表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
298/402

08・大丈夫! バカは風邪引かないんだよ!!

( ・ω・)何か一気に涼しくなったような(極端)


日本・とある都心のマンションの一室―――


ブラウンのワンカールロングの髪の、背中に

コウモリのような羽を持った少女と……

やや目付きの悪い、黒髪セミロングの同性が

向かい合う。


「というわけでですねサキュバスちゃん。

 どういうシチュやプレイが萌えるのか、

 是非ともその道のプロにお話を伺いたいと

 思いまして―――」


「何がどういうわけなのかわかりませんけど……

 まあ誘うという事に関してはその通りだと

 思いますが、そもそももう夫予定なんですから

 誘えていますよね?」


フィオナの言葉に、サキュバスは困った顔で返す。


「いやでもぉ、いざアルプきゅんとベッドイン

 プロレスするとなりましたらこういろいろと

 ですねえ。


 やっぱり多少、セリフとか考えた方がいい

 かなって思ったり思わなかったり?

 というかそれを教えろ教えてください。

 なおこれはオートイベントなので拒否や

 スキップは存在しません」


「ピ〇ミンより人権がねぇ。


 ……一応聞きますが、それは相手を

 燃え上がらせようとしての事でしょうか?」


サキュバスが聞き返すと女神は


「いや、まあ?

 そういうのが目的では?」


すると彼女は少しうつむきながら

首を左右に振り、


「甘いですね。


 それは一方的なご奉仕、押し付けです。

 一緒に高まる事こそ本来の愛……!


 相手を燃えさせるのと同時に自分も燃えるのが

 本当のそういう『セリフ』です!!」


「お、おお……!


 よし、今度メイさんと一緒に考えるわ!

 アタシもアルプきゅんも燃え上がるヤツを!!

 〇▲◇×※とか、%■$¥#とか―――」


そこへ銀髪の美少年が目を線にしながら

入って来て、


「はいそろそろ18禁になりそうなので、

 このヘンでストップお願いしましゅ」


「あ、ナヴィ。あなたはどんなのが萌える?

 おねだりがいい? それともちょっと

 嫌がったり?」


「だから止めろと言っているでしゅ。

 強制的に本編スタートしましゅよ」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




「お早うございます」


女神・フィオナは寝ぼけまなこでそこの家主の

母子にあいさつする。


「お早うございます、フィオナ様」


「朝食の準備は出来ていますので、こちらへ」


彼女の第一眷属であるグリーンの短髪の少年・

アルプと―――

その母ソニアが彼女を食卓へと促す。


そこへ銀のロングウェーブの髪の、第三眷属の

妹もやってきて、


「おはよーございまーす。

 ……ってアレ? フィオナ様!?」


メイは女神の姿を見ると驚き、


「どうしたんですか!?

 何か非常事態ですか!?」


「アタシが早起きしたくらいで何で

 そうなるんですか。


 とにかく食べましょう」


そこで4人はテーブルに座り、朝食タイムに

入った。




「そういえば、もう今頃は出発している

 頃でしょうか」


アルプが食べながら、フィオナに向かって

何気なく話す。


「テクスとエクシルの情報は昨夜、全員と

 共有しましたからね。


 ミイト国ですでにナヴィはカガミさんと

 合流したようですし―――

 準備が終わればもうシフド国へ向かって

 いるでしょう」


昨晩、定期連絡の神託が行われ……

改めて限理神・マファーダの手先である

二人について判明した情報が報告された。


「でも、手先って言ってもその2人、

 かなり強そうな二つ名がありましたよね?


 『哄笑こうしょうの魔女・テクス』―――

 『落煌らくこうの堕神・エクシル』……


 それらを配下としている限理神って」


ソニアが不安そうにするが、


「だからこそ、戦闘や接触は避けるように

 指示しましたので大丈夫でしょう。


 カガミさんが何もしなければ」


女神が食事を止めて答えると、


「そうですね、カガミさんが大人しく

 していれば……」


「うん、大丈夫でしょう。

 カガミさんが暴走しなければ―――」


それにアルプとメイも続き、条件付きで

四人は無理やり自分を納得させた。




│ ■ミイト国・首都ポルト      │

│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷   │




「ハッ、クシューン!!」


赤茶のツインテールの獣人族の少女が、

大きなくしゃみをし、


「風邪?」


「……大丈夫、体調……?」


トーリ財閥の姉妹が心配そうに声をかける。


「大丈夫! バカは風邪引かないんだよ!!」


それを聞いて―――

バイオレットヘアーの、ややトロンとした

目付きの姉・シンデリンと、

姉と同じ色の長髪をした、日本人形のような

無表情の妹・ベルティーユも……

どう答えたらいいのかわからず沈黙する。


「自覚があるのはいい事だと思うのでしゅが」


「お嬢様方が困っておられますので―――」


ナヴィの次に、黒髪黒目の従者・ネーブルも

カガミに苦言をていする。


「とにかく行くでしゅよ。

 ミイト国には眷属がいないでしゅので、

 連絡は出来ませんでしゅたが」


「それについては昨夜のうちに、神託の内容を

 書いた手紙をメルリアに送っておいたから」


「……今日の昼頃には……

 着いていると思う……」


シンデリンとベルティーユの言葉に、

ナヴィは目を丸くして、


「しょんなに早く着くんでしゅか?

 伝書鳩がいるのは知ってましゅけど、

 夜は飛べないんじゃ」


「夜間のうちに早馬で可能な限り進んで、

 夜が明けたら最寄りのトーリ財閥の拠点に

 駆け込んで、そこで鳩を飛ばします。


 フィオナ様のご神託ほどではありませんが、

 緊急ならそれなりの速度で連絡出来ますよ」


その疑問にネーブルが口が応じ―――

改めて二人はトーリ財閥の『力』を認識した。




│ ■シフド国 メルリア本屋敷  │




「メルリア、何読んでいるの?」


銀髪の巻き毛の獣人族の少年が、ソファに

寝転びながら屋敷の女主人に目をやる。


「あなたの妹さんが来るそうよ? キーラ。

 ナヴィ様も連れて―――」


ピンクのロングヘアーに、知的そうな眼鏡を

かけた女性、メルリアの答えに彼は身を起こす。


「逃げていいかな」


「ダメに決まっているでしょう♪」


いつの間にか彼女の手は彼の首根っこを

つかまえていて、


「だってナヴィ様が来たら、余計『もでる』の

 仕事が忙しくなるじゃん……」


「カガミちゃんほどじゃないけど、あなたも

 じっとしているの苦手だものね。


 でもそれは仕方ないわよ。

 あなたほどのレベルの美形さんってめったに

 いないんだから」


観念したかのように少年は、女主人に抱かれる

ようにして、


「それで、何の用で来るの?」


「んー、この前コザイ国で限理神・マファーダ

 とやらが出現したでしょ。


 その手先がこの国に来るかも知れないので、

 用心のためって書いてあるわ」


メルリアは片腕をキーラに回し、もう片方の腕で

手紙を読み上げる。


「前に故郷にもその連絡がいったけど、

 どういう状況なんだろ?」


「その件についても、詳細は2人が来た時に

 教えてもらえるらしいわ。


 さてと、ワタシはワタシで―――

 工房に連絡しなくっちゃ」


そこでメルリアはキーラを手放すと、

ウキウキしながら手紙を書き始めた。




│ ■職人ギルド街・印刷工房   │




その頃、例のBL本を請け負っている

工房では―――


「おーし、気合い入っているかぁ!?」


「「「おーっす!!」」」


端正な顔立ちの、ともすれば美男子に見える

女性が、長ズボンに片腕を突っ込みながら

大声を張り上げると……

その声に女性しかいない職場の職人たちが

呼応する。


「カーレイも気張っているねぇ。

 まあ俺っちもだけど―――


 何せとんでもない戦力が入ってきたからなぁ?

 期待してるぜぇ、2人とも」


赤い長髪を後頭部でハーフアップにまとめ、

顔の両側にウェービーヘアーを垂らした女性、

メヒラが薄笑いを浮かべる。


「いえいえ、これしきの事」


「力仕事でも徹夜でも何でもおっしゃって

 ください。


 その代わり、モデルをデッサンする時は

 是非お呼びを……」


そこには十代後半から二十代前半と思われる、

ごく普通の若い女性二人が立っていて、


「ああ、わかっている。

 じゃあ引き続き頼むぜ。

  ・    ・

 テミス、エクリル―――」


「「はいっ!!」」


カーレイの言葉に、人間の女性に化けた

魔族は、元気よく答えた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7198名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ