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01・いや相手は神様やその使いだと思いますし

( ・ω・)久しぶりの新章(そして章の追加の

やり方を完全に忘れていた)


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪の少女が、手元のスマホに

集中するのを、銀髪の少年が見つめ、


「まったく、よく飽きないでしゅねえ。

 これでも神様だっていうんでしゅから」


「こ、ここは神託地域外なんですから、

 仕方ないでしょう!


 ここでも神様らしい事が出来るんだったら

 しますよ!」


ナヴィの言葉にフィオナは反発し、


「まあ確かにそれもそうでしゅか。


 ここに信者はいませんし―――

 フィオナ様に祈ったりすがったり、

 もしくは不満の声も無いでしょうし」


「あー、信者の声に耳を傾けるってヤツ?


 ここでやっても意味ないですしね……

 いたらいたで怖いですけど」


お目付け役(人間Ver)に対し、女神は

ふと意識を集中する。


「……アレ?

 何か聞こえてきたんですけど」


「え?

 どういう事でしゅ?

 何が聞こえるんでしゅか?」


彼女の言葉に、少年は意外そうに返し、

その様子を見守っていると、


『何か質問とか、おざなりになってきてね?』

『初期に比べりゃ、ずいぶんと出番も扱いも

 雑になってきたよなー』

『もうタイトル詐欺だろコレ』


神託カイセンを共有している二人は顔を見合わせ、


「『アンカー』の恨みというかぼやきですね、

 コレは」


「新章スタートがこんなのでいいんでしゅかね。

 いいんでしょうね。


 とにかく、本編スタートしましゅよ」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




「ごちそうさまでした」


「今日も美味しかったです!」


女神ともう一人の少女―――

第三眷属の妹・メイが昼食を終えてペコリと

頭を下げる。


「お母さん、下げて来ますね」


グリーンの短髪の少年―――

フィオナの第一眷属にして、彼女とメイの

夫(夫)でもあるアルプが食器を片付け始める。


「あ、アタシも」


「わたくしも」


女神と、シルバーのロングウェーブの髪の少女が

同時に立ち上がり、


「いいんですのよ、2人とも」


息子と同じグリーンの長髪を持つソニアが、

アルプと一緒にテーブルの上の食器を持ち、


「いえいえ、お義母さま。

 お世話になっているのでこれくらいは」


「みんなで一緒にやった方が早いですし」


こうして四人で、食後の後片付けをする事に

なった。




「でも、こうなってみると寂しいですわね。

 ファジーちゃんもミモザちゃんも帰っちゃい

 ましたし」


一段落した後、ソニアがお茶に口を付けながら

しみじみと語る。


現在、各眷属とその身内は基本、それぞれの国へ

戻っており―――

限理神・マファーダの動きに備えている状態で、


「ナヴィ様も、それに伴い各国へ向かって

 しまわれましたし」


アルプも捕捉するように続ける。


今のところナヴィは定時連絡を除いて……

その機動力を持って各国を渡り歩き、

パトロールと情報共有を行っていた。


「ナヴィの足であれば、たいていの国は

 1日で行き来出来ますから。

 こういう任務にはうってつけなんですよ」


「でも、さすがにナヴィ様もいなくなると、

 少し不安が」


フィオナの言葉にメイが答えると、


「まあ、今のところすぐ襲い掛かってくるような

 気配はないですけどねー。


 用心するに越した事はありませんから―――

 後でいろいろと仕掛けておきましょうか」


「お任せします」


「よ、よろしくお願いしますっ」


ソニアとアルプが母子で頭を下げ、そこからは

雑談に切り替わった。




│ ■フラール国・ビューワー家館 │




「何を考えていたんですか、マルゴット」


銀髪の、アラサーではあるがどう見ても

二十歳前後にしか見えない伯爵が、婚約者の

女性に問いかける。


「ああ、えーと……

 フィオナ様がこの地に初めて降臨された際、

 『黄金のリンゴ』を下賜かしされた事があった

 でしょう」

(■第1章2話

 それはソシャゲ課金の闇よりも深く参照)


「そういえばありましたね」


バートレットが当時の事を思い出しながら語る。


「あれ、まだ売らずに取ってありまして。

 今ではグラノーラ家の家宝のようになって

 いるんですが、


 ほ、ほら。

 私とバートレット様は夫婦になるんですし、

 こちらに持って来てもいいかな、って」


真っ赤な長髪の女性は、もじもじしながら

答える。


「君がそれでいいのなら―――

 ただ、フィオナ様に聞いておいた方が

 いいと思います。


 でも、そうですね。

 思えばあの時……

 君と一緒になれるなんて思っても

 みませんでした」


しみじみと話す伯爵は彼女を抱き寄せ、


「でも私は結構、何ていうか―――

 君に嫌われていたんじゃないかって

 思うくらい、当たりが強かったというか。


 情けない領主ではありましたけれど」


彼の腕の中で、彼女はブンブンと首を

左右に振り、


「そっそうではありません。


 ただあの時は、『枠外の者』にいいように

 フラールが取り込まれてしまうような気が

 しまして……


 行き所の無い怒りというか―――

 や、八つ当たりみたいな。


 本当に申し訳ございません……」


顔を赤くしたかと思うと、しおらしくなって

大人しくなる。


「確かに、あの頃は打つ手なんて無かった

 ですからね。


 フィオナ様が来られてから全てが一変した。

 それとバーレンシア侯爵様が代官であった事も

 幸いしましたし」


「今にして思えばフィオナ様は―――

 あの侯爵様に関しては最初から敵視して

 いなかったように感じます。


 まさか、侯爵様がこの地に任命された事すら、

 女神様の手配だったのではないかと」


「神様だし、それくらいはあっても不思議では

 ないでしょう。


 そして私に剣の手ほどきをしてくださった、

 軍神・ユニシス様―――

 その奥方であるアルフリーダ様。


 あの限理神・マファーダとやらが……

 2人に因縁のある相手だとしたら、例え

 神だとしても戦わずにはいられません。


 この世界に住まう者としても……!」


ビューワー伯爵はマルゴットを抱きしめる力を

強くし、彼女はそのまま身を任せた。




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │




その夕方―――


ナヴィは報告と休養のため、アルプ家に

来ていた。


「お疲れ様でした、ナヴィ様」


「どうかごゆっくりなさってください」


家主である母子の歓待を受けつつ、

軽く最新の情報を共有する。


「バクシアに何か来た気配が?」


「しょうでしゅね。

 あと、こちらは別口でしょうけど―――

 ルコルアにもマファーダの手の者が来た

 気配がありましゅた」


神としての気配や存在を察する事が出来るのか、

ナヴィはその事について女神に報告する。


「やっぱり……

 探りを入れて来ているんでしょうか?」


「今の段階ではしょうだと思いましゅ。


 まあしょれは少し調べればわかる程度の

 事でしゅので―――

 あまり神経をとがらせる事ではないでしゅが」


メイの質問に答えると、ナヴィはそのまま

フィオナに向き直り、


「しょれでフィオナ様。

 アレは何なんでしゅか?」


「アレと言いますと?」


首を傾げる女神の顔面に、すかさず彼は

アイアンクローを極め、


「対戦車地雷を仕掛けたのはどこのバカかと

 思ったのでしゅがウチのバカとは」


「あいだだだだだいや相手は神様やその

 使いだと思いますしー。


 だったら破壊力もそれなりにーと思いまして」


自分の顔を握りしめるナヴィの片手をパンパンと

叩きながら、フィオナは答え、


「ユニシス様やアルフリーダ様を基準に

 しないでくだしゃい。

 あの2人は規格外なんでしゅから。


 ていうかあのデストラップの数々は

 どうやって作ったんでしゅか?」


「えっと、果実を温めたり冷やしたり

 乾かしたりしたらそんな感じに」


「とにかく全て解除しておきましたから。

 今後、何かしゅる時は私の許可を取るように。


 せめて手をわずらわせないでくだしゃい」


周囲の人間たちはそのやり取りをどんな顔を

して見たらいいかわからず……

ただ困惑と苦笑の間を行ったり来たりしていた。





カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7108名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894

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