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34・さすがに僕も、神様相手は初めてです

( ・ω・)台風過ぎたら首の痛みが無くなった。

気圧の関係?

(と思ったらまた来おったw)


日本・とある都心のマンションの一室―――


そこに家主であるフィオナと、人外娘五人組が

集っていた。


黒髪セミロングの女神一人に対し、五人は

対峙するようにカーペットに座り……


「おめでとう……!」


「オメデトウ……!」


顔の片側をストレートの黒髪で隠した、

ワンレングスの邪神と、

いかにも小悪魔っぽいシッポと翼をつけた、

サキュバスがお祝いの言葉を話し、


「congratulation……!」


「こんぐらっちゅれーしょん……!」


金のロングウェーブに、天使のような羽を

真っ黒に染めた堕天使と、

黒髪ロングのポニーテールに―――

和装の衣装をまとった悪霊が賛辞を口にする。


「晴れてカップルになったんだよね?

 オメデトウ……!」


最後に、黄色に近い金髪を首までウルフカットに

した、獣人族の少女がシメる。


「いや何ですかその祝ってそうな決して

 そうではないよーな、黒服サングラスで

 するような祝福は!?」


女神が片手を振って抗議の意を示すが、


「いやー、だってねえ?」


「私たちだって安堵あんどしているんですよ?

 これでアナタがくっつけば、もうナヴィ様の

 障害は無くなるって」


邪神とサキュバスが本音全開で話し、


「でもですねぇ~……」


「貴女も相手も……

 『初めて』の記憶が無い―――

 というのはどうなのかと……」


「それじゃ安心してナヴィ様にアタック

 出来ないってゆーか?」


ジト目になった堕天使・悪霊・ワーフォックスが、

二人の後に続く。


「第一ねえ。

 2人がかりで、お薬盛ってっていう時点でねえ。


 恋愛って戦争よ?

 1人で抜け駆けするくらいの度胸でなければ」


「そ、そうは言いますけどね邪神ちゃん!

 戦争だからこそ手段を選ばなかったんですよ!


 だいたい、もしあなた方が媚薬びやくとか用意

 出来たとして―――

 仲間がいて、それと結託しないで行動に

 移る事が出来ますか!?」


「「「「「……」」」」」


言い返すフィオナに対し、五人の人外娘は

それぞれが目をあさっての方向へ向けて、


「そそそそそ、そんな事するわけ無いじゃない」

by邪神


「なんせんすヨネー」

byサキュバス


「く、薬なんかに頼らなくたって」

by堕天使


「じ、時節を見極めれば……」

by悪霊


「いいいいざとなったら、押し倒せば

 いいんだしっ」

byワーフォックス


明らかに挙動不審になって答える五人に女神は

超笑顔で、


「おうこっち見て言ってみやがってください♪」


それをちょうど飲み物とお菓子を持ってきた、

人間Verのシルバーの短髪の従僕が見ていて、


「はあ……何をやっているんでしゅかね。


 それではそろそろ、本編スタートしましゅ」




│ ■グレイン国・王宮中庭施設   │

│ ■訓練・練習場         │




「では一手、お相手願います」


「まーそんなに緊張しなくていいよ。

 娘がいつもお世話になっているし、

 これくらいはね」


青い短髪の、フォックスタイプの眼鏡をかけた

侯爵が―――

褐色肌の年下の外見の青年を前に、模擬戦用の

得物を構える。


「パパー、頑張って!」


「アナタ、ほどほどにね」


観客サイドでは、女神の母子……

アルフリーダとフィオナが黄色い声を上げる。


「へえ、あれがフィオナ様のお父様か」


「バーレンシア侯爵様との対決―――

 見物ですわね」


短髪の黒髪にまだ幼さを残す果実店の跡継ぎ・

シモンと、銀のロングウェーブの髪のポーラが、

同じく状況を見守る。


「……すごい」


「?? どうしたの、ネーブル?」


「ネーブルお兄ちゃん……

 あの人、そんなに強い……?」


身震いする黒髪黒目の従者の少年に、

トーリ財閥の姉妹が問いかける。


「次元が違います……!

 強い、なんてものでは」


「そ、そんなに?」


金髪ロングの女性騎士・シッカ伯爵令嬢の言葉に、

マルゴットは思わず聞き返す。


「フィオナ様の父上ですからね」


「軍神……と言ってましたっけ」


グリーンの短髪をした、一重の丸目の少年と、

ブラウンの髪の、やや垂れ目をした―――

第一眷属と第二眷属がつぶやく。


「ウン、ありゃヤベぇ。

 アタイでも雰囲気で判断出来るわ、アレ」


「カガミ、さっきから毛が逆立ちっぱなしだよー。

 アレ絶対怒らせたらダメな人だー!」


第二眷属の姉と、ツインテールの獣人族の少女が、

二人を見ながら語る。


「これが、軍神……!


 ただいるだけで、その軍は一国や二国

 平らげる事が出来るでしょう……」


銀髪の端正な顔立ちをした伯爵が、

ユニシスに釘付けになり―――


そして模擬戦が開始された。




「さすがに僕も、神様相手は初めてです」


「何事も経験。

 やってみなさい」


その言葉を交わすや否や、数回の打撃音が

訓練場に響く。


「あら、スゴイわね。

 パパと打ち合える人間なんて久しぶりに見たわ」


「え?

 パパ、手加減してるんじゃないんですか?」


娘からの問いに、母は首を左右に振って、


「もちろん手加減はしているわ。


 その上で、パパの相手が出来ている。

 それだけでもスゴイ事よ。


 通常の1/100くらいの力で相手している

 けど、普通の人間なら一回ももたないわ」


「おおー。

 じゃあやっぱり、バーレンシア侯爵って

 相当の実力者なんですね」


アルフリーダとフィオナの評価を背に、

なおも二人の打ち合いは続く。


「ねえ、ネーブル。

 互角じゃないの?」


ロングのバイオレットヘアーの主人・

シンデリンが従者に問うが、


「あのユニシスという方―――

 侯爵様の剣を全て、剣先で打ち返して

 いるんですよ?


 剣先の『部分』ではなく、その先端で……」


「……何それ……!?」


ネーブルの言葉に、同じバイオレットヘアーの

妹・ベルティーユも目を丸くする。




「正直、ここまでとは……

 勝ち筋がまったく見えません」


「いやいや。

 人間でこうまで僕と戦えるって、普通

 ないからね?


 でもそろそろ終わりにするか」


そこでユニシスはおもむろに剣を手放す。


「な、何を」


「無手だけど―――

 こういう方法もあるよ、って事で。


 さ、打ち込んできて」


体を真正面にして向き直り、軍神は両手を下げ、


「―――いざ!」


バーレンシア侯爵は上段に構えると、一気に

対戦相手へと振り下ろした。




「あ、あれって」


「漫画で見た事あります!

 真剣白刃取しんけんしらはどりってヤツですよね!?」


アルフリーダ、フィオナ母子の言う通り―――


ユニシスは片膝をつくと、頭の上で……

両手で挟むようにして、バーレンシア侯爵の剣を

受け止めていた。


「す、素手で!?」


「うわ……」


アルプとファジーはその光景から目を離せず―――

軍神が手を離すと、侯爵もまた一呼吸おいて、


「ははは……


 まさに神域しんいきの腕前。

 感服いたしました」


「いやいや。

 君だって恐らくこの世界では、一・二を争う

 実力者だよ。


 フィオナが君のような人物と知り合えた事は、

 僥倖ぎょうこうだった」


互いの健闘を称えて握手し、侯爵はその場を

離れ―――


「じゃあ、次はビューワー伯爵さんだったかな。

 一手お願いするよ」


「望むところです」


そこで彼がユニシスと対峙すると……

いつの間にかギャラリーが増え、異様な

盛り上がりを見せた。




│ ■グレイン国・王宮中庭施設別室   │




「女神の一行が―――

 模擬戦を行っている?」


「わざわざそんな事を報告しに来たのか?」


痩せこけた頬とは対照的な、筋肉質の体の

マイヤー伯爵と、


ピンクに似た白い短髪に、鋭い眼光を持つ

ガルディ王室騎士団長が呆れつつ答える。


そして報告者……

金色の髪をエアリーにまとめた青年、

バスタ騎士団副団長は、


「あ、新たに来た者が―――

 バーレンシア侯爵様をあしらっておりました!


 あれは人間というものではありません!!」


彼の言葉に、伯爵と騎士団長は顔を見合わせた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在6464名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


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