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23・確かにそれは重要ですねえ♪

( ・ω・)休日は自分を追い込まなければ

ならないから不便。


日本・とある都心のマンションの一室―――


そのリビングで一匹のペットらしき長毛種の猫が

天井を見上げ、静かにその時を待っていた。


『おお、ナヴィか?』


「その声はユニシス様ですね。


 年末年始はいろいろと大変だったと

 思いますが……

 もう解放されたのですか?」


聖戦クリスマス、それに年越しと―――

いろいろと自分の主人であるアルフリーダに

付き合わされた事を知っているナヴィは、

夫であるユニシスの体を気遣う。


『さすがにお正月も過ぎたしね。

 いつまでもゴニョゴニョ……というわけには

 いかないだろう』


「そうですか。

 それにしても、例年に比べれば比較的元気な

 印象を受けるのですが」


普段の場合、SOSを発信したり疲れ果てて

いたりするので―――

その事についてナヴィは疑問を呈するが、


『あー、ママが一戦終える度に僕の体力を

 回復させていたから』


「何をしているんですかあの人……」


自分の主人の行動にやや呆れながらも、彼は

会話を継続し、


「それならまあ、今のユニシス様は一応

 お元気という事ですね」


『んー……まあ、そういう事になるのかな?

 ただ回復したのは体力だけで、精神的な

 疲労とかはまた別の話になるから』


つまり精神的に疲れるプレイをしたのか―――

と思っても口には出さず、ナヴィは話を進める。


「そういえば、その当人は今どうして

 おられるのですか?」


『いやーママだけ体力を回復しないで挑んで

 いたから、今はさすがに休んでいるよ』


ユニシスの答えに彼は首を傾げ、


「ユニシス様だけ、ですか?

 いったいどうしてそんな事を」


『何か一方的に攻められたかったのと、

 自分の体力の限界にチャレンジしたかった、

 とか言ってたっけ』


「などと意味不明な供述をしており、

 取り調べは当人の意識の回復を待って

 行われる模様。


 さてそれでは―――

 そろそろ本編スタートいたしますね」




│ ■シフド国 メルリア本屋敷  │




「どうでしゅかフィオナ様。

 グレイン国には無事到着しましたか?」


銀髪の美少年が、自分の主筋に向けて神託カイセン

繋げる。


『あー、ハイ。

 何とかようやくいろいろと困難を乗り越えて

 到着しておりますです、どーぞ』


向こうからは疲れ切った女神の声が聞こえ、


「やっぱりカガミしゃんが大人しくして

 おりませんでしゅたか?」


『そんなレベルじゃないですよもう……!


 何かが気になった、見てくる触って来る

 持ってくると言っては離脱しますし―――

 それでいて走っている馬車にすぐ追いつくん

 ですから。

 御者ぎょしゃとお馬さんがビビリまくっていましたよ』


かつてカガミと一緒に遠出をした事のある彼は、

何が起こったのかを正確に予想していたが、

状況確認が先だと判断し、先を急ぐ。


「まあ一応、到着するには到着したん

 でしゅね?」


『そうですね、ハイ。

 それでこれから、グレイン国にある

 トーリ財閥の拠点に向かう予定です』


「わかりましゅた。

 それでは連絡はこまめにお願いいたし

 ましゅよ。


 ではいったん神託カイセンを切りましゅ」


そこで会話の成り行きを見守っていた、

屋敷の女主人や獣人族の少年が、


「拠点はこれから向かう、との事でしたが」


「そうでしゅね。

 ただ王都には入ったので―――

 いくら何でもそこで襲われるという事は

 無いと思いましゅよ?」


ロングのピンクヘアーに、眼鏡をかけた

秘書風の女性がホッと一息つき、


「まあ、アイツが同行したにしては、

 被害がそれほどでは無かったと思うべきか」


シルバーヘアーの巻き毛の少年が複雑な表情で、

自分を納得させるように語る。


「しょれに、行き先はトーリ財閥の拠点と

 確定しているわけでしゅし……

 しばらくは何も起きないでしょう、

 いくら何でも」


女神の従僕の言葉にメルリアとキーラは

うなずき、次の神託が行われるまでいったん

待機する事となった。




│ ■グレイン国            │

│ 王都ウィーンテート・トーリ財閥拠点 │




「えっ!?

 テミスさんとエクリルさんが、ここに

 いたんですか!?」


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女―――

女神・フィオナは目的地で、その二人の話を

聞いて驚く。


「は、はい。

 何か不審な点でもありましたか?」


テミス・エクリルに対応したであろうメイドが、

おずおずと聞き返すが、


「ううん。

 でもどこに行ったの、その2人」


赤茶ツインテールの獣人族の少女が質問を重ねる。


「いえ、いくらか話をしただけで……

 それに、お2人はこちらから呼んだと聞いて

 おりますけど」


その答えにフィオナとカガミは首を傾げる。


「呼んだ、というのはトーリ財閥が?」


「もしくは、ここに来たと知った責任者が、

 お2人を招いたのかも。


 何せシフド国での一件は、私の耳にも入って

 いるほどですから」


「あー、なるほどー。


 という事は責任者っていうのは

 『女性』だね?」


獣人族の少女の言葉に、メイドはコクリと

うなずき、


「はい。そしてその責任者が先ほどから

 お待ちです―――」


そこで女神と眷属の少女は、彼女の案内に応じ、

拠点である屋敷の中へと入っていった。




「初めまして……

 わたしがこのトーリ財閥支店の責任者、

 モイラと申します」


責任者と称す、そのライトグリーンの

ミドルヘアーの女性は、フィオナとカガミを前に

説明する。


「……ええ、はい。

 確かにそのお2人でありました。


 テミスさんとエクリルさん―――

 なかなかの『見識』の持ち主でしたが」


「う~ん……偶然ってあるものなんですねえ」


「行き先が同じなんてねー」


女神と獣人の少女は疑う事もなく納得し、


「そういえば、こちらに案内してくれた

 メイドさんが、シフド国での一件をすでに

 知っていたという事ですが」


フィオナの問いにモイラは静かにうなずき、


「メルリア様のカトゥ財閥もまた―――

 トーリ財閥に匹敵する情報網を持って

 おりますからね。

 その財閥つながりで伝えたのではないで

 しょうか。


 それに同性としては見逃せない情報でも

 ありましたので」


「ほほう、それはそれは……♪」


「んー、じゃあさー。

 どうしてカトゥ財閥の拠点を手配しなかった

 のかな?」


カガミの疑問にモイラは両目を閉じ、


「規模はともかく、初めに商売として目をつけた

 のは、トーリ財閥でありますから。


 まず一番最初はそちらへ、というお考えも

 あるのでしょう」


ふむふむ、と女神と獣人族の女の子はうなずき、


「しかしご不審な点があるのでしたら―――

 わたしや他の者たちが聞いた話と照合し、

 確認してみるのはいかがでしょうか。


 シフド国であった事も含め……

 当事者のフィオナ様、カガミ様から♪」


そこで女性陣三人はニヤリと笑い、


「確かにそれは重要ですねえ♪」


「そうだねー♪

 ちゃんとそこは確認しておかないとねっ♪」


「では他の者も呼びましょう。

 数が多い方が正確になりましょうし―――


 それとテミスさんとエクリルさんについては、

 トーリ財閥の情報網を駆使して行方をつかんで

 おきましょう……♪」


そして女性陣が集まると……

再び想像と妄想の宴が幕を開けた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7411名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

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【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【毎日更新中!】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958

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