03・また死んだ事もないくせに適当な事を
( ・ω・)カクヨム連載が完結したけど、
執筆ペースが上がらない(余った時間の
使い方が下手)
日本・とある都心のマンションの一室―――
家主と思われる黒髪セミロングの少女が、
手元の端末に集中する。
「またゲームでしゅか。
飽きないでしゅねえ」
「う、うるさいですねえ。
対人戦が出来るヤツは相手によって変化
しますので、結構はまるんですよ」
銀髪の少年―――
お目付け役のナヴィに女神・フィオナは
反発するが、
「しょんなにいっぱい人がいるんでしゅか?」
ナヴィの問いにフィオナはうなずき、
「いますよ。それに今は夏休みですから、
子供や学生といったキッズも入って来て
いまして。
だけど子供だからかマナーがなっていない
言動が目立つんですよねー。
それで夏休みキッズとわかるんですけど」
「ふみゅ。
例えばどのような?」
お目付け役が彼女の端末をのぞき込むと、
「そーですねえ……
このゲーム、チャット機能がありますので、
アタシ、入ったらまず挨拶するんです。
『どすこい!ごっつぁんです!』って、
ユーモアを交えて―――」
「ツッコミどころしかないのはいいと
しましゅて、しょれがどうしたんでしゅか?」
するとフィオナは端末から顔を上げて、
「いやーそれが、夏休みキッズに『キモ』って
返されてしまってですねえ。
それでもっとキモくしてやろうと思いまして、
『どすこぉい♪ごっつぁんですぅ♪』って
変えたら相手して来なくなりましてー」
「しょういう事まで聞くつもりは無かったの
でしゅが、面白かったのでヨシとしましゅ。
それではそろそろ、本編スタートしましゅよ」
│ ■コザイ国・某所 │
「フォルド、ワーダー。
結界はどうなっておる?」
洞窟のような場所で身を潜めていた
限理神・マファーダは―――
特徴的な悪魔のような角と翼を持つ配下二人に
語りかける。
「ハッ!
結界そのものは可能だと思われますが」
「マファーダ様の言われる、
『異界の侵入すら許さない』というのは……」
歯切れが悪い部下たちに、限理神は
顔色一つ変えず、
「難しいか」
それを聞いた二人は、下げていた頭をさらに
深く沈め、
「こ、効果と範囲が限定的となります」
「1日だけ限定とするならば、
この洞窟全体でも持ちましょうが」
すると彼は拍子抜けしたような感じで、
「何だ、可能なのか。
ならば範囲はもっと狭くても構わぬ。
我ともう1人が戦闘出来る程度でな。
それらを踏まえ、さらに結界を研究せよ」
限理神は元の場所へ踵を返す。
「ハッ!
それで、マファーダ様は何を」
聞き返された限理神は背中を向けたまま、
「四天王であるお主らだけに任せようとは
思わぬ。
手勢が必要であろう。
『軍』がな」
「ハハ……ッ!!」
その場に部下を残したマファーダは―――
洞窟の奥深くへと戻っていった。
│■フラール国・バクシア国代官館(改3)│
「軍との連携を?」
「必要だと思うよ?
今も何かあった場合のために、各国の
眷属や協力者を護衛しているけど……
僕とビューワー伯爵とレイシェン、
それにナヴィ様とネーブル君。
あとカガミ君もかな?
これだけじゃあ、ねえ」
悪人面ではあるが物腰の柔らかい侯爵が、
フィオナとナヴィを前に考えを述べる。
「魔王を倒すんだったら4人パーティーで
十分なんじゃ」
「黙りぇゲーム脳」
とっさにヘッドロックを女神にかける従僕に、
同席していたシッカ伯爵令嬢やアルプは、
困惑しながら見守る。
「あだだだだでもそーですねー。
今のところ全員戦士か武道家タイプしか
いないですし、バランスが」
「お前マジこのまま絞め落としましゅよ。
あ、こちらの事は気にせずお話を続けて
くだしゃい」
戸惑いながらも周囲は何とか話を継続させる事を
選択し、
「あちらの戦力がどれだけあるかは
わかりませんが、各国から数百から
数千の戦力は期待出来るかと」
鎧に身を包んだ女性騎士ふうの伯爵令嬢が
婚約者から話を引き継ぎ、
「でも相手も神様という話ですし―――
フィオナ様も人間世界への介入は、
影響を考えて最小限にしていましたよね?
そこまで大規模な事をするでしょうか」
グリーンの短髪の第一眷属の少年が、
不安そうに考えを述べる。
「まっとうな神様であればそうなのでしゅが。
何せフィオナ様のご両親を知っての上で
仕掛けてくる相手でしゅからね」
そこでバーレンシア侯爵がウンウンとうなずき、
「お父上が軍神……でしたっけ。
お母様の方も只者ではない『力』を感じたよ。
その娘であるフィオナ様を狙うと堂々と
いうんだから、
用心し過ぎって事は無いだろうねぇ」
軽口だが彼の目は座っていて―――
緊張した空気が室内に充満する中、
「ところでナヴィ様」
「なんでしゅか?」
「そろそろフィオナ様をお放しして
差し上げたら……」
バーレンシア侯爵の言葉に、ナヴィはようやく
女神を解放する。
「ぐぇっほげっほっ!!
アンタねえ、限理神・マファーダとやらの前に
アタシを殺す気!?」
「どうせ殺しても死なないでしょ、
神様なんでしゅから」
「いやあのね?
いくらアタシでも息の根止められたら
死ぬと思うんですよ」
「また死んだ事もないくせに適当な事を」
「死んだら死ぬんじゃあぁああ!!」
もし本当に死んだとしてもアルフリーダ様が
生き返らせてしまうので、実際は死んでも
死ねないのだが―――
その事はナヴィはおくびにも出さず、
周囲がただ微妙な空気になる中……
時間は過ぎていった。
│ ■ミイト国・首都ポルト │
│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷 │
「んー?」
「……何?
どうしたの、シンデリンお姉さま……」
長居バイオレットヘアーを持つ姉に、
日本人形のような無機質な表情の妹がたずねる。
「ホラ、この前―――
ナヴィ様から話があったじゃない。
限理神・マファーダ?
その手先が各国を調べて回っている
フシがあるって」
「……うん……
それが……?」
妹・ベルティーユの問いに姉は一枚の書面を
ヒラヒラとさせ、
「その中でウチの情報網に引っかかったのが
いるみたい。
何でも、一番の資金源にして人脈作りにも
一役買っている、アレを熱心に調べて
いるんだとか」
「……ふぅ……ん……
アレを……
どうする……?
ネーブルお兄ちゃんに、話してみる……?」
妹の提案に姉は首を左右に振り、
「ナヴィ様から、見つけても手は出さない
ようにって言われているし―――
それに今出ている新刊、ネーブル×ナヴィ様に
なっているのもあるから」
「……了解……
ナマモノを当人に見せるのは……禁忌……
ウチの情報網に引っかかったという事だけ……
次の定期報告に……」
そこへ黒髪黒目の従者、ネーブルが現れ、
「シンデリン様、ベルティーユ様。
何かございましたか?」
そこで姉の方は書面をちら、と彼に見せて、
「何でもないわ。
ネズミが引っ掛かったって報告だけ」
「……次の定期報告の際、フィオナ様と
共有するから……
ネーブルお兄ちゃんは警戒を……
ただ、ナヴィ様の言う通り……」
そう語る姉妹に対し、彼は一礼して、
「わかりました。
見つけても手は出さないという事で。
お茶でもお持ちいたしましょうか?」
「そうね、お願い」
「……ネーブルお兄ちゃんも一緒に……
3人分……」
従者の少年はそのまま退室し、シンデリンと
ベルティーユ姉妹はソファに腰を下ろした。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7133名―――
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