1話
って、
「いきなし街中かよ!!」
しかもスラム街らしき汚い場所。
みた感じ建物は中世ヨーロッパな雰囲気だが、カビや汚れボロボロの家などで明らかに治安が悪そうだ。
だってさっきからめっちゃ視線を感じる、しかも素人童貞の俺でもビンビン感じちゃうタイプの殺気!まじちびる!禿げる!
早く移動しねーとっ、
「そこの男ちょいと待ちな」
ヒェーーーッ、恐る恐る後ろを振り向くと、
真っ赤な長髪をポニーテールにしたかなりエッチなビキニアーマーの美女がいた。
お、脅かすなよまじでびびったじゃないか。
「あ、えと、その」
「みなまで言うな、あんた訳ありだろ?男がスラム街で一人、明らかに普通じゃないね、それに見たところ色白でなかなか上等な服を着てるじゃないか、お金はあるんだろ? とりあえず付いて来な私の拠点にしてる宿屋で話を聞こうじゃないか」
なんか勝手に深読みして助けてくれるっぽいんだけどお金ないんだよなぁ、大丈夫かな?
「あの、実は記憶喪失で……」
「ぐたぐだ言ってんじゃないよ!さっさとついて来な!!」
「はいぃ!了解で、あっ、ちょ引っ張らないで、ちょ待って、てか力つよっ、まじで待っててば~」
女性の細腕からは想像もつかないような、馬鹿力であっという間に宿屋に連れ込まれてしまった。
ガチャ「フフ、それじゃ話を聞こうじゃないか」
「……あの、神様転生って信じますか?」
「馬鹿にしてるのかい?」
「ヒェッ、イェッ、決してそのような事ないでありますっまじで!」怖ぇ~眼光がやばい、見た目もエロいし美女なのに身にまとう雰囲気というかオーラというか、なんか色々やべぇ、これは下手な事言えねぇ考えろ俺、何かこのピンチを回避出来る圧倒的な言い訳を!
「しょ、正直な話、自分でも何が何やらで気がついたらあのスラム街にいたと言うか……それに自分の事もほとんど覚えてなくてですね……」
「……」ジー
うわぁぁあ、めっちゃ見てる!でもここで目をそらしたら絶対疑われる!目をそらすな俺!そ、そうだおっぱいに視線を投げればいいんだガン見作戦だ!
「なるほど……嘘じゃぁ、ないみたいだね、しかし記憶喪失か、思ってたより訳ありってか」
「は、はぃ……」
おぉ、なんか信じてくれた、おっぱい神様に圧倒的感謝!いるかわからないけど。
「よし、まずはあんたは今後どうしたい?」
「その、恥ずかしい話なんですけどお金が無くてですね、床でいいのでこの部屋で寝させてもらえませんか? あと何か雑用などあればやらせてください! お金はいらないので何か簡単な食べ物さえもらえれば……」
「本気で言ってるのかい? 」
「ぁ、男が女性の部屋に止めてもらうなんて有り得ないですよね…ハハハ…」
「いや、逆だよ、あんたはあたいと、そ、そのおおおお女の部屋で一緒で構わわないのかい?」
「え、全然大丈夫です! むしろウェルカムっていうか! 」
「そうかい…、なら今日からあんたは、その……、あああ、あたいの執事だ!いいね?」
「は、はい!精神誠意仕えさせて頂きます!お、お嬢様!」
「お嬢様は辞めなっ、カァーッが、柄じゃないよ!あたいの事はご主人様と呼びな!」
「はい!ご主人様! 朝から夜まで一日中しっかり仕えさせて頂きます!」
「よ、夜ってあんたた、男が不用意にそんな事言うんじゃないよっ」
「?」
「あんた、わかってないのかい……カアッー、とにかくっ、男が夜とか簡単に言うんじゃないよっわかったね?」
「はい!ご主人様!」
「くぅーーっ、ッッ、あ、あたいは一度冒険者ギルドに行ってくるよ! あんたは部屋の掃除でもしてな!」
「はいご主人様!行ってらっしゃいませ!」
「ッッ、じゅ、従順じゃないかい、あんたみたいな男はじめてみたよ、名前はなんていう? あたいはフレア、フレア・スカーレッドだよ」
「自分の名前はタケダ・テツロウです!」
「テツローかい、いい名だね、覚えたよそれじゃあ行ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ!」
…… 。
くぅーーーー! 可愛い過ぎんだろぉおおおおおお!!
一人になった途端抑えがたい衝動にかられて、胸元をかきむしりベッドにフルダイブして、ジタバタと下半身を暴れさせては、何度もベッドにフルダイブをかます。
ギャップ萌えぇえええええ!
圧!倒!的! ギャップ萌え!
さっきまでは凛々しい感じでオーラもヤバかったのに、
なんだあの可愛らしい生き物は!
うちのご主人様は世界一ぃいいい!
フッフッーーー、転生してくれた神様に!圧倒的感謝!
ふほぉおおおおぉーーーーー
。
ベッドいい匂いするぅううう、スハスハスハスハーっ、
ハッハッーーーー 異世界最高ぉおおフッフッー
くっそぉおおお、むしゅこベッドに擦り付けちゃうしかねぇええええだろぉおおおーーー、
まじで異世界最高ぉーーー!
ほんとまじでぇーー、
愛してんぜぇええ!
異世界!!
あっ、やべっ、
ベッドがベドベドになっちまった……。