8/33
厭紀endD 言わない
「ところで珠がこのまま見つからないとどうなるの?」
儀式は中止になるとかだろうか。
「前例がなくて詳しくはわからないけれど、女神役がいなくても、神社に犠は捧げるって聞いたわよ」
じゃあ珠のことは黙っててもいいかな。それに珠が手に入ったなんて言っても誰も信じないだろう。
「そうなんだ。ところで儀式っていつ?」
「一週間後よ、夏休みをいつまでも村で過すわけにいかないもの」
「そっか」
―――
「準備できた?」
「うん」
伍糸さんや穢乃さん達も都会に戻るみたいで、昨日はお別れの挨拶をしにきてくれた。
でも厭紀さんは具合が悪くてこられなかったみたい。心配だなあ。
【バッドend・・知らぬが華】