**03
こんにちは。
初めて手紙を書きます。
書き方も分かりません。
でも書きます。あなたに伝えたいことがあります。
──届いていますか?
あたしは、あなたが──────。
次の日の朝に空き地に手紙を置きに行った。
放課後に行こうと思っていたけれど、待っていられなかった。
届くはずないと思ったけど体が勝手に動いていた。
そんなあたしの頭の中は手紙のことでいっぱいだった。
今までこんなことはなかった。
うれしい、たのしい。
これがどういう気持ちなのかも分からない。
けれど嫌ではなかった。むしろ良いと思えた。
だからかもしれない。
今日はいつもより学校にいる時間がすごく長く感じた。
いつもなら淡々と流れていった時間。
だけど今日は、はやくはやく。
そして鐘の音。
それと同時に駆け出した。
他人の目なんか気にしている余裕はなかった。
昨日と変わらない。
ゴミと荒らされた跡。
その中を走り抜けて闇をくぐる。
そしてあの場所へ。
「うそ、でしょ……?」
昨日と同じ、真ん中にしろ。
急いで拾って、開きだす。
あまりにも急ぎ過ぎて途中で少し破れてしまった。
そして開けば昨日と変わらないあの字。
でも。
(なん、で……)
言葉にならなかった。
手紙の中身は昨日よりも衝撃的だった。
衝撃的過ぎて、腕を強く握った。