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17・眷属追加

初めてポイントが付きました。

あと2章はこれが最終話です。

(3章へ続きます。終わりじゃないです)


それと、今回で投稿してから2ヵ月ほどで、

15000PV達成しました。

今後ともよろしくお願いいたします。



│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




フラール国、アルプの家。


そこで女神・フィオナとお目付け役猫・ナヴィは

今回の出来事について語り合っていた。


「何か今回は、アンカーどもが不完全燃焼

 でしたねえ」


「いきなりメタりゅな。


 まあ、神の資格はく奪とか、緊急の事態では

 ありましぇんでしゅたし」




【 最近、条件付けとか覚えてきたもんな。 】


【 つーか引きこもらなくなったしなあ…… 】


【 この女神、いてもいなくても変わらなくね? 】




「フフフ……客寄せパンダという言葉すら

 知らないようですね、この愚民どもは」


「遠まわしに自分を実質的に役立たずって

 認めているようなものでしゅが、

 意味わかってましゅ?」


「?? それはそれとして……


 どうしてトニックさんが床に転がって

 いるんですか?」


アルプは、床で手足の先端を引きつらせながら、

小刻みに震えているトニックを心配そうに見つめる。


「あの、やっぱりフィオナ様が

 お許しにならなかったとか」


「しょんなに大層な理由じゃないでしゅよ。

 死ぬ事はないから安心するでしゅ」


「彼は異教徒きょにゅうはという事が発覚しましたので、

 少しおしおき―――

 いえ、改心させるためにちょっとアタシの

 手料理を食べて頂いたのです」


「そうなんですか!

 フィオナ様の真心を込めた手料理を食べて、

 あまりの美味しさに倒れたんですね!」


「ちょっとポジティブ過ぎる気がするでしゅが、

 まあそういう事にしておきましゅ」




結局―――

ソルトとトニック、2人を大目に見てもらう事と

引き換えに、『枠外の者』ラムキュールも見逃す

事となった。


彼らはこれからはマルゴットの下で諜報活動を行い、

主に祖国であるルコルア国で、『仕事』をしてもらう

予定だという。


余談だが―――

彼らを大目に見てくれたバーレンシア侯爵は、


ソルトとトニックの依頼料の金貨10枚のうち、

2割を自分の取り分という事で、金貨2枚を、


そして不法行為のペナルティを手違いとして処理、

規則通り罰金として金貨5枚、合計7枚を受け取った。


用意されていた金貨の残り93枚は

受け取れないとして返却し、

それがローン・ボガッドの耳に入ると、


「何と無欲な若者なのだ!!」


と感激し―――

事ある毎に『我がバクシアにも清廉潔白せいれんけっぱく

人物がいる』と語ったため、


本国での彼の評価が急上昇し、またフラール国内でも

アルプの扱いを伝え聞いた人々の間で人気が高く、


近くバクシア・フラール両国から共同表彰される

予定である事を、彼はまだ知らない。


また、ミモザ、ファジーの姉弟は引き続き

アルプの果樹園で働いてもらい、


「もしあの2人でも足りないって言うなら―――

 アタイもやるよ。

 いつでも声をかけてくれ」


という事で、いざという時はミモザも情報屋として

協力する事になった。


そしてファジーの方は―――




―――回想―――


│ ■日本国・フィオナの部屋  │




「え” 眷属って増やせるの、ママ?」


『出来るわ。ただ―――

 信者数がMAXの8割程度は戻って無いとダメ。


 黄金の果実と違って、神の力である信仰が減る事は

 無いけど、今は信者が1300人ほどでしょ?

 あと300人は必要ね』


母子であるフィオナ・アルフリーダの会話に、

ナヴィが入り込む。


「今のペースでいけば時間の問題でしょう。

 しかし、いったい誰を眷属に?」


「ムムム……あの某精霊エルフ貴族さんかシモン君か

 新顔のファジー君も捨て難い……

 あとバーレンシアちゃんも結構いい男で」


『言っておくけど―――

 眷属は1つの国につき1人しか出来ないわ。


 そして、眷属にした者の出身国に降臨出来る

 ようになる。


 もっと力が強ければ国に関係なく増やす事が

 出来るけど―――

 神様初心者って事を忘れちゃダメよ』


「そういう制限もあるのですか。

 アルフリーダ様」


『だから、あのビューワーという貴族の人は

 今は眷属には出来ないわ。


 バクシアか、ルコルアのどちらかね。

 どうするの?』


母親から選択を突き付けられた彼女は考え込む。




「ん~……女性は選択肢に無いとして」


「無いのかよ。

 でもまあ、まとめてみますと―――」


 ―――シモン・ストラジェン―――

 商人。バクシアでの商売拠点。

 徴税官であるシオニムの娘とも仲良し。


 ―――レンジ・バーレンシア―――

 侯爵。バクシア出身、フラール国代官。

 他国との取引き関係では重要なポジション。


 ―――ファジー・ベリーニ―――

 ルコルア出身。ミモザと一緒に情報屋をやっていた。

 今は果樹園手伝い。



「この3人の中から―――

 という事になりますね。


 『枠外の者』と今後も対抗するのであれば、

 バクシアが行動範囲に入るというのはアリだと

 思われますが。

 となると、シモン君かバーレンシア侯爵の

 どちらかが」


「究極の選択ですね……

 む~……ここは一つ、『アンカー』で―――」




―――回想終了―――




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │

│ ■アルプの家          │




「アルプさん、ナヴィ様、食事の用意が―――

 あ、フィオナ様!」


部屋に入ってきたファジーはフィオナを見るや、

頭を大きくぺこりと下げた。


「フィオナ様!?

 いつこっちへ来たんだい?


 ―――で、何でトニックのヤツが

 床に寝っ転がってんだ?」


「彼はおのれが今まで囚われた妄執もうしゅうを悔い―――

 アタシの手によって、その罪を浄化されたのです。


 もう二度と、よこしまな気持ちにはならないでしょう」


「あとソルトしゃんなら、今後の方針を

 バートレットしゃん、マルゴットしゃんと

 話し合いに言っているしゅよ」


「そうだったんですか。


 あの、フィオナ様―――

 ボクに眷属が務まるでしょうか」


「まだ眷属『候補』ですからね。

 そう気負う事はありません。


 それに、すでに先輩もいるんですから―――

 ね、アルプ?」


「は、はいっ!

 フィオナ様の名を汚さぬよう、ファジー君と一緒に

 全力でお仕えしてまいりますっ」


フィオナの言葉に、思わず姿勢を正して

応えるアルプ。




「―――よっと。

 じゃあ、トニックのバカはアタイが

 連れていくよ。


 しかし、神様なんていないって思ってたのに、

 ファジーが今や女神様の眷属か。


 世の中、わからないものだねえ」


「ミ、ミモザ姉っ!」


「ああ、悪い悪い。

 皮肉じゃないよ。


 ただ、この世界も捨てたもんじゃないと

 思っただけさ」


「(実際のところは―――

 シモン君かバーレンシア侯爵の二択だったのに、

 どこかのダ女神が選択肢として残してしまい、

 あまつさえそれを『アンカー』に選ばれてしまった

 だけなんですけどね)」


「(何を言っているの?

 この組み合わせの良さが

 わからないなんてハァハァ)」


「(お前が何を言っている?)」


「2人とも、どうかしたのかい?


 さ、早く来てくれ。

 ソニアさんも待ってるよ」


そして5人は―――

アルプの母親が待つ、食卓へと向かった。


カシャ☆




―――女神フィオナ信者数:現在1424名―――



―――3章へ続く―――




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