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05・何かアタシ今ディスられてる?

( ・ω・)病院のために有給取ったのに、

先生の都合で休診って(愕然)


天界・フィオナの神殿じっか―――


そこの一室で、黒髪セミロングの少女と

褐色肌の青年が、テーブルに向い合せに座る。


「ねーねー軍神パパ

 まだあの、限理神・マファーダってどこの誰か

 わからないの?」


「僕とママの事を知っていたからねぇ。

 だから少なくとも、僕がママと結婚してから

 倒したか封印したヤツだと思うんだけど……


 何せ記録が膨大だからね。

 役所も過去データをひっくり返して

 探しているよ」


父親である軍神・ユニシスは―――

娘であるフィオナの問いに、頭をかきながら

答える。


「しょういえばアルフリーダ様は?

 ユニシス様と一緒じゃなかったのでしゅか?」


フィオナとユニシスの対角線上に立つように、

銀髪の少年……

ナヴィがたずねるが、


「ああ、それが―――

 役所での調査に立ち会っていたんだけど、

 一応、ママ単独時代での記録も調べるかーって

 なった時、


 『まず最初に私に見せて!

 パパは絶対に先に見ないでね!!』


 そう言って僕だけ追い返されちゃって」


それを聞いた女神(娘)と従僕(人間Ver)は

顔を見合わせ、


「う~ん……

 神様としての記録でしょ?

 そこまで気にするかなあ」


「そういえばあまり知らないんでしゅよねえ。

 単独(独身)時代のアルフリーダ様って」


そこで二人の視線は軍神へと向かうが、


「いや、僕だって知らないよ?


 ただ一度ママの異名というか二つ名を

 どこかで聞いた事があって」


「お? それは?」


「興味がありましゅね……」


フィオナとナヴィが身を乗り出して

聞く姿勢になる。


「確かねえ―――

 いくつかあって、


 『歩く爆心地』

 『ハムスターの皮を被った破壊神』


 それと……」


とユニシスが続けようとした時、

突然地鳴りが神殿に響き、


「ママかな?」


「ママですねえ」


「よっぽど知られるのが嫌なようでしゅね、

 アルフリーダ様」


と、例の恋バナの一件もあり―――

(■3章20話「女子力で完全に負けている」

■9章3話「かなりクルものがあります」参照)

三人は事も無げに語り、


「じゃあ……」


「そろそろ」


「本編スタートしましゅ」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




「こちら、女神フィオナ。


 何かありましたか、ナヴィ?

 どうぞ」


フラール国に滞在中の女神は、第一眷属の

少年の家で、突然の神託れんらくに対応する。


『こちらナヴィ。


 限理神・マファーダの手先らしき人たちと

 接触。


 連中の次の行先はシフド国のようでしゅ。

 どうぞ』


女神の側にはアルプにメイ、そしてソニアの

三人がいて話を共有し、


「マファーダの手先!?

 だ、大丈夫でしたか!?」


『私は別段何ともなかったでしゅけど、

 会うなり彼女たちは転げまわりましゅた。


 どうやら病気だったようでしゅ』


質問したグリーンの短髪と瞳の少年は、

その答えにポカンとする。


「えっ?

 女性だったんですか、マファーダの手先って」


『食い付くところはそこでしゅか。

 性別上は確かに女性でしゅた。


 ただ戦闘能力やら何らかの魔力は人間の

 それとは比較にならないと思いましゅ。


 あっさり逃げられましたし―――

 ある意味、いろいろと厄介な相手かと』


「ナヴィ様相手に逃げおおせるのですから、

 確かに手強そうですね……


 しかし病気って何なのでしょうか。

 すぐに立ち直ったところを見ると発作とか」


ナヴィはメイ・ソニアとやり取りをして

情報を共有するが、やや混乱の一面も見え、


「そうそう、ナヴィ。

 その人たちの名前とかわかる?」


『名前でしゅか?

 テクスとエクシルと言っていたような

 気がしましゅ』


それを聞いた女神は片腕で握りこぶしを作り、


「おー!

 いいですよいいですよー!


 今度それをパパとママに伝えれば、

 何かわかるかも知れません!」


『そうでしゅね。

 今回、名前だけでもわかったのは

 大きいかも知れません。


 では私はこれにて―――

 後で他の方々と共有をお願いしましゅ。


 ミイト国にいる方々には、私の方から共有して

 おきましゅから』


こうして臨時の神託は終わり……

各自動き出す事になった。




│ ■ミイト国・首都ポルト      │

│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷   │




「―――というわけでしゅて。


 恐らくその2人は言っていた通り、シフド国へ

 向かうと予想されましゅ」


トーリ財閥の屋敷で、そこの主である姉妹と、

従者の黒髪黒目の少年が耳を傾ける。


「シフド国……ですか。


 序列上位国ではありますが、そこに何が

 あるのでしょう」


ネーブルが唇の下に軽く握った拳をあてて

思案し、


「でもこれまでの話からすると―――

 あながち外れでも無いわ」


「……フラールから始まって……

 ルコルア、バクシア……

 そして我が国ミイトと……


 女神様が関わったところをなぞるように

 動いているのは……

 ……偶然じゃない……」


同じバイオレットヘアーを持つ、シンデリンと

ベルティーユ姉妹は補足するように話を進める。


「どちらにしろ、私はこれからシフドへ向かう

 つもりでしゅ。


 新しい情報はその都度、神託を通して

 共有しましゅので―――

 待機していてくだしゃい」


立ち上がろうとするナヴィをネーブルが

呼び止め、


「もう行かれるのですか?」


次いで、トロンとした目付きの姉と、

無表情の妹も続き……


「少しは休まれた方が。


 それに、いくらナヴィ様といえども、

 お一人で各国間を動き回るのは厳しいと

 思われますが」


「……うん……

 単体では効率も……悪い……


 誰か……手伝ってくれる人は……」


と言いかけたところで―――

シンデリン・ベルティーユ・ネーブルの表情が

困った顔になる。


ナヴィについていけるレベルの人間。

それはフィオナのように、転移でも使えないと

無理な話で、


身体能力的には獣人族であるカガミが有力だが、

性格に難があるのは共通認識であった。


「私は1人でも問題無いとは思いましゅが。


 ただそうでしゅね。

 確かに1人だけだと、何かあった時に

 不便といえば不便でしゅ。


 とゆーわけでフィオナ様。

 次の定時連絡の神託までの間に何か

 考えておいてくだしゃい」


『え”っ。

 いやそのナチュラルに突然振られても、

 心の準備とゆーものが』


いきなり神託で名指しされた女神は、

動揺しながらも答え、


「てゆーかもうかれこれ10章も5話目に

 なるのに……

 『アンカー』まだ使っていないでしゅよね?


 どうしぇ貴女自身に解決策を考えたり

 まとめたりする能力は無いんでしゅから、

 こういう時こそ頼りなしゃい」


『アレ? 何かアタシ今ディスられてる?』


そのやり取りを周囲の三人は困惑しつつ

見守り―――


『じゃ、じゃあ条件くらい決めてよ。

 そちらからの提案だし……』


「ふみゅう。

 まあそれくらいはいいでしょう。


 『私と調査に同行しゅる人物』

 しょして、多分最有力はカガミしゃんに

 なるでしょうから―――


 『しょの人物にしてみんなが納得する理由』

 でしゅね」


『え?

 納得する理由って?』


聞き返すフィオナに対しナヴィは続けて、


「カガミしゃんの能力は認めましゅが、彼女の

 性格だと不安が残る人もいるでしょうから。


 まあ理由が難しければ、その性格を

 抑えるだけの担保とかでもいいでしゅ」


『わ、わかりましたよ。

 やるだけやってみます~!』


そこで神託は閉じられ―――


「では今日のところは、ここでお泊りさせて

 頂いてもよろしいでしゅか?


 次の定時連絡の神託で、私の同行者も

 決まるでしょうから」


その問いに屋敷の三人は頭を下げ……

神託の時を待つ事になった。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7158名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

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それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914

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