表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
231/402

19・ごめん、アタイの読解力がおかしいのかな

( ・ω・)寒い方が調子がいい

(両親ともに北国産)


日本・とある都心のマンションの一室―――


そこで、二人の少女が真剣に手持ちのスマホを

見つめていた。


一人は黒髪ロングの顔の片側がワンレングスで

隠れている少女が、眠たそうな表情とは裏腹に、

画面を食い入るように見ており、


もう一人は、ブラウンのワンカールロングをした

子供っぽいあどけなさの残る中……

目だけが大人の女性のようなクールなつり目の

少女が、手持ちの画像に熱中していた。


「いーですねえ、いーですよーこれは。

 近年稀に見る逸品です」


「ああ、ナヴィ様命が揺らぎそう……」


そこへ黒髪セミロングの家主が、猫目とタレ目の

中間のような表情で入って来て、


「邪神ちゃんにサキュバスちゃん、

 一体何見て……って。


 あり? これパパじゃないの?」


フィオナがのぞいたその画像は―――

軍神ユニシスが妻・アルフリーダによってで

あろう、幼くされた姿が写っていた。


褐色の黒髪黒目の少年は、画像の中でいろいろな

衣装を着せられており、


「ちょっとちょっと2人とも。

 こんなのママに見つかったら……」


「え? これアルフリーダ様からですけど?」


邪神ちゃんの言葉に、フィオナは首を傾げるが、


「『ウチのパパ七変化』というタイトルで

 送られて来たのですが。


 悪霊ちゃんや堕天使ちゃん―――

 ワーフォックスちゃんにも送られていると

 ラインで来ていて」


サキュバスちゃんの言葉に、今度はナヴィが

入って来て、


「メールの宛先間違いでもしたんでしゅかね」


シルバーの短髪に肉食獣のような瞳をした

女神の従僕が、疑問を唱える。


『え? 宛先は間違っていないわよ?

 ちゃんと邪神ちゃんたちに送ったんだから』


そこで室内に、女神アルフリーダの声が響き、


「いやでもだってママ。

 いくらショタの姿だからって、彼女たちに

 見せてもいいんですか?


 も、もしかしてパパのコスプレイベントを

 解禁するとか!?」


フィオナの言葉に―――

邪神とサキュバスが、原始人が火の回りで

踊っていそうな動きを見せる中、


『それは許さないけど』


女神の即答に今度はナヴィが、


「あの、それなら何でユニシス様の画像を」


『そんなの、見せびらかすために

 決まっているじゃない♪』


アルフリーダの言葉に二名が、


『ひでー!!』

『横暴だー!!』

『生殺しだー!!』


と口々に不満を述べるが、

アルフリーダは意に介さず―――


それを見ていた主従二人は、


「それじゃまあ、そろそろ……」


「本編スタートしましゅか」




│ ■フラール国・アルプの果樹園  │

│ ■アルプの家          │




「それでは神託を開始します。

 アルプ、ファジー。

 準備は出来ていますか?」


「はい!」


「いつでもどうぞ……!」


女神の言葉に、グリーンの短髪をした一重の

丸目をした少年と―――

ブラウンの短髪をした、気弱そうな少し

垂れ目がちの少年が答える。


「不思議な感じですねえ」


「全くだ。これで本当に他国の人間と

 連絡が取れるんだからな」


第一眷属の母・ソニアと―――

第二眷属の姉・ミモザも、その光景を見守る。


「すでにグレイン国に入った事は聞いてますけど、

 動きはあったのでしょうか」


第三眷属の妹であるメイが、その姉と同じ

シルバーのウェーブがかった髪を撫でながら

思案する。


これから、グレイン国にいる一行と連絡を

取り合うため、彼らは一室に集まっていた。


「しゃて、しょれでは―――

 聞こえますか?」


そしてナヴィの声を皮切りに、神託が

向こう側へと繋げられた。




│ ■グレイン国・王宮中庭施設   │

│ ■バーレンシア侯爵一行宿泊部屋 │




「はい、ポーラです。

 聞こえております」


「カガミもバッチリだよー」


まだ幼さは残るが、お嬢様ふうの銀の

ロングウェーブを持つ第三眷属と、


赤茶のツインテールをした、八重歯のような

牙を持つ獣人族の少女が異国の地で答える。


他に―――

バーレンシア侯爵・ビューワー伯爵・

シッカ伯爵令嬢といった貴族の面々と、


トーリ財閥家姉妹・シンデリン・ベルティーユと

その従者ネーブル、


フラール国の豪商の娘・マルゴット、

バクシアの青果店の後継ぎ・シモンが控えていた。


「んじゃ、始めよっか」


頬にクロスの傷がある、その迫力ある風貌とは

裏腹に―――

やや間の抜けた侯爵様の声で話がスタートした。




│ ■アルプの家          │




「ほおほお。

 ネーブルさんがあちらの王室騎士団・副団長と

 戦ったと……


 それで今、剣闘会が開かれようとしている―――

 フムム」


「ちょっと予想していない方向に話が

 転がっていましゅね」


女神の主従が、一通り聞いた後で感想を述べる。


「ネーブルさん、強いですからね」


「そういえばマービィ国で、レイシェンさんとも

 手合わせしたって聞いた事が」

(■5章10話

 平日は半日ずつ、休日は共同で参照)


アルプとファジーが、顔を見合わせながら語る。


「それで、バーレンシア侯爵様と―――

 ビューワー伯爵様も出られるんですの?」


息子と同じグリーンの長髪を持った女性が、

ちょっとおっとりとした感じで質問する。




│ ■バーレンシア侯爵一行宿泊部屋 │




「そうだね。僕も参加するよー。


 何でもビューワー君が、フィオナ様の名を

 この大会で高めたいんだって。

 それに僕も付き合う感じかな」


「序列上位国に、フィオナ様の名を知らしめる

 良い機会かと。


 事後承諾になりますが、なにとぞ」


青みがかった短髪の侯爵と、ホワイトシルバーの

髪に痩せ過ぎとも思える体の伯爵が恭しく語り、




│ ■アルプの家          │




「いいいっいえ!

 そういう事でしたらぜひやっちゃって

 ください!」


「言葉使い崩壊してましゅよ女神様」


いかにも神らしい対応と提案を受けた女神は、

焦り散らしながらそれを了承した。


「それで他には?

 何も無かったのか」


ミモザが、弟と同じグリーンの色の、首まで

伸ばした髪を揺らしながら聞き返す。




│ ■バーレンシア侯爵一行宿泊部屋 │




「そうですね、他には―――」


「あると言えば……」


「……ちょっと熾烈な戦いがあった……」


女性騎士といった風情の伯爵と―――

ロングのバイオレットヘアーをした姉、そして

姉と同じ色をした髪を、自分の身長とほぼ同じ

長さまで伸ばした妹が説明し始めた。




│ ■アルプの家          │




「……ン? 争奪戦?

 洗濯ものを巡って?


 ごめん、アタイの読解力がおかしいのかな。

 全然わかんねえ」


わからないと言いつつ、彼女の三白眼はどこか

呆れたような感じで、


フィオナとメイ、ソニアもどこか察したような

困ったような表情をして、


一方で眷属の少年二人は、理解の範囲外と

いうようにキョトンとしていた。


(何か他にも―――

 『カガミちゃんの裏切り』だの、

 『メイドが強かった』だの、

 『施設に秘密の通路がある』だの

 来てましゅが……


 別にこれは重要な情報ではないでしょう)


神託に直接繋がっているナヴィは、重要な

事柄を取捨選択すると―――

それらの情報を忘却し、話を仕切り直す。


「しょれででしゅね。

 こちらの出番といいましゅか、グレイン国へ

 向かうタイミングなどは」




│ ■バーレンシア侯爵一行宿泊部屋 │




「そうだねー。

 こちらの面通しは終わったし、一応は

 いつでも大丈夫って感じかな」


「こちらはとても広いので……

 何人来ても問題は無いかと」


バーレンシア侯爵とシッカ伯爵令嬢が受け答え、

それからしばらく、来る手順や王妃様への

通達などについて話し合いが続いた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在6330名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ