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30・だいじょうぶこれくらいへいきよ

( ・ω・)仕事が無いと執筆が進まないが、

仕事が忙し過ぎるのもまたキツい(わがまま)


日本・とある都心のマンションの一室―――


黒髪セミロングの少女が寝転んでスマホのアプリに

夢中になっているところを、珍しく人間Verの

お目付け役が注意する。


シルバーの短髪を持つ少年は、彼女を

見下ろしながら、


「ちょっと、だらけ過ぎでしゅよ。

 掃除しているんでしゅからどいてください」


「あ! 待ってもう少し……!

 今マルチプレイ中だから」


そこで彼は掃除機を持つ手を止めて、


ご主人(アルフリーダ)様とでしゅか?」


「ううん、ほらあの子たち。

 堕天使とか邪神とかサキュバスとか―――」


ナヴィは首を傾げ両腕を組んでうなりながら、


「……あの人たち、スマホ持っていたんでしゅか」


「あー、ママが買ってあげたんだって。

 マルチプレイじゃないと出来ないイベントとか

 あるから、その時協力するって条件で」


頭を抱えるお目付け役に、フィオナは続けて、


「それでネットショッピングとか出来るように

 なったって、彼女たちも喜んでいたから」


「(どこに配達されるんでしゅかね……)


 まあアルフリーダ様公認ならいいでしゅけど、

 あまり遊び過ぎるようでしゅたら御仕置おしお

 でしゅからね。


 私がお目付け役って事を忘れないで

 くだしゃい」


それを聞いた彼女はゆっくりと上半身を起こし、

片足を前に伸ばして座る姿勢になると、


「その『御仕置き(プレイ)』とは―――

 どんな内容ですかねハァハァ。

 あ、今マルチプレイ中のみんなもすごく

 聞きたがっておりますので是非に」


「御仕置きをプレイと読むな。

 他の人たちにもしっかりしろと伝えて

 くだしゃい。


 しょれではそろそろ、本編スタートしましゅ」




│ ■シフド国・首都バーサー   │

│ ■職人ギルド街・印刷工房   │




「お疲れ様ー!」


「お疲れッしたー!」


メヒラとカーラが―――

一仕事終えた男性陣に声を掛ける。


一方は短髪で緑に近い茶髪の青年風、もう一方は

赤いウェービーヘアーを両側に垂らした同性の

2人が、満足そうに顔を上気させて……


「ふぁあ~……

 もうダメ、お母さん……」


グリーンの短髪の第一眷属の少年が、自分の

母親にフラフラになりながら近付き、


「疲れたぁ~……

 ミモザねえ……」


ブラウンの、第一眷属と同じくらいの短い髪をした

少年が、姉にもたれかかる。


「あらあら、まあまあ」


「こんなに時間がかかるとは思わなかった

 もんな……

 ゆっくり休むといいよ」


グリーンの長髪をした母と、ブラウンの、

首までの長さを持つ髪の姉が、それぞれ身内を

その胸に迎える。


「長時間同じポーズというのは……

 返って体力を削るものですね」


「体のあちこちがバキボキ言ってるぜ」


シルバーの短髪を持つ青年と、短い黒髪と

褐色肌の少年が、伸びをしながら語る。


「お疲れ様です、ビューワー伯爵様」


「シモン君もお疲れー」


ロングの赤髪のマルゴットと―――

銀のロングウェーブをしたポーラが、それぞれ

相手に労いの言葉を掛ける。


「シッポの位置まで注文を受けるとは

 思ってもみませんでした」


「体勢がキツかったー……!」


獣人族の兄弟―――

キーラとリオネルも首や肩を回しながら

奥から出てきた。


牙がのぞく口元をだらしなく開けた兄と、

銀髪の巻き毛を持つ弟が、固まった体を

ほぐそうと手足を動かす。


そして……

第三眷属の妹・メイが振り返る先には、


「お~い……

 生きてるかぁ?」


シルバーの短髪をした従僕に肩を貸され、

戦場から帰還した兵士のような女神を、

さすがに心配する。


「だいじょうぶこれくらいへいきよなんでも

 ないわ。


 でももうねんのためやすませておねがいだから」


機械音声のように話すフィオナを何とか支える

ナヴィは、


「まあする事は一応終わりましゅたし……

 ちょっと休ませてきましゅ」


「は、はい」


マルゴットが対応すると、ナヴィは小ビンを

取り出し、


「ほりゃ。買ってきた中で―――

 3千円以上の最高値段のヤツを飲むでしゅ。

 それで地球じたくまで転移するでしゅよ」


「おお、10連ガチャ1回分以上のドリンク……

 アタシに最後の力を―――」


それを口に付けると同時に、2人の姿は

光に包まれ……

後には一行が残された。


そこで周囲は顔を見合わせると、メインの担当者

2名から、


「で、これからどうする?」


「モデルの方々は―――

 さすがにグロッキーよねえ」


見ると、アルプとファジーの年少組は……

すでに身内の腕の中で寝息を立てていた。


「取り敢えず、男性陣は屋敷に戻しましょう。


 ワタシはこの後、描かれた絵について

 構図や設定の選定とかの話があるけど……」


ピンクのロングヘアーの、眼鏡の女性が話を進め、


「では、この後はお願いします」


ビューワー伯爵が頭を下げると、母子と姉弟が

帰りの支度をする。


御者ぎょしゃに言えば屋敷まで乗せて行って

 くれますから……


 カガミ、あなたはどうします?」


「んー、別にカガミは疲れてないからなー。

 メルリアと一緒にいるよ」


妹の答えに、兄弟が手を振って、


「じゃあ、わたしたちは帰るよ」


「ボクもそうする。

 屋敷で待ってるから」


リオネル・キーラもよろよろとした足取りで、

馬車へと向かい―――


「……大丈夫かね。

 護衛を要請しとく?」


カーレイの提案にマルゴットが振り向き、


「大丈夫でしょう。

 特にあの、ビューワー伯爵様はかなりの

 腕前です。


 ミイト国騎士団の指南役を務めるくらいには」


「ウン。あの人かなり強いよー。

 獣人族でも勝てる人は少ないんじゃないかな」


カガミも補足するように認める。

その言葉に女性陣は色めき立ち、


「へー、あの美形さんが……

 人は見かけによらないもんだね」


「貴族様で謙虚で顔が良くて腕が立つって―――

 どこの物語の主人公よ」


メヒラは両腕を組み―――

メルリアも眉間に人差し指をあてて、

思わずため息をつく。


その後、一同で馬車を見送った後……

工房に残った女性陣はテーブルに座り―――

目の前には描かれた絵が積み上げられた。


メンバーは工房のツートップのカーレイとメヒラ、

また来訪したメルリア・マルゴット・ポーラと

メイ姉妹……そしてカガミ。


その他工房で従事していた女性たちがいた。


「ではまず、絵の選定から行っていきましょう」


第一声にメルリアが口を開き、


「ほんじゃ、名前で区分けして―――

 アルプ君・ファジー君・シモン君・

 ビューワー伯爵様……と」


「ナヴィ様、リオネル君・キーラ君の7名で、

 絵が合計―――」


と、まずは管理上……

カーレイとメヒラが各人の種類や枚数から入り、


「構図や、複数同時に描いたのも分けた方が

 いいと思います」


「年齢別は……

 ビューワー伯爵様だけが突出していますね。


 もしモデルが増えるのなら―――

 今後は年齢で分ける事も考えた方がいいかと」


絵描きや職人の女性陣も次々と加わり、

専門的な話し合いがスタートした。




―――1時間後―――




「だからアルプ君×ファジー君が至高と

 言っているでしょう!」


「リオネル君×キーラ君という、兄弟同士の

 背徳感も捨てきれませんわ!!」


別の意味で間違った熱気のこもった議論が、

室内で交わされていた。


「身分差・主従というのであれば―――

 伯爵様とその領民のアルプ君が絡むのも」


「待って! それならアルプ君は……

 シモン君の店で働いていた事もあるという

 話だから!」


女性陣から次々と意見が飛び出し……

それに対し、異論や別の提案が噴出する。


「ナヴィ様はオールマイティよね?」


「はあ!? 何言ってるの!

 ナヴィ様は攻めでしょ!!」


「わかっていないわね……!

 優秀な攻めは優秀な受けでもあるのよ!

 そこをあえて崩す事こそ―――」


もはや当初の目的は失われ……

いや、ある意味目的通りでもある議論が、

いつ尽きる事もなく続けられた。




│ ■メルリア本屋敷 応接室     │




その頃―――

男性陣と、その眷属の身内である母と姉は、

すでに屋敷でくつろいでいた。


「なんとか落ち着いたけど……」


「うん……」


アルプとファジーは、座ったまま内股で

落ち着かない様子になる。


「どうしたの? アルプ」


「ファジー、何かあったのか?」


ソニアとミモザが、息子と弟の身を案じて

聞き返すが、


「いやさ……

 な~んか首筋の後ろあたりがぞわぞわ

 するっていうか」


「シモン君もですか。

 あの工房からこっち、何かの気配が背中に

 張り付いているような気がして―――


 尾行ならわかるのですが、そういうものでも

 なさそうですし」


シモンとビューワー伯爵の話に、第一・第二眷属の

少年2人もうなずいて同調する。


「なんでしょうね……

 身の危険のような、決してそうでないような」


「リオネル兄も?

 ボクも、何かねっとりとした視線が体に

 絡みついてくるというか、そんな感じー」


獣人族の兄弟も、本能的なものか何かを

感じ取っていて……


異性であるソニアとミモザは、その気配の正体を

察していたが―――

口には出せず、微妙な空気が流れていた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在5852名―――


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。

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