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18・神としていろいろとギリアウト

( ・ω・)GWに本格的に入る前に

全力で先行で書いておいた。

(休みだとなかなかスイッチが入らないから)


日本・とある都心のマンションの一室―――


今時珍しい和装に身を包んだ、ポニーテールの

黒髪少女と、


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女が

相対して座る。


「……ソシャゲーの季節イベ、ですか。


 ……イベントならGWゴールデンウィーク

 ありましたでしょうに……


 うちの店も、それに合わせてやって

 おりましたよ……?」


「あー、悪霊ちゃんの店、季節イベもいろいろ

 してそうだもんね。


 しかし何ていうか、GWって実感というか

 他のイベントに比べて存在感が薄いん

 ですよね」


女神は悪霊の言葉に答えると、そこに従僕の

シルバーの短髪の少年が現れる。


「フィオナ様の場合―――

 日常がGWごーりゅでんうぃーくみたいなものでしゅから、返って

 特別な感覚が無いのでは」


「さりげなくニートである事をディスってくる、

 そんな貴方が好き」


ナヴィのツッコミに彼女は返し、いつもの

やり取りを悪霊の前で見せつける。


「でもGWってどんなイベントをするんでしゅか?

 私にも今イチ、イメージが思いつかないと

 いいましゅか」


「……ある意味、何でもあり、ですね……


 言ってしまえばただの大型連休ですので、

 うちもそれにかこつけて、割引とか何らかの

 特典をお出しするくらいで……」


「身もフタも無いですねー」


女神・従僕・悪霊の人外三人は思わず

ため息をつく。


「でもありゅ意味商魂たくましいでしゅよね。

 何でもネタにしてそれをイベントにするん

 でしゅから―――


 あ、じゃあお茶置いていきましゅ。

 ごゆっくりどうぞ」


ナヴィが去ると、悪霊はうつむき……

ぷるぷると肩を震わせる。


「ど、どうしたんですか悪霊ちゃん?」


「……い、いえ……

 ナヴィ様の、その……


 『ごーりゅでんうぃーく』がツボに

 入りまして……

 それだけでもここに来たかいがあると

 いうもの……!」


「そ、そうですか。

 人それぞれいろんなツボがあるもの

 ですねえ。


 それではそろそろ、本編スタートしましょう」




│ ■ミイト国・首都ポルト      │

│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷   │




「五千冊、無事バクシアへ送り届ける事が

 出来ました」


「……ポーラさん、そして女神・フィオナ様の

 尽力に感謝……」


トーリ財閥の姉妹―――

シンデリンとベルティーユが頭を下げる

その先には、


「ハッハー!

 もう何も怖くないぜぇー!!」


浴びるように栄養ドリンクを飲み干す、

女神と呼ばれた少女がいた。


「いったい何往復したんだよ……

 しかもたった3日で全部終わらせるとは」


ミモザが呆れと感心が入り混じった感想を述べる。


「最後の方あたりは疲れるどころか、


 『今なら出来る気がする!

 今なら出来る気がする!!』


 って叫んでおりましたからね」


「仕事が佳境かきょうに入ると返って精神が高ぶるん

 ですよね。

 私も経験ありますけど……」


レイシェンとマルゴットが遠い目をしながら

目の前のフィオナを見守り、


「あーわかります。

 何か達成感の先取りというか、

 ノリにノって意識が全部そっち方向に行くと

 いいますか」


メイもうんうんとうなずきながら同意する。


「おっ電波受信!?


 あああナヴィの声が聞こえるわナヴィの声が。

 お? もうマイヤー伯爵たちが到着した?

 違う? 明日には着きそう?」


突然独り言のように話し始めたフィオナを見て、

周囲は戸惑う。


「これ、コザイ国にいるナヴィ様から神託が

 届いたって事です……よね?」


「状況としてはそうなのだが、ちょっと

 判断が」


マルゴットとレイシェンが両腕を組んで悩み、


「少し休ませて様子を見ますか?」


「……多分、アルプ君やファジー君にも同様の

 神託が行っているのでは……

 ……それを確認するという手も……」


この屋敷の主の姉妹が提案し、


「普段とあまり変わらないから、

 これはこれで正気なのでは?」


「それはそれでどうなんだ」


メイの言葉にミモザがツッコミを入れる。


結局その後、ベルティーユの言う通りナヴィから

神託を受けた、アルプ・ファジーが他の男性陣を

伴って連れて来た事で―――

ようやく落ち着いて話し合いが行われた。




│ ■コザイ国・某所 │




「……まったく。

 何でそんな事に体力を使うんでしゅか。


 大事を取って転移は明日以降にしましゅよ」


『大丈夫!

 今のアタシは絶好調なので!』


ナヴィは転移予定先から神託を繋げ、女神ほかと

連絡を取り合っていたが、


「あなたが大丈夫と言って本当に大丈夫だった

 試しは無いんでしゅよ。


 どうしぇグレイン国の一行も到着するのは

 明日以降でしゅので―――

 そのタイミングで転移してもいいはずでしゅ」




│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷   │




ナヴィからの神託は、第一・第二眷属である

二人の少年にも伝えられ、


『は、はあ……

 あのう、暴力的な行為はちょっと』


フラールで待機していた、グリーンの短髪と

瞳を持つ少年が困惑しながら答え、


「手足を取り押さえて?

 そ、それはあまりにも恐れ多く……」


姉と同じブラウンの髪の、気弱そうな少年も

戸惑いの表情を見せる。


「お、おおぅ……♪

 2人の美少年に取り押さえられ、そのまま

 乱暴に……!?」


「女神様女神様。

 神としていろいろとギリアウトな発言

 してますよ」


顔から湯気を出すフィオナに対し、

第三眷属の妹がたしなめる。


「ま、まあ……

 何か知らないけどお疲れのようだし?


 マイヤー伯爵たちが到着していないのなら、

 無理に急いで転移する必要はないだろう」


「そうですね。

 万全の体調で挑むのに越した事はありません」


バーレンシア侯爵とビューワー伯爵、二人の貴族が

フォローと正論で話を進める。


『はあ……

 では、恐らく明日になりましゅがグレイン国の

 一行が到着しましたら連絡しましゅ。


 しょれでは失礼しましゅね』


ナヴィから神託の終わりを告げられ、室内には

ホッとした空気が広がる。


「しかし、お嬢様方は何をしているんですか。

 いくら転移が非常に便利とはいえ、こんな時に」


トーリ財閥の従者であるネーブルが、その

黒髪をかきながら苦言を呈す。


「は、反省してまーす」


「……次はそこそこの段階で……

 ちゃんと止める……」


同じ長いバイオレットヘアーを持つ姉妹は、

従者の少年に返すが、


「しないという選択肢は無いんですね」


「それはもう!」


「……無論……!」


その答えに女性陣はうなずき―――

男性陣は苦笑と困惑の表情を見せた。




│ ■コザイ国・王都 │




「しかし、ここが王宮のある首都ですか……

 まだ我が国の地方都市の方がマシですな」


眼光の鋭い目はそのまま、口角を上げて

騎士団長が周囲を見渡す。


「別に観光に来たわけではあるまい。

 ガルディ。


 だからこそ必要な物は全て持ってきたのだ」


痩せ過ぎとも思える顔には似つかず、首から下は

筋肉質の体をした伯爵が答える。


「こんなに荷物が必要かとも思いましたけどねぇ。


 来てみて納得ですよ、マイヤー殿。

 こんな状態では」


「これでも必要最低限に抑えたのだよ。


 水や食料は現地購入する。

 他、雑貨やかさばる消耗品もな」


ため息をつきながらとある方向へ歩き出す。


「どちらへ?」


「王宮であいさつを。

 それと―――


 もしかしたら、すでにバーレンシア侯爵一行が

 到着しているかも知れん」


「なるほど」


そこでガルディ騎士団長も、マイヤー伯爵の

後へ続いて歩き出した。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在6917名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894

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