたね……

 それ以前、ごっそり体力を削られたので」


ホットカーペットの上で話し合っているのは、

女神・フィオナと邪神。


ナヴィが五人の人外娘を夜の討伐で倒したという

話は、アルフリーダ経由で聞いていたので―――

その後、直接本人から聞く事にしたのである。


「へえ……?

 削られたのは体力だけですかぁ~?」


「いえ、だって……♪

 精神はすっごくチャージされましたから♪


 それに代わる代わる可愛がってもらった事で、

 興奮状態は常にMAX状態に♪」


そこでガチャッ、と扉が開かれ、


「あれ、玄関に靴があったので誰かと

 思いましゅたが―――

 邪神さんでしゅたか。


 そういえば今年は初顔合わせでしたね。

 明けましておめでとうございます」


従僕である銀髪の美少年があいさつすると、


「い、いえ。

 去年の暮れはご迷惑をおかけしてしまった

 ようで……


 今年もよろしくお願いします」


やや緊張した面持ちで、邪神もあいさつを返す。


「じゃあ私はこれで失礼しましゅ。

 お2人とも、後でお茶をお持ちしましゅね」


「はーい」


「どうぞお構いなく―――」


ナヴィが退室すると、邪神は足を崩して

内股になり、


「どったの邪神ちゃん?

 足しびれた?」


フィオナが心配すると、


「いえその……

 ナヴィ様がお見えになりましたので。

 いろいろとあの時の事を……


 あ、思い出すだけで濡れてきた♪」


「発情すんな。

 ココ、一応健全な全年齢層向けなんですから。


 それじゃそろそろ、本編スタートしましょう」




│ ■グレイン国            │

│ 王都ウィーンテート・トーリ財閥拠点 │




「何かつかみましたか?」


「はい。テミスさんとエクリルさんはここを

 出た後、どうもカトゥ財閥の拠点へ行かれた

 ようです」


ライトグリーンのミドルショートの髪の女性が、

メイド服姿の使用人と言葉を交わす。


「そこでもやはり『歓待』されている

 ようでして―――」


「まあそうよね。

 シフド国での話は誰でも聞きたがる

 でしょうし……


 内容はここで話した事と同じかしら?」


拠点の責任者が聞き返すと、


「内部にまで入ったわけではないので、

 そこまでは。


 何かご不審な点でもございますか?

 モイラ様」


「そういうわけじゃないんだけど、

 ここにいらっしゃっている『女神様』が、

 その2人の動向に注目しているようなの」


するとメイドは一瞬驚いた表情をするが、すぐに

元に戻す。


「別に敵とかそういうものではないと思うわ。

 ただ、シフド国、グレイン国と行き先が同じ

 なので、気になったみたいね」


「そうですか……


 そもそもあのお2人―――

 フィオナ様とカガミ様ですが、どうして

 グレイン国に来られたんでしたっけ?」


それを聞いた責任者はコホンと咳払いし、


「そこまで貴女が知る必要は無いわ。

 情報収集に徹しなさい。


 まあそもそもあのお2人も、当初グレイン国に

 行くかミイト国に行くかで迷ったらしいの。


 確率は1/2だし、ただの偶然でしょうね」


限理神・マファーダの手先が、女神・フィオナが

かつて滞在した国々に調査の手を伸ばしている、

という情報は上層部で共有されていたが、

諜報機関の一人に過ぎない彼女には手に余ると

判断し、モイラは話を続ける。


「なるほど。確かに不自然ではありませんね。

 では純粋に『あの』見識を広げるために

 来ただけで……」


「ヨダレを拭きなさい。

 ここではメイドなんだから、

 はしたなくてよ?」


「ジュル……そういうモイラ様も」


二人で口元をぬぐい、そしてメイドはさらなる

情報を求めて外へ、拠点責任者はその事を報告に

屋敷内へと戻った。




「えっ? あのお2人、カトゥ財閥に

 行かれたんですか?」


「確かメルリアさんのところだよね?

 シフド国の。


 こっちから連絡したのー?」


女神と、赤茶のツインテールをした獣人族の

少女が―――

モイラからの報告に聞き返す。


「いえ。もっとも、トーリ財閥もあの2人が

 国近くまで来たところでお迎えを出して

 おりますから……

 カトゥ財閥の方でその事を知っていても、

 別段不思議は無いかと」


双方ともに財閥であり、各方面にその手の者を

調べさせているのだ。

だからテミス・エクリルの入国を聞いて、

その後呼び出されてもおかしくは無い。


「じゃあカトゥ財閥に招かれたんでしょうか?」


「そう思われても格別の異存は……

 それに、向こうも女性はおりましょうし」


「まあそだねー。

 むしろ見逃す事はないかー」


カガミの言葉に、他の女性二名も一緒になって

苦笑する。


「しかし―――

 限理神・マファーダの件は各財閥も知って

 いるはず。


 そちらから何か情報は来ないのでしょうか」


モイラが首を傾げながら疑問を口にすると、


「んー、来てないですね。

 ただ相手は人外ですから……


 もし何かあれば、こちらに連絡しない事は

 ないでしょうし」


「ナヴィ様が逃げられたって言ってたんでしょ?

 多分、普通の人間じゃ無理だと思うよー」


それもそうか……

と、拠点責任者の彼女はうなずき、


「それでフィオナ様、カガミ様。

 今後はどのように?


 フィオナ様もカトゥ財閥に向かわれますか?」


それを聞いた二人はいったん顔を見合わせ、


「一応、トーリ財閥を拠点にという話

 でしょうから、無理に行く事は無いかと」


「迎えが来たら行くかも知れないけどねー。

 それまでは街中を探索、かな?」


二人の答えにモイラは少し考え、


「それにしても、そのナヴィ様がいた方が

 限理神の手先の調査ははかどったのではないで

 しょうか。


 逃げられたとはいえ、直接相対した事のある

 お方ですし―――」


至極当然の意見だが、『アンカー』に丸投げした

結果、こうなったと女神は言えず……


「ままままぁ、当人が出て来ない方が相手も

 油断するかと思いましてねっ。

 そ、それに今は別の任務に当たってもらって

 いますので―――」


「……なるほど。

 逆に警戒を解くという事ですか。


 そこまでお考えの事を知りもせず、

 申し訳ございません」


その切り返しにナヴィがシフド国から反応し、


『よくもまあ、言い訳だけはご立派なのが

 ぺらぺらと出てきましゅね』


「(い、いいでしょーがっ!

 『アンカー』の存在を話すわけには

 いかないんですからっ)」


従僕のツッコミに焦りながらも女神は返す。


「じゃあ、適当に街中でも見て回ろっか」


「そ、そーですね。

 それでは少し外に出てきます」


逃げるように拠点を後にすると―――

二人は行く当てもなく散策し始めた。




│■王都ウィーンテート・カトゥ財閥拠点 │




「ですが、それでは持ち味が殺されませんで

 しょうか?」


「素材そのものはいいのですから、よりそれを

 いっそう引き出すものであれば……」


その頃、限理神・マファーダの手先である

テクスとエクシルは―――

カトゥ財閥の女性陣を相手にBL談義に

花を咲かせていた。


「いいえ、何でも決めつけてはいけません」


「もっと広い視野で見るのです。

 いいですか、結局……


 全てを受け入れたものが一番強いのです!」


テミス、エクリルと偽名を使った彼女たちは、

人間相手に熱弁を繰り広げ、


「な、なるほど。

 玉石混交ぎょくせきこんごう、むしろそれらの価値観にも何かを

 見出すのですね!」


「目が見開かれたような気分ですわ……!」


魔族の二人はそれを聞いて満足気で―――

そして議論はさらに熱を帯びていった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7431名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

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(;・∀・)カクヨムでも書いています。

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