15・希望目標ではダメでしゅ
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天界・フィオナの神殿―――
そこで軍神と女神の夫婦、さらに娘が揃って
家族でのひと時を過ごしていた。
「ん? ナヴィはどうしたのかな?」
「あー、お留守番です。
何でも人外組との用があるみたいで」
褐色肌に黒髪の青年……
父親であるユニシスの問いに、父親譲りの
セミロングの黒髪を持つフィオナが答える。
「あのコもモテるのにねぇ。
フィオナちゃんもようやくくっついたし、
ナヴィもいい加減付き合っちゃえばいいのに。
人外組、確か5人だっけ?
まとめてハーレムでもいいのになー」
カップに口をつけながら、ロングの金髪に
抜群のプロポーションを持つ―――
母・アルフリーダが話す。
「それで最近は?
どんな体位で挑んでいるの?
私とパパのベッドインプロレスに
使えそうな技は?」
「いやちょっとママ。
全力前進で全開し過ぎじゃないかな」
妻の言葉を夫がたしなめ、
「アタシの場合メイさんも絡むので、あんまり
参考にならないんじゃないかと」
「それなら私が分身すれば事足りるから」
母娘の会話に父親は頭を抱え、さすがに
フィオナが、
「でもママ、何ていうか夜について結構
おさかんというか何ていうか……」
「愛を育んでいるのよ、愛を」
何とか話をそらそうとフィオナは考え、
「でもさー、パパもママも……
その割にはアタシ1人って何か」
そこで夫婦は同時に両目を閉じて、
「まあ、フィオナの後にママがナヴィを
拾ってきたからなあ」
「そうなのよねー。
もっと子供欲しくないってワケじゃ
ないんだけど、ナヴィは息子同然って
ゆーか。
それで女の子男の子揃っちゃったから……」
話の流れにユニシスがホッとしかけていると、
「あ! じゃあママ、次は弟で!
それで男の娘に育てよう!」
「ナイスアイディア!
ナヴィはちゃんと育てちゃったから、
次は最初から女の子として育てましょう」
「それは夫として父親として断固阻止
するからね?
それじゃ、そろそろ本編スタートしようか」
│ ■ミイト国・首都ポルト │
│ ■シンデリン(トーリ)家屋敷 │
「それじゃー行ってきまーす」
「はい。気を付けてー」
片手を振る獣人族の少女に対し、女神一行の
代表であるフィオナは見送りのあいさつをする。
彼女・カガミは眷属として転移先となるため、
これからコザイ国へと出発しようとしていた。
そしてもう一人、女神の従僕であるシルバーの
短髪をした少年が一人。
「私も同行しましゅが……
また勝手にどこかに行ったり、途中で勝手に
興味のある物見つけて止まったりしないで
くだしゃいね」
「努力はしてみる!」
「希望目標ではダメでしゅ」
こうして、ナヴィ・カガミ組は出発し―――
一行は改めて屋敷内へと戻った。
「さてと、こちらはどうしようか」
一行の中では一番身分の高い侯爵が、ソファに
腰かけながら話す。
「ナヴィ様とのお手合わせもいくらか
しましたけど―――
ケガをしては元も子もありませんからね」
彼の婚約者であるレイシェンが隣りで答え、
「しかし、ネーブル君も強くなったね」
「剣闘会の後、少し鍛え直しましたから」
銀髪の伯爵と黒髪黒目の少年が語り、
「でも、戦いに行くわけではないんでしょう?」
マルゴットが疑問を口にし、
「調査するための護衛としては、過剰戦力も
いいところですけど」
「……それについては心配していない……
ただ、残る2人が……」
パープルの長髪を持つトーリ財閥の姉妹が、
一組の姉弟に視線を向ける。
「ここ、ミイト国でも有数の財閥なんだろ?
なら問題ないんじゃねーか?」
「そちらの戦力がすご過ぎるだけで……」
ミモザ・ファジーがやや呆れたような感じで
その心配に答える。
「そこまで危険ってわけじゃないんでしょ?
フィオナ様。
念のためというのもあるけど―――
ある意味、存在感というか……
改めて影響ありまくりって事を見せつけるため
ですよね?」
「そそそそうなんですよ!
今回は多分『新貴族』だけでしょうけど、
一応今は勢いに乗っているわけですし、ね?
アタシたちを無視する事は出来ないでしょー?
みたいな?」
単に『アンカー』の指示に従っただけとは
言えない女神は、メイの言葉にしがみついた。
「そうですね。
実質、グレイン国の『新貴族』の中心であり、
実力者でもあるマイヤー伯爵が絡んでいる
わけですから……
少なくともけん制にはなるでしょう」
ロングのブロンドヘアーの伯爵令嬢が、
かつての婚約者を評価しながら同調し、
「まあ僕も、引っ掛かっているわけじゃ
ないけどねぇ。
ただの遺跡調査ってだけで―――
あれほどの人物が動くとは思えないのは
確かだよ」
頬にクロスの傷を持つ侯爵も、恋人の意見に
賛同する。
「それに近くにさえいれば、何があっても
対応出来ますしね」
「最近は『枠外の者』も『新貴族』も
大人しいですけど、こうやって圧をかけるのも
確かに有効だと思います、フィオナ様」
バートレットとマルゴットも、女神の言葉を
否定せず、
「一応、この件に関しては情報共有するっていう
言質も取っているし……
あちらも敵対はしないと思うよ」
侯爵がそう話すと、シンデリン・ベルティーユ
姉妹が、
「財閥経由でグレイン国に一筆送って
おきましょうか?」
「……多分まだ……準備中だと……思う」
二人が言うと同時に従者の少年が、すかさず
筆記用具を差し出す。
「まあそうだね。
余計な疑いとかかけられちゃたまらないし」
ササッと短い文面を書くと、侯爵はそれを
差し出し、
「トーリ財閥の緊急便を使えば、明日にでも
届くでしょう」
「……お兄ちゃん、手配……お願い」
手紙を受け取るとネーブルは深々とお辞儀して
退室し、
それからは誰ともなく雑談に興じる事になった。
│ ■グレイン国・王都ウィーンテート │
│ ■マイヤー伯爵家屋敷 │
「ふむ……」
翌日、グレイン国でバーレンシア侯爵からの
手紙を受け取った伯爵は―――
その内容を見て一息ついていた。
「どうかしましたか、伯爵殿?」
ピンクとホワイトの中間色のような短髪をした
王室騎士団長が、その手紙をのぞき込む。
「ガルディ君。
護衛の件、どうなっている?」
そこで彼はアゴに手をやり、
「まさか騎士団を動かすわけにもいかなくてねぇ。
選定に苦労しているところですが」
すると伯爵は手紙をひらひらとさせながら、
「必要なくなるかも知れんよ。
バクシアのバーレンシア侯爵殿が―――
コザイ国まで来るそうだ」
「あの遺跡調査に?
そりゃ、我々としては大助かりですが。
予算的にも」
軽い感じで返すガルディに、マイヤーは続けて、
「それに、レイシェン君と……
バスタと戦ったネーブルとか言う少年、
さらには剣闘会優勝者である、
ビューワー伯爵殿まで来るそうだ」
「……!」
王室騎士団長は表情を硬くして、
「あの遺跡……
そこまで重要視する何かがある、と?」
「さてな。
ただあちらには、女神様とやらがついて
いると聞く。
案外―――
伝承やおとぎ話と思っていた事が、
起きるかも知れんぞ?」
「『魔王復活』、ですか。
はてさて、それを倒してくれる勇者サマは
どこにいるやら」
彼らは軽口でその懸念を流すが―――
その目は笑ってはいなかった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在6868名―――
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