00-01 再会した初恋の少女
はじまして。やんきゃんです。
一度ヤンデレ少女がでてくる話を書きたくて投稿しました。
結構エグイ描写もでてくるかもしれませんがよかったら読んでいただけると嬉しいです。
彼女との再会は運命とも奇跡とも感じた。
高校3年目の春。
俺ー真鍋 槇良は春が嫌いだ。
春というか寒いのが嫌いである。コートを着ても、手袋を着けていても寒がりの俺には全く効かない。桜が咲いていても花びらが邪魔だなーと感じるだけだ。
見慣れた校門を通りすぎ、靴箱にもたれて靴を履き替えていた時だった。靴を履き終え通りすぎようとする一年生らしき女の子。彼女を見た瞬間、俺は持っていた靴を落としてしまった。
「……す、鈴音?」
もしかしたら別人ではないか、そう思ったがなんとでも弁解はできる。それよりも本人なのか確かめたい。
上履きも履かず俺は急いで通りすぎていった彼女を追いかけ呼び止める。
「君、鈴音ちゃん……だよね?」
他の生徒が不思議そうにこちらを見ながら通りすぎていくがそんな事気にしている場合じゃない。
呼び止められ俺の顔をじっと見つめる彼女。
彼女の顔を見ると予感は的中した。
(この娘だ、間違いない。)
6年も前のはずなのに、面影はちゃんと残っていた。
もう会えないと諦めかけていた初恋の少女。
会いたくてたまらなかったあの娘だ。
少し垂れた大きな目に小さな身体。
綺麗な黒髪を白黒のシュシュで一つにまとめている可愛らしい少女。
上機嫌な俺と対照的に彼女は首をかしげ
「…貴方、誰ですか?すみませんが人違いだと思います。」
呟くような小さな声。
少し茶色のはいった綺麗な瞳が俺を見つめそう言った。
「えっ…」
「確かに私の名前は鈴音ですが、お会いしたことはないと思います。」
彼女は無表情のままはっきりとした口調で返した。
混乱して言葉がでない。
「それでは失礼します。」
綺麗にお辞儀をすると彼女は早々とさってしまった。
固まった状態の俺を残して。