表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300/402

10・現実逃避だね! カガミもやってみる!

( ・ω・)300話達成!!

応援ありがとうございます!

(単に長いだけ)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、

銀髪の美少年が隣り合って座り、


「さて、これで連載300回という事ですが。

 それを記念して……」


「祝・300回【尺稼しゃくかせぎ】茶番―――

 カップル成立再確認の回としましゅ!」


ナヴィの言葉にフィオナは慌てて、


「ステイステイ!

 【尺稼ぎ】って本音が出ちゃってる!!」


「本音とまでは言ってましぇんが」


そこで女神は一息ついて紹介を始める。


「まずはバートレット・ビューワー伯爵と、

 マルゴット・グラノーラ令嬢ですね」


「初期の頃からおりましゅし、協力関係も

 長かったでしゅから……

 順当と言えば順当なカップルさんでしゅ」


次いでフィオナは書面に目を通し、


「そしてシモン・ストラジェン君と、

 ポーラ・ネクタリンさん」


「この2人もまあ、収まるところに収まった、

 という感じでしゅかね。

 果実店の跡取りと、徴税官の娘というなかなか

 異色の組み合わせでしゅが」


女神は続けて書面を見ながらうんうんと

うなずいて、


「そしてレンジ・バーレンシア侯爵と、

 レイシェン・シッカ伯爵令嬢!」


「まあレイシェンさん頑張っていましゅたから。

 きちんと成就じょうじゅ出来て良かったでしゅ」


そしてまたフィオナは書面に視線を落とし、


「ファジー・ベリーニ君と、

 ミモザ・ベリーニさん……


 この2人は姉弟してい同然に暮らしてきましたから、

 落ち着くところに落ち着いた感じですね」


「そうでしゅね。

 しょれにずっと一緒だったんでしゅから、

 これからもうまくやっていくでしょう」


従僕の少年の言葉の後、女神は書面を

放り投げるように手放すとガッツポーズを取り、


「最後はこのアタシ!!

 フィオナ・ルールーと……

 アルプ・ボガッドだあぁあああ!!


 あとオマケでメイさん」


「いや本当に長かったでしゅからね。

 第2話から会っているのによくぞここまで

 っていう―――」


ナヴィにジト目で言われ、女神は反発し、


「べっ別にいいでしょう!

 それに困難というトンネルは長ければ

 長いほど、抜けた先の光はまばゆいもの

 なんですよ!!」


「そんな恋愛展開は皆無に近かったと思われ

 ましゅが……


 それに最後の一線を越えたのだって勢いと

 いいましゅか。

 薬とか。あと薬とか。しょれと薬とか」

(■8章32話

アグレッシヴビーストモード参照)


「いっいいじゃないですか!

 それに薬に走っちゃったのはみんなも

 一緒でしたよね!?


 でっ、では記念すべき300話!!

 本編スタートしますね!」




│ ■職人ギルド街・印刷工房   │




「じゃあ、どのポーズからさせるとしようか」


「何せ3人だからねぇ。

 その組み合わせは無限……!」


「あ~考えるだけでヨダレが」


男装の麗人といった格好のカーレイ、

それに赤とダークブラウンの長髪の女性二人、

メヒラとジア、三人を中心に熱気が上がる。


「メルリアは参加しないの?」


「だって生のモデル確保しているんだもん。

 今日くらいは貸してあげてもいいわぁ」


シルバーの巻き毛の獣人の少年が、

自分の住む屋敷の女主人に問うが―――

彼女は余裕の表情で返す。


「……何してるの、ナヴィさん。

 ボケーっとして」


「こりぇは自分の意識を別次元に飛ばし、

 何とか自我を保とうとする高度な感情抑制の

 方法でしゅ」


「現実逃避だね! カガミもやってみる!」


ナヴィは赤茶のツインテールをした獣人族の

少女から、あっさりと目論見を見破られ―――

観念したように両目を閉じる。


そして構図について話し合う女性陣を、遠目で

彼らは見守った。




「(ど、どうしましょうエクシル……

 このままじゃ絶対バレると思いますけど)」


「(でもこのまま逃げても、バレるのは

 確実だわ。


 しかも彼らをモデルとしてこんな間近で

 見られる機会はそうそう―――

 じゃなくて、これだけ内情を調べられる

 チャンスは無い……!)」


「(モデルのスケッチの時だけ離れる……

 という選択肢は無いですよね)」


「(それじゃ何のために潜入したのか

 わからないわ、テクス。


 ここはみんなと同じように振る舞うのよ。

 そして溶け込めば目立つ事は無いはず……)」


人間の女性に化けた限理神・マファーダの

配下の二人は、自分の欲望を誤魔化しつつ、

どうやったらモデルスケッチの場にいられるか

思案していた。


そして―――




「いやですから兄妹を一緒に相手する、

 という構図が一番でしょう!」


「それは違いますわ!

 その2人が争うようにしてナヴィ様を

 求めるという形が―――」


いつの間にかテクスとエクシルの二名は、

女性陣の中で勝るとも劣らない熱気を上げ、


「おう、なかなかイキのいい新人じゃないか♪」


「少年だけじゃなく少女モデルの使い方まで

 考えているのはポイント高いな。


 こりゃ今後が楽しみだぜぇ……!」


「ほらほらあなたたち、新人に押されて

 どうするの?

 もっと自分に正直に意見を言って

 ごらんなさい」


煽るように、カーレイ、メヒラ、ジアが

女性職人たちにき付け―――


「そうですねぇ、ウチらも負けちゃ

 いられません!」


「この柔軟な発想は見習わなければ……!」


「テミスとエクリルだっけ?

 もっとどんどん意見を出しておくれ!」


こうしていつの間にか二人が中心となり―――

モデルの構図が決められていった。




「……みゅ?」


「ん? ナヴィさんどうかした?」


ナヴィ・キーラ・カガミの三人は、

モデルをスケッチする部屋への移動を

伝えられたが、


「ここに来た時、一瞬でしゅが奇妙な気配を

 感じたような気がしましゅて」


「一瞬だけ?

 ボクはこっち着いてからずーっと、

 ドス黒い何かを感じ続けているんだけど」


「キーラにいも?

 カガミもそうー」


事実、ナヴィはテクスとエクシルの気配に

完全に気付いていたものの―――


必要以上に適応したその熱気というか邪気と

いうか、その妄想力は留まる事を知らず、

他の女性陣と一体となって渦巻うずまいていた。


「ホラホラ♪

 さっさと済ませた方がいいでしょう?」


ピンクのロングヘアーの眼鏡の女性が、

手をひらひらさせて追い立てるように言うと、


「さっさと済ませてもらえればいいん

 でしゅけど」


「時間が短くなったらそれはそれで……

 何か凝縮ぎょうしゅくしてしぼり取られそう」


「カガミ、体力には自信あるけどねー。

 精神的な耐久力まではちょっと」


三人はそれぞれ不安を口にすると―――

『作業場』へと入っていった。




「ふっ、ふみゅ、みゅうぅう~……」


「くっ、くうぅう」


「あ~……おぉおおぉ~……」


三時間ほどして彼らは解放されたが、

満身創痍まんしんそういというていでヨロヨロと部屋から

出て来て―――


「お、お疲れ様、キーラ。

 みんな大丈夫? 本当に」


メルリアが思わず駆け寄り、また他の女性職人も

三人を抱えるようにしてソファに寝かせる。


「ほぉ……これはこれでなかなか」


「弱った姿もそそりますなぁ♪」


「元気いっぱいの姿も健康的でいいけど、

 こういう退廃チックな感じも……」


そこへカーレイ・メヒラ・ジアと―――

他の女性陣に交じりテクスとエクシルも

やってきて、


「これは激レア的な……

 めったに見られません」


「んふふ……♪

 頑張って注文した甲斐があったというもの」


「誰のしぇいだと……」


ナヴィが恨めしそうな視線を彼女たちに向けると、


『いい、いいわナヴィ……!

 もっとその目つきでこっちをにらんで……♪』


「このダ女神……!

 今回最後、しかも声しか登場しないくしぇに、

 存在感を出しやがりましてぇ……!!」


『いいわ! もっと! もっとよ!!』


こうして疲労マシマシになりながら、モデルの時間は

終わりを告げた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7222名―――




( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ